2017年の
トニー賞で
ミュージカル作品賞をはじめ6部門に輝いた
ブロードウェイ・ミュージカルを、
「ウォールフラワー」(12年)などの
スティーブン・チョボスキー監督が映画化した作品。ミュージカルで主演を務めた
ベン・プラットが本作でも主演している。全米では2021年9月に公開され、
公開週に週末興行ランキングの2位にランクインしている。

社交不安障害を抱えるティーンエイジャーの
エヴァン・ハンセン(プラット)は、学校でも友人と言えるのは同級生の
アラナ(アマンドラ・ステンバーグ)や幼馴染の
ジャレッド(ニック・ドダニ)くらいで、母親の
ハイジ(ジュリアン・ムーア)も心配していた。一方、
マーフィー家は裕福だが、
ラリー(ニック・ドダニ)と
シンシア(エイミー・アダムス)夫妻は折り合いが悪く、娘の
ゾーイ(ケイトリン・デヴァー)は悩んでいた。

そんなある日、
ゾーイの兄
コナー(コルトン・ライアン)がひょんな事から
エヴァンを突き飛ばしてしまい、兄に代わって
ゾーイが
エヴァンに謝りに来る。かねてから
ゾーイに恋心を抱いていた
エヴァンは、みじめな気持ちを振り払おうと、かかりつけのセラピストが勧めてくれていた、気分が良くなる事を日々自分宛の手紙にして書く事を実践して、
ゾーイへの想いを手紙にしたためるのだが、それをたまたま目にした
コナーが、自分を小馬鹿にした手紙だと勘違いして激昂してしまう…

社交不安障害を抱えて、世の中からの疎外感を感じていた若者が、様々な出来事を通じて成長していく姿を描いた作品。それまでにないテーマを扱ったミュージカルとして高い評価を得て
トニー賞にも輝いた原作に、映画に合うように多少の変更を加えているようだが、舞台の方をまだ見た事がない私にはストーリー展開は違和感なく観る事が出来た。

ミュージカル初演時は23歳だった主演の
プラットも映画撮影時は28歳で、高校生には苦しい年齢になっているが、繊細なティーンエイジャーの孤独感を良く表現していて歌と共に印象に残った。必ずしもハッピー・エンディングにはならないストーリーなのだが、決して暗い気持ちになるわけではなく、主人公の今後を応援したくなる、そんな温かい気持ちになれる映画でした。ミュージカルも観てみたいと思ったら2022年9月に閉幕していました。
⇒ 7/10点
ディア・エヴァン・ハンセンDear Evan Hansen (2021年・アメリカ)
監督: Stephen Chbosky
キャスト: Ben Platt, Kaitlyn Dever, Amandla Stenberg, Nik Dodani, Colton Ryan, Danny Pino, Julianne Moore, Amy Adams, DeMarius Copes, Liz Kate, Zoey Luna, Isaac Cole Powell, Marvin Leon, Hadlya Eshe, Julia Chen Myers, Gerald Caesar, Avery Bederman, Swift Rice, Tommy Kane, Aimee Garcia, Mariana Alvarez ほか
上映時間: 137分⇒ チョボスキー監督作「ウォールフラワー」(12年)感想 〜 オススメ!⇒ アダムス主演作「サンシャイン・クリーニング」(08年)感想
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