ばらの騎士 @ メトロポリタン・オペラ 〜 ルネ・フレミング最後の元帥夫人!

今シーズン最後のメトは、新演出となったR・シュトラウスの傑作、ばらの騎士

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カナダの演出家、ロバート・カーセンによる新演出となった今回の舞台だが、それ以上に話題となったのが、長年にわたり世界中のオペラハウスで活躍してきた名ソプラノ、ルネ・フレミングにとって最後となる元帥夫人

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最近では声の衰えを巧みな歌い口でカバーしてさすがと思わせる歌唱を披露してくれていたフレミングだが、彼女の当たり役の一つであるこの元帥夫人では、歌い口の美しさはもちろん、情感のこもった気品溢れる歌唱で、さすがだった!私が行ったのは最終日の公演だったのだが、終演後舞台上から紙吹雪が撒かれ、観客からも惜しみない拍手が注がれていた。

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オクタヴィアンは当代きっての人気メゾ、エリーナ・ガランチャ。美声の持ち主ではあるものの、かっては薄口な表現が物足りなかったものだが、最近は感情表現にも奥行きを感じるようになり、この役はそれほど深い感情表現が要求されるわけではないとはいえ、こちらも情感のこもった歌で盛り上げていた。

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ゾフィー役は若手コロラトゥーラ・ソプラノのエリン・モーリーだが、こちらは役に相応しい可憐な歌唱!

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オックス男爵役はオーストリア出身のバス、ギュンター・グロイスベック。声量は十分だが、やや真面目な感じのオックス男爵といった感じだった。

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この他では、テノール歌手役を務めたマシュー・ポレンザーニが伸びやかな美声で聴衆を魅了していた。

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カーセンの舞台は、時代設定や舞台背景などを変えたりせず、意外にオーソドックスで洗練されたものになっていて、フレミングの晴れ舞台に相応しいものだった。

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最後に指揮のセバスティアン・ヴァイグレ。2008年よりフランクフルト歌劇場の音楽監督を務め、ヨーロッパを中心に活躍している指揮者だが、メトにも先般上演されていたフィデリオを始め、これまでに数度客演している。今まではどちらかといえば、それほど印象に残った指揮者ではなかったのだが、今回はニュアンスに富んだ、素晴らしい出来栄えで、この名作オペラを堪能するのに相応しい音楽作りだった!

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ばらの騎士(1911年、ドレスデン王立劇場にて初演)
演出: Robert Carsen
指揮: Sebastian Weigle
The Marschallin: Renee Fleming
Octavian: Elina Garanca
Sophie: Erin Morley
Baron Ochs: Gunther Groissbock
Italian Singer: Matthew Polenzani ほか
2017年5月13日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2013 - 14年シーズンのメト「ばらの騎士」感想

⇒ カーセン演出のメト「ファルスタッフ」感想

⇒ ヴァイグレ指揮のメト「フィデリオ」感想

⇒ フレミング出演のメト「メリー・ウィドウ」感想

⇒ ガランチャ出演のメト「ロベルト・デヴリュー」感想

⇒ モーリー出演のメト「ホフマン物語」感想

⇒ グロイスベック出演のメト「タンホイザー」感想

⇒ ポレンザーニ出演のメト「イドメネオ」感想
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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

シラノ・ド・ベルジュラック @ メトロポリタン・オペラ 〜 アラーニャが珍しいアルファーノのオペラを熱唱!

シーズンもラスト・ストレッチに入ったメト。本日は、珍しいアルファーノのオペラ、シラノ・ド・ベルジュラック

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プッチーニの遺作「トゥーランドット」を補筆完成させた作曲家として知られているアルファーノだが、代表作とされるこのシラノを含め、その作品はほとんど知られていない。今回のメト公演でタイトル・ロールを務めるロベルト・アラーニャプラシド・ドミンゴが近年、上演に尽力したおかげで次第に知られるようになってきたこのオペラ、メト初演も2005年と本当に最近の話。今回の上演は、アラーニャがタイトル・ロールを務める他、ロクサーヌ役は当初パトリシア・ラセットが歌う予定だったのが、病気キャンセルのため、若手ソプラノのジェニファー・ロウリーが代役として起用されている。

