おとうと ~ 山田洋次監督らしい作品だが。。

山田洋次監督の2009年の作品で、市川崑監督「おとうと」(60年)へのオマージュとして製作されている。主演は吉永小百合笑福亭鶴瓶。日本では2010年1月に全国公開され、公開週に興行ランキングの3位に入っている。

      Brother Poster

夫を早くに亡くし、女手一つで娘の小春(蒼井優)を育てながら、義母の絹代(加藤治子)と共に、東京のとある商店街にある薬局を切り盛りしている吟子(吉永)

 Brother 1

彼女には、長らく音信不通となっている役者くずれの弟、鉄郎(鶴瓶)がいた。やがて小春の結婚が決まるが、結婚式の当日、その鉄郎が紋付はかま姿で突然現れ、酔っぱらった挙句、披露宴を台無しにしてしまう...

 Brother 2

本作の公開当時は、山田監督の集大成的な作品として評価の高かった映画で、確かに笑いと涙を巧みに織り交ぜながら家族の絆を描いていくさまは、山田監督らしく、描き方も巧み。

 Brother 3

山田監督らしい作品だとは思うが、私にとってはまさにその点が作品を面白くなくさせている要因のように思える。鉄郎は今の世の中にこんな人いるの、というぐらい、デフォルメされたキャラクターに見えるし、鶴瓶は熱演だとは思うが、熱演すれば熱演するほど、演技がわざとらしく見えてしまうように思える。

 Brother 4

一方の吉永小百合も、彼女らしい演技だと思うが、私には感情の動きが全く伝わって来ない演技にみえる。最近の作品は、どれも役柄というよりは吉永小百合を強く感じてしまうものが多く物足りない、と言ったら怒られるだろうか。

 Brother 5

残念ながら、この映画には全く共感する事が出来なかった。共感出来ない映画はやはり面白くないですね...  ⇒ 4/10点

おとうと
(2009年・日本)
監督: 山田洋次
キャスト: 吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優、加瀬亮、加藤治子、笹野高史、小日向文世、石田ゆり子、森本レオ、小林稔侍、ラサール石井、石塚義之、池乃めだか、佐藤蛾次郎、中居正広、キムラ緑子、田中壮太郎、茅島成美、近藤公園、横山あきお ほか
上映時間: 126分


⇒ 山田洋次監督の代表作「幸福の黄色いハンカチ」(77年)感想 ~ オススメ!

⇒ 吉永小百合主演・笑福亭鶴瓶出演作「ふしぎな岬の物語」(14年)感想

⇒ 笑福亭鶴瓶主演作「ディア・ドクター」(09年)感想

⇒ 蒼井優出演作「るろうに剣心 伝説の最期編」(14年)感想
スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

映画: 瞳の奥の秘密

アルゼンチンを代表する映画監督、ファン・J・カンパネラの2009年の作品で、2010年のアカデミー賞で外国語映画賞に輝いた彼の代表作。

      EL Secreto Poster

1999年のアルゼンチン・ブエノスアイレス。定年を迎えた裁判所の事務官ベンハミン(リカルド・ダリン)は、25年前に発生した忘れられない事件をテーマに小説を執筆する事を決意する。

 El Secreto 1

1974年に起きたその事件、新婚間もなかった美しい女性が惨殺され、容疑者として被害者の家に出入りしていた修理職人二人が逮捕されたのだったが...

 El Secreto 2

二人は無実ではないかとの疑いを抱いたベンハミンは、密かに思いを寄せる上司で人妻のイレーネ(ソレダ・ビジャミル)と共に捜査を進めるのだった...

 El Secreto 4

ベンハミンが小説を書き進めていく中で、25年前の事件の真相が明かされていくという、サスペンス仕立てのストーリー展開ながら、ここで描かれているのは、初老の男の、軍事政権下で正義が歪められる中で、自身も妥協しながらこれまで生きてきた過去に対する苦い思い、そして身分や学歴が釣り合わないながら生涯愛し続けた女性への一途な思い。

 El Secreto 5

映画は現在と過去を行きつ戻りつしながら、ベンハミンの思いをじっくりと描いていき、思いのほか重厚で厚みのある作品に仕立て上げられている。

 El Secreto 3

最後にあっと驚く結末が待っていて、サスペンス映画としてもなかなかだし、味わい深い映画になっていると思うが、中間がやや淡々とし過ぎているような気がするのが残念。  ⇒ 7/10点

