ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 演奏会

ほぼ毎年のようにカーネギーホールに来演しているオランダの名門、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。今シーズンは2016年より首席指揮者を務めるダニエレ・ガッティと共に来演。

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私が行った日は、前半にオランダのヴァイオリニスト、ジャニーヌ・ヤンセンをソリストに迎えてのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番に、メインはマーラーの交響曲第1番というプログラム。

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前半のブルッフ、ヴァイオリニストにとってはポピュラーなレパートリーで、独自性を出すのは難しい曲だと思うが、ジュリアードの学生の間でも人気があるというヤンセン、旋律の歌いまわしとかに個性を感じさせる演奏だった。全体的にはおとなしめで、もう少し心に訴えてくる何かが欲しいかっただろうか。

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マーラーは、この楽団にとってゆかりの深い作曲家で、この交響曲第1番も、これまで数えられないくらい演奏してきたであろう作品。輝かしくて明るいアメリカの楽団の音色とは明らかに異なる、ちょっとくすんだような、温かみのあるオーケストラの響きがこの曲にふさわしいが、イタリア出身のガッティとのコンビでは、ドイツものを得意にしている指揮者とはいえ、やはりラテン的なカラッとした味わいを感じ、私の求めるこの曲のイメージとは少しギャップがある印象を受けた。

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それにしても、このオーケストラの室内楽的なアンサンブル、木質の響きはやはり素晴らしい!

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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 演奏会
指揮: Daniele Gatti
Bruch: Violin Concerto No. 1 in G minor, Op. 26
(ヴァイオリン独奏: Janine Jansen)
Mahler: Symphony No. 1 in D major
(アンコール)
Falla: "Nana" from Suite Populaire Espagnole
2018年1月18日、カーネギー・ホール


⇒ ビシュコフが名演を聴かせてくれた2016年11月のカーネギーホール演奏会感想

⇒ ガッティが指揮した2015年のウィーン・フィル演奏会感想
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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

カヴァレリア・ルスティカーナ & 道化師 @ メトロポリタン・オペラ

昨シーズンに引き続いての上演となったヴェリズモ・オペラの代表作コンビ、カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師

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今シーズンの上演の目玉は、ロベルト・アラーニャトゥリッドゥカニオ役を務める事。道化師での相手役ネッダには、奥方のアレクサンドラ・クルザクが務める予定だったのだが、病気のため降板となり、代わってアメリカのソプラノ、ダニエッレ・パスティンが出演した。

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すでに2009年にメトで両役を歌っているアラーニャ、どちらかといえば、ドラマティックな声を要求される役よりリリカルなものの方が声質に合っていると思うのだが、アイーダラダメス役など、ドラマティックな役もこなしているオールラウンダーなので、特により叙情的なカヴァレリア・ルスティカーナの方ではさすがと思わせる歌唱を聴かせてくれた。この人はメロディラインを綺麗に浮かび上がらせて歌える人なので、何を歌ってもそれなりの水準で聴かせてくれるのが素晴らしい。

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カヴァレリア・ルスティカーナサントゥッツァ役はロシアのメゾ・ソプラノ、エカテリーナ・セメンチュクで、豊かな声を生かした情感のこもった、満足のいく歌唱。

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クルザクに代わってネッダ役を歌ったパスティンも好唱。カヴァレリアアルフィオ役・道化師トニオ役を歌ったゲオルグ・ガグニーゼも貫禄の歌唱で舞台を盛り立てていた。

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指揮は、サンフランシスコ・オペラの音楽監督で、メトでもおなじみのニコラ・ルイゾッティで、いつもながらの手堅い指揮ぶり。メトの合唱団もいつもながらの高い水準でした!

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Cavaleria Rusticana (1890年、ローマ・コスタンツィ劇場にて初演)
演出: David McVicar
指揮: Nicola Luisotti
Turiddu: Roberto Alagna
Santuzza: Ekaterina Semenchuk
Alfio: George Gagnidze
Lola: Rihab Chaieb
Mamma Lucia: Jane Bunnell ほか

Pagliacci (1892年、ミラノ・ヴェルメ劇場にて初演)
演出: David McVicar
指揮: Nicola Luisotti
Canio: Roberto Alagna
Nedda: Danielle Pastin
Tonio: George Gagnidze
Beppe: Andrew Bidlack
Silvio: Alexey Lavrov ほか

2018年1月11日、メトロポリタン歌劇場


⇒ ガグニーゼ出演、2013〜14年シーズンのメト「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」感想

⇒ アラーニャ出演のメト「シラノ・ド・ベルジュラック」感想

⇒ セメンチュク出演のメト「ヴェルディ: レクイエム」感想

⇒ ルイゾッティ指揮のメト「椿姫」感想

⇒ マクヴィカーによる新演出のメト「ノルマ」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

イリーナ・メジューエワさんのピアノ名曲案内: その1〜バッハの平均律クラヴィーア曲集

正月に日本に一時帰国した際、たまたま本屋で目にしたのが、京都在住の人気ピアニスト、イリーナ・メジューエワさんの手になる「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」という本。

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頁をパラパラとめくってみて、興味深い内容だったし、これまでピアノ曲を体系立てて聞いてみた事もなかったので、今年は本で紹介されている名曲を一つ一つ追っていく事に。

