ランメルモールのルチア @ メトロポリタン・オペラ 〜 スターの輝きを放ったグリゴーロ!

今シーズンのメトルチア、タイトル・ロールはオルガ・ペレチャッコ=マリオッティ、相手役エドガルドには今絶好調のヴィットリオ・グリゴーロが登場!

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2015年のメトリゴレットでも印象的な歌唱を聴かせてくれたペレチャッコ、この役は昨年東京新国立劇場でも歌っているのだが、伸びやかで安定した美声で満足のいく歌唱を聴かせてくれた!ルチアの聴かせどころの狂乱のアリアでは、グラスハーモニカが使用されていたのが目を引いた(耳も)。

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今回の公演でも目立っていたのはグリゴーロ。最近安定感を増した声は迫力と情熱が感じられ、文句のない歌いぶり。カーテンコールでのイタリア人らしい立ち居振る舞いも華やかで、すっかり現在のメトを背負って立つテナーに成長した!

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エンリコ役のマッシモ・カヴァレッティライモンド役のヴィタリー・コワリョフもそれぞれ手堅い歌唱。指揮は病気のベテラン、ロベルト・アッバードに代わってギャレス・モレルが務めたが、やや生気のない音楽運びのように聴こえたのが残念。

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登場人物の心理状態を克明に浮かび上がらせたメアリー・ジマーマンの舞台は相変わらず見事。いい公演でした。

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Lucia di Lammermoor (1835年、ナポリ・サンカルロ劇場にて初演)
演出: Mary Zimmerman
指揮: Gareth Morrell
Lucia: Olga Peretyatko-Mariotti
Edgardo: Vittorio Grigolo
Enrico: Massimo Cavalletti
Raimondo: Vitalij Kowaljow
2018年4月7日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2014〜15年シーズンのメト「ルチア」感想

⇒ ペレチャッコ出演のメト「リゴレット」感想

⇒ グリゴーロ出演のメト「ホフマン物語」感想
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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

コジ・ファン・トゥッテ @ メトロポリタン・オペラ

今シーズンのメトコジ・ファン・トゥッテは、イギリスの演出家フェリム・マクダーモットによる新演出!

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今回の上演はメトでは比較的新顔の歌手を中心とした配役で、またデスピーナ役に渡辺謙と共演した「王様を私」を始め、ミュージカルで活躍しているケリー・オハラを起用しているのが注目される。

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さて、まずは大きな話題を呼んだマクダーモットの演出。設定を1950年代のコニー・アイランドに移し、本物の大道芸人を出演させた舞台は不思議なファンタジー色に満ち溢れていて、国も時代も大幅に変えている事が気にならないし、二組の恋人たちがドン・アルフォンソに操られて繰り広げる狂騒劇がおとぎ話のように浮かび上がってくる、なかなか素晴らしい演出。

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二組の恋人たちを演じた4人の歌手、アマンダ・マジェスキー(フィオルディリージ)、セレーナ・マルフィ(ドラベッラ)、ベン・ブリス(フェルランド)、アダム・プラチェトカ(グリエルモ)はいずれも若々しさいっぱいの好唱・好演で、モーツァルトがこの作品に散りばめた珠玉の重唱の数々を存分に楽しむ事が出来た。

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ドン・アルフォンソ役のクリストファー・マルトマンも堂々たるバリトンで舞台をしっかりと支え、ケリー・オハラもミュージカルの一線で鍛えた演技力と、当初はオペラ歌手を志していただけあってオペラの狂言回し的な存在のデスピーナ役にぴったりの歌唱と演技。

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指揮は当初予定されていたジェームズ・レヴァインのセクハラ問題による降板により、セントルイス響の音楽監督を務めるデイヴィッド・ロバートソンが代わって務めたが、こちらは堅実な指揮ぶりで、歌手たちをしっかりと支えていた。

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オペラの時代設定を大きく変える試みは、当然の事ながら当たり外れが大きいのだが、今回は大きく成功した事例。楽しめました!