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エドモンド・ロスタンの有名な同名戯曲をアルファーノが1936年にオペラ化したこの作品、ローマでの初演はイタリア語版だったが、今回のメトでの上演は、その4ヶ月後にパリで上演された、ロスタンの原作を生かしたフランス語版。その音楽は印象派の影響を受けたアルファーノの作品らしく、洗練された響きやメロディーに彩られているが、一回聴いたら忘れないようなアリア等はなく、少し印象が弱い感じ。

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さて、この作品の復活に尽力したアラーニャによるシラノ、さすがフランス人だけあって、フランス語のディクションは美しく、持ち前の流麗なカンタービレを生かした流麗かつ情熱的な歌唱はさすがだった。大きな鼻をつけての歌唱は呼吸が難しくて大変だったらしいが、その健闘に拍手!

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シラノが密かに思いを寄せるロクサーヌ役のロウリーは、伸びやかな美声を生かしたなかなかの歌いぶりで、アラーニャを相手に一方も引かない歌唱。これからが楽しみなソプラノ!

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ロクサーヌが思いを寄せるクリスチャン役はブラジルのテノール、アターラ・アヤンで、こちらもまずまずの歌いぶり。

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指揮はメトでおなじみのマルコ・アルミリアートだが、あまりパッとしない感じ。それが音楽のせいなのか、指揮のせいなのかは良く分からないが…

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2005年のメト初演から使われているフランチェスカ・ザンベッロの舞台はオペラの時代背景に忠実なもの。全体的に楽しめる作品で、特にアラーニャロウリーの歌唱が光っていました!

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Cyrano de Bergerac (1936年、ローマ・王室歌劇場にて初演)
演出: Francesca Zanbello
指揮: Marco Armiliato
Cyrano: Roberto Alagna
Roxane: Jennifer Rowley
Christian: Atalla Ayan
Ragueneau: Roberto de Candia
Montfleury: Tony Stevens
Le Bret: David Pittsinger ほか
2017年5月6日、メトロポリタン・オペラ


⇒ アラーニャ出演のメト「蝶々夫人」感想

⇒ アルミリアート指揮のメト「マノン・レスコー」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

さまよえるオランダ人 @ メトロポリタン・オペラ 〜 ネゼ=セギャン登場!

昨年6月に、これまで40年間音楽監督の座にあったジェームズ・レヴァインの後継として、2020−21年シーズンからメトの音楽監督に就任する事が発表された、カナダの俊英ヤニック・ネゼ=セギャンワーグナーのさまよえるオランダ人の公演で、就任発表後、メト初登場!

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2009-10年シーズン以来の上演となった今回の公演、演出は1989年以来のアウグスト・エファーディングのもので、タイトル・ロールには、ドイツ物を歌わせたら第一人者との評価が固まりつつあるミヒャエル・ヴォッレが満を持しての登場!

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まずはネゼ=セギャンの指揮。これがとにかく素晴らしかった! これまでこのオペラで、これだけ雄弁に、ニュアンス豊かにオーケストラが鳴り響いたのは聴いた事がなく、メトで聴いた彼の演奏の中で、疑いなく最上の演奏で、本当に感動した!

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オランダ人ヴォッレは、朗々たる声を生かした堂々の歌唱は素晴らしかったのだが、割合明るい声質なので、ダークなオランダ人とはちょっとキャラクターの違いを感じるところもあった。

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ゼンタ役は、アメリカの若手ソプラノ、アンバー・ワグナーだったが、こちらは豊かな声量と美しい声で、期待を上回る歌唱。メトへの出演は2011年以来との事だが、もっと出演して欲しい歌手!

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この他では、強靭な声でダーラント役を歌ったフランツ=ヨーゼフ・セリグとリリカルなテナーのベン・ブリスによるエリックが印象的だった。

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今は亡きドイツの名演出家エファーディングの舞台も、時代設定を新しくはしているものの、オペラに沿ったオーソドックスな舞台。それにしてもネゼ=セギャンの指揮には感嘆した。フィラデルフィア管の音楽監督職をはじめ、世界各地で引っ張りだこな彼、来シーズンもパルジファルだけの出演だが、今から音楽監督着任が待ち遠しい!