さて、最初の曲は、ご存知バッハの名曲にして大曲、ピアニストのバイブルとも言われている平均律クラヴィーア曲集

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全2巻、48曲からなるこの曲集は、1722年に第1巻24曲、それから20年後の1742年に第2巻24曲が完成されている。全曲、前奏曲とフーガの2部構成で成り立っているのだが、1・2巻とも新たに作曲されたものではなく、既存の前奏曲やフーガを編曲してまとめたもののようだ。

      Tempered 1
      第1巻 表紙

表紙に記された言葉から、指導用の教本的な性格を持たせた曲集である事が読み取れ、特に第1巻はシンプルな感じの曲もあるのだが、第2巻になると、曲の規模も拡大し、内容的にも複雑な構成の曲が多くなってきていて、20年の間のバッハの進化もうかがえるのが興味深い。

 Prelude C major
 第1巻の1曲目、ハ長調プレリュードの自筆譜

「平均律クラヴィーア曲集」という題名の意味については、様々な解釈があるようなのだが、調律を変更する事なく、可能なあらゆる調を使った曲を特定されない鍵盤楽器で弾くための曲という感じのようだ。

私が前から持っていたCDは、グレン・グールドのものなのだがこれまでまともに聴いた事がなく(何せ全曲通すとCD4枚分あるので長くて。。。)、今回は、メジューエワさんが本の中で推薦しているロシアの巨匠スヴャトスラフ・リヒテルの盤も入手して聴き比べてみた。

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J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1・2巻
ピアノ独奏: スヴャトスラフ・リヒテル
1970〜73年 録音


この演奏は、メジューエワさんがコメントしている通り、とにかくピアノの音が美しく、それでいて複雑な箇所も明晰さを失わないと言った感じ。そして、リヒテル特有の、他の誰にも出せないような深い低音の響きが心に染み入るようで、本当に感動的な演奏。本でも難しい調として紹介されている第1巻嬰ハ短調や嬰二短調のフーガなど、本当に美しかった!

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これに対してグールドの演奏は、彼らしくピアノの音色の美しさよりは明晰さを追求したような演奏で、リヒテルとはまた違った音楽の世界を作り出しているが、グールドは私の好きなピアニストであるものの、この曲集に限って言えば、リヒテルの演奏の方が好きだった。

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ピアノ独奏: グレン・グールド
1962〜71年 録音


今回は1ヶ月間、毎朝通勤時にウォークマンでひたすら聞いていたのだが、バッハが作り出した小宇宙のような世界にすっかり引き込まれてしまい、これまでちょっと聴かず嫌いだった事を反省。でも全曲をぶっ通しで聴くのは、やはりしんどいなぁ…

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

フィガロの結婚 @ メトロポリタン・オペラ

今回は、およそ1年半ぶりのフィガロの結婚

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今シーズンは、スザンナ役でメト・デビューとなったドイツのソプラノ、クリスティアーネ・カルクをはじめ、比較的若手のキャスト!

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さてそのカルク、今回がメト・デビューとはいっても、ザルツブルク音楽祭への出演など、既にヨーロッパでは実績十分の歌手。やや細めの感じの声質という印象だったが、演技とともに、存在感十分の歌唱でなかなかだった!

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伯爵夫人役は前回2016年3月の公演でもこの役を歌って好印象だったアメリカのソプラノ、レイチェル・ウィリス=ソレンセンで、今回も豊かな声量の美声で満足のいく歌唱だった。

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ケルビーノイタリアのメゾ、セレーナ・マルフィで、こちらも活気のある演技と生き生きとした歌唱でこの役らしさが出ていた。

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対する男声陣は、フィガロチェコのバス=バリトン、アダム・プラチェトカ、伯爵にヴェネズエラのバス=バリトン、ルカ・ピサロニだったが、女性陣に比べ少し影が薄い感じだった。まあ、劇の筋も、男性陣が女性陣にしてやられるという感じなので、これで良いのかも知れないが。。。

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指揮は古楽でおなじみのハリー・ビケットだが、意外にオーソドックスで手堅い音楽作り。モーツァルトの天才的な音楽を過不足なく再現してくれた。回り舞台をうまく使ったリチャード・エアの演出も良い。

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Le Nozze di Figato (1785年、ウィーン・ブルク劇場にて初演)
演出: Richard Eyre
指揮: Harry Bicket
Figaro: Adam Plachetka
Suzanna: Christiane Karg (デビュー!)
Count Almaviva: Luca Pisaroni
Countess Almaviva: Rachel Willis-Sorensen
Cherubino: Serena Malfi
Marcellina: Katarina Leoson
Doctor Bartolo: Maurizio Muraro
Don Basilio: Robert McPherson
Barbarina: Hyesang Park ほか
2017年12月23日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2016年3月の公演感想

⇒ プラチェトカ・マルフィ出演のメト「ドン・ジョヴァンニ」感想

⇒ ピサロニ出演のメト「清教徒」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

ジュリアード から

12月は、レッスンの合間を縫って、オーケストラのコンサートに加えて、室内楽の発表会が2つと殺人的に忙しいスケジュールだった娘。

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7日の発表会では、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第1番、そして17日にはシューベルトの弦楽四重奏曲第15番と大曲を二つ、しかもそれぞれ違うメンバーでの演奏だったために、練習時間のスケジューリングも大変だったそう。

 ジュリアード 2
 ジュリアード内にある会場の Morse Hall

2曲とも充実した演奏で、なかなか聞き応えがあった。クリスマス休暇には日本に戻って友達と会ったりして英気を養い、また1月から忙しい日々が続きます。
 

テーマ : バイオリン
ジャンル : 音楽

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