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Cosi fan Tutte (1790年、ウィーン宮廷劇場にて初演)
演出: Phelim McDermott
指揮: David Robertson
Fiordiligi: Amanda Majeski
Dorabella: Serena Malfi
Ferrando: Ben Bliss
Guglielmo: Adam Plachetka
Despina: Kelli O'Hara
Don Alfonso: Christopher Maltman ほか
2018年3月31日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2013〜14年シーズンのメト「コジ・ファン・トゥッテ」感想

⇒ マクダーモット演出のメト "Enchanted Island" 感想

⇒ ロバートソン指揮のメト「イェヌーファ」感想

⇒ マジェスキー出演のメト「フィガロの結婚」感想

⇒ マルフィ・プラチェトカ出演のメト「フィガロの結婚」感想

⇒ ブリス出演のメト「さまよえるオランダ人」感想

⇒ オハラ出演のメト「メリー・ウィドウ」感想

⇒ マルトマン出演のメト「マノン・レスコー」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

ばらの騎士 @ バイエルン国立歌劇場

2018年〜19年シーズンよりベルリン・フィルの首席指揮者に就任予定のキリル・ペトレンコが、2013年より音楽監督を務めているバイエルン国立歌劇場を引き連れてカーネギーホールに客演。私が行った日のプログラムは、地元ミュンヘン出身のリヒャルト・シュトラウスの楽劇「ばらの騎士」の演奏会形式上演!

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今回の公演では、元帥夫人アドリアンヌ・ピエチョンカオクタヴィアンアンジェラ・ブロウアーゾフィーハンナ・エリザベス・ミュラー、それにオックス男爵ピーター・ローズという配役。

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まずはペトレンコの指揮。シュトラウスの複雑のオーケストレーションを、決して響きが厚ぼったくなる事なく、各声部がクリアに聞こえてくるように整理して聴き手に提示する手腕はさすがで、その軽やかな音楽の運びからシュトラウスがこの音楽に込めた様々な感情が浮かび上がってくる、印象的な音楽作り。

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歌手時もいずれも好演で、その中でも特に目立っていたのは暖かい声で元帥夫人の感情のひだを細やかに歌い出したピエチョンカと透明感あふれる美声のミュラー

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 ローズ

また、第1幕に登場するテノール歌手役でローレンス・ブラウンリーが登場し、伸びやかな美声を聴かせてくれた!

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ばらの騎士(1911年、ドレスデン王立劇場にて初演)
指揮: Kirill Petrenko
バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
The Marschallin: Adrianne Pieczonka
Octavian: Angela Brower
Sophie: Hanna-Elisabeth Muller
Baron Ochs: Peter Rose
Italian Singer: Lawrence Brownlee ほか
2018年3月29日、カーネギーホール


⇒ 2017年のメト「ばらの騎士」感想

⇒ ペトレンコ指揮のメト「ホヴァンシチーナ」感想

⇒ ピエチョンカ出演のメト「フィデリオ」感想

⇒ ローズ出演のメト「ばらの騎士」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

エレクトラ @ メトロポリタン・オペラ

長年メトロポリタン・オペラの音楽監督を務めてきたジェームズ・レヴァインがセクハラ疑惑で解雇されたためか、予定を2年早めて今年の9月から音楽監督に着任することになった俊英ヤニック・ネゼ=セギャン。今回はR・シュトラウスエレクトラの公演に登場。

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2015〜16年シーズン以来、2シーズンぶりの上演となった今回は、タイトル・ロールにクリスティーネ・ゲルケが登場。

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メトでの出演頻度も増えてきているゲルケ、声の威力はさすがで、フル編成のオーケストラを向こうにして一歩も引けを取らない歌唱だったが、ややピッチが不安定な感じで、前回素晴らしい歌唱を聴かせてくれたニーナ・シュテンメに比べて表現もやや薄口だろうか。

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エレクトラの妹クリュソテミス、母クリュテムネストラ、そして弟のオレストはそれぞれソプラノのエルザ・ファン・デン・ ヒーヴァー、メゾ・ソプラノのミカエラ・シュースター、バスのミハイル・ペトレンコが歌ったが、いずれも破綻のないまずまずの歌いぶり。

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今回もやはり白眉はネゼ=セギャンの指揮で、R・シュトラウスの大規模で複雑なオーケストレーションが決して混濁したり、うるさく聞こえたりせずに、物の見事にオーケストラをドライブしていた。

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前回がメトへの初披露となったシェローの舞台は、登場人物の心理状況をくっきりと浮かび上がらせる素晴らしい舞台で、今回も見応えがありました。