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Der Fliegende Hollander (1843年、ドレスデン・宮廷劇場にて初演)
演出: August Everding
指揮: Yannick Nezet-Seguin
The Dutchman: Michael Volle
Daland: Franz-Joseph Selig
Senta: Amber Wagner
Erik: Ben Bliss
2017年5月4日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2009-10年シーズンの公演感想

⇒ ネゼ=セギャン指揮のメト「オテロ」感想

⇒ ヴォッレ出演のメト「ニュルンベルクのマイスタージンガー」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

カーチャ・カバノーヴァ @ ジュリアード音楽院

ジュリアード音楽院の声楽家の学生さんたちの発表の場として、年に2回オペラ公演が行われるのだが、その2回目の公演に娘がオーケストラで出演するという事で、観に行く事に。

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今回の公演はヤナーチェクの代表的なオペラ、カーチャ・カバノーヴァ。出演者は、全員ジュリアードの学生さんだが、やはり大学院にいる人が多いようだ。

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オーケストラ・ピット。娘は今回は第1ヴァイオリンに。

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演奏は、さすが世界中の歌劇場で活躍しているオペラ歌手を輩出しているジュリアードだけあって、とても学生さんとは思えない、高水準の歌唱。特に、主役のカーチャ役を演じたソプラノのフェリシア・ムーアは素晴らしかった!

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今回は計3回の公演で、忙しい授業やレッスンの中でのリハーサルも含め、大変だったようだが、歌手と合わせるという得難い経験になったのではないだろうか。

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Katya Kabanova (1921年、ブルノ・国立劇場にて初演)
演出: Stephen Wadsworth
指揮: Anne Manson
Katya: Felicia Moore
Varvara: Samantha Hankey
Kabanicha: Sara Couden
Boris: Gerald Schneider
Tichon: Miles Mykkanen ほか
2017年4月23日、ピーター・ジェイ・シャープ・シアター

テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

エフゲニー・オネーギン @ メトロポリタン・オペラ

シーズンもあとわずかとなったメト、本日はチャイコフスキーのエフゲニー・オネーギン

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2013〜14年シーズンにプレミエ上映が行われたデボラ・ワーナーの舞台の3シーズンぶりの再演となった今回、オネーギン役はディミトリー・ホロストフスキーが務める予定だったのだが、現在脳腫瘍の闘病中の彼は、舞台に上がるまでの回復が叶わず、プレミエでオネーギンを歌ったマリウシュ・クヴィエチェンペーテル・マッテイが交代で代役を務めることに。タチアーナはプレミエ同様、アンナ・ネトレプコ

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さて、私が行った日のオネーギンマッテイ。その朗々たる美声で、すっかり今を代表するバリトンの一人となった彼、ニヒルで斜に構えたオネーギンというよりは、明るくエネルギッシュといったイメージではあるものの、さすがに堂々たる歌唱!

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ここ数年で、より重い声の役へと上手にレパートリーを転換する事に成功したネトレブコ、この日はやや声が不安定な感じだったが、それでも3シーズン前の歌唱から一段と表現力を増したタチアーナで、存在感を示してくれた。

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レンスキーオルガはそれぞれアレクセイ・ドルゴフエレーナ・マクシモーヴァロシア勢が演じたが、ドルゴフはやや声量は小さめながら、情熱的な歌いぶり、マクシモーヴァも美しいメゾで無難に歌いこなしていた。

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指揮は2014年よりグラインドボーン音楽祭の音楽監督を務めるロビン・ティチアーティで、こちらはチャイコフスキー特有のロマンチックな旋律をしっかりと歌わせた万全のサポートぶりを聴かせてくれ、好印象。

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ワーナーの舞台は少し中途半端な感じがするもので、可もなく不可もなくといった感じでした。

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Eugene Onegin (1881年、ボリショイ劇場にて初演)
演出: Deborah Warner
指揮: Robin Ticciati
Onegin: Peter Mattei
Tatiana: Anna Netrebko
Lenski: Alexey Dolgov
Olga: Elena Maximova
Filippyevna: Larissa Diadkova
Triquet: Tony Stevenson
Prince Gremin: Stefan Kocan ほか
2017年4月22日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 前回上演感想

⇒ ネトレブコ出演のメト「マノン・レスコー」感想

⇒ マッテイ出演のメト「セヴィリアの理髪師」感想

テーマ : オペラ
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