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Elektra (1909年・ドレスデン宮廷劇場にて初演)
演出: Patrice Chéreau
指揮: Yannick Nézet-Séguin
Elektra: Christine Goerke
Chrysothemis: Elza van den Heever
Klytamnestra: Mikaela Schuster
Rest: Mikhail Petrenko
Aegisth: Jay Hunter Morris ほか
2018年3月17日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2015〜16年シーズンの公演感想

⇒ ネゼ=セギャン指揮のメト「パルジファル」感想

⇒ ゲルケ出演のメト「影のない女」感想

⇒ ファン・デン・ヒーヴァー出演のメト「イドメネオ」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

セミラーミデ @ メトロポリタン・オペラ 〜 再評価が進むロッシーニのオペラ・セリア

今回は、近年再評価が進むロッシーニオペラ・セリアの一つ、セミラーミデ

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ロッシーニが活動拠点をパリに移す前の1823年に作曲され、ヴェネツィアフェニーチェ劇場で初演されたロッシーニ34番目のオペラで、イタリア時代最後のオペラとなった作品だが、この時ロッシーニはまだ30歳になったばかり。本当に恐ろしい創作能力だが、その代わり燃え尽きるのも早く、この7年後に作曲された「ウィリアム・テル」を最後にオペラ作曲の筆を折っている。

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このオペラは早くも1892年にはメトで初演され、当時の名ソプラノ、ネリー・メルバが8回出演するなど、それなりに上演された演目であったのだが、1895年以降は1990年に復活蘇演されるまで95年もの間、埋もれる事になった。

今回はその1990年にプレミエ上演されたジョン・コプリーの演出による舞台で、アンジェラ・ミードハヴィエル・カマレーナイルダール・アブドラザーコフら、今脂が乗っている歌手たちによる注目の上演。

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タイトル・ロールのセミラーミデ役を歌ったアンジェラ・ミード、実はこの役は脇役的存在で、最後には実の息子の殺されてしまうという役なのだが、相変わらず美しい声で、コロラトゥーラも余裕たっぷりで素晴らしい歌唱だった。この人はきっとメトの将来を背負って立つソプラノになると思う。

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このオペラの主役で、セミラーミデの実の息子アルサーチェ役を演じたのが、メゾ・ソプラノのエリザベス・デション。ロッシーニはメゾ・ソプラノを主役に持ってくることが多いのだが、メトで初の主役での起用となったが、深みは感じられなかったものの、軽やかで暖かみのある声で、健闘していた。

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こちらもどちらかといえば狂言回し役的なインドの王子、イドレーノを演じたのがカマレーナ。伸びやかな美声、力強いコロラトゥーラなど、この人はいつも本当に素晴らしい歌唱を聴かせてくれる。今やメトになくてはならない存在!

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敵役のアッスールを演じたアブドラザーコフも、威力のあるバスで堂々たる悪役ぶり。

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この他、祭司長オローエ役のライアン・スピード・グリーンも深々とした声で印象的。この人も今後の活躍が期待される若手!

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指揮はベテランのマウリツィオ・ベニーニで、こちらはいつもながらの堅実でソツのない指揮ぶり。ジョン・コプリーの舞台は伝統的で分かりやすい舞台で、初めて見ても違和感を感じさせないもの。

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このオペラを作曲した前年にウィーンベートーヴェンに会った影響か、ロッシーニのオペラとしてはドイツ音楽風で劇的な要素もある充実した音楽だが、少し長く感じられるかも知れない。

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Semiramide (1823年、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場にて初演)
演出: John Copley
指揮: Maurizio Benini
Semiramide: Angela Meade
Arsace: Elizabeth DeShong
Idreno: Javier Camarena
Assur: Ildar Abdrazakov
Oroe: Ryan Speedo Green
2018年3月10日、メトロポリタン歌劇場


⇒ ミード出演のメト「エルナーニ」感想

⇒ デション出演のメト "Enchanted Island" 感想

⇒ カマレーナ出演・ベニーニ指揮のメト「清教徒」感想

⇒ アブドラザーコフ出演のメト「フィガロの結婚」感想

⇒ グリーン出演のメト「ラ・ボエーム」感想

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