瞳の奥の秘密
El Secreto de Sus Ojos (2009年・アルゼンチン)
監督: Juan J. Campanella
キャスト: Ricardo Darin, Soledad Villamil, Pablo Rago, Javier Godino, Jose Luis Gioia, Carla Quevedo ほか
上映時間: 129分


⇒ 2010年アカデミー作品賞・監督賞受賞作「ハートロッカー」感想

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

映画: Disney’s クリスマス・キャロル

人気者ジム・キャリーの主演で、ディズニーモーション・キャプチャー技術を駆使してディケンズ不朽の名作を再映画化したもの。全米では2009年11月に公開され、公開週に興行成績のトップに立っている。

      Carol Poster

金がすべてで、家族を持たず、人とのきずなに背を向け、ただ己の金銭欲を満たすためだけに生きるスクルージ(キャリー)は、街一番の嫌われ者。

 Carol 1

ところが、あるクリスマス・イブの夜、かつてのビジネス・パートナーの亡霊が現われ、スクルージが彼自身の過去・現在・未来をめぐる時間の旅へと連れ出す亡霊にとりつかれるだろうと予言する...

 Carol 2

ロバート・ゼメキス監督が、「ポーラー・エクスプレス」(04年)・「ベオウルフ/呪われし勇者」(07年)で使用したモーション・キャプチャー技術をさらに進化させて製作した映画。人物の動きは一段と精緻になり、1人7役を演じたキャリーの奮闘を盛り立てている。

 Carol 3

細部にもこだわった仕上がりぶりで、ディケンズの世界を再現していて楽しいが、キャリーらしいハチャメチャさはあまり感じられない。  ⇒ 7/10点

Disney’s クリスマス・キャロル
A Christmas Carol (2009年・アメリカ)
監督: Robert Zemekis
キャスト: Jim Carrey、Gary Oldman、Colin Firth、Robin Wright、Bob Hoskins、Cary Elwes ほか
上映時間: 95分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

映画: 渇き ~ パク・チャヌク監督の異色のヴァンパイア映画

「オールドボーイ」(03年)で注目を集めた韓国のパク・チャヌク監督の2009年の作品。主演は「シークレット・サンシャイン」(06年)ソン・ガンホ。2009年5月のカンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞し、全米では同年7月に限定公開されている。

       Thirst Poster

伝染病にかかった人々を看病するボランティア活動に従事していた神父のサンヒョン(ガンホ)は、犠牲者が増え続ける中、人々を助けたい一心で、伝染病のワクチン開発のための人体実験に志願するが、実験は失敗し、命を失ってしまう。

     Thirst 1

ところが輸血によりその晩に、奇蹟的に息を吹き返した彼は、ヴァンパイアとなってしまっていた。

     Thirst 5

蘇った神父の噂を聞きつけた人々は奇蹟を求めてサンヒョンの元に集まってくるが、そのような中、ふとした事から彼は幼馴染で、今は人妻となっているガンウ(キム・オクビン)と再会する。

     Thirst 3

お互いに強烈に惹かれあうものを感じた二人は、程なく愛欲に溺れて行く...

     Thirst 4

こう書いていると、何やらどぎつい映画のようにみえるが、チャヌク監督はむしろユーモアを随所に織り込みながら、ファンタジー映画の趣きを漂わせながら、物語を進めて行く。

     Thirst 2

神に仕えるべき聖職者の身でありながら、人の血を求めるヴァンパイアになったあげく、人妻との愛欲に溺れて行く中で、人間としての存在意義を問いながら葛藤し続けるガンホの演技は印象的。

但し、個人的には肩透かしを食わせたような作風と、後半のこねくり回したようなストーリー展開は好みではない。  ⇒ 5/10点

渇き
Thirst (2009年・韓国)
監督: パク・チャヌク
キャスト: ソン・ガンホ、キム・オクビン、シン・ハギュン、キム・ヘスク、オ・ダルス ほか
上映時間: 133分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

映画: ディア・ドクター

「ゆれる」(06年)が印象的だった西川美和監督の2009年の作品。笑福亭鶴瓶の映画初主演作で、2010年の日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞と最優秀助演女優賞(余貴美子)を受賞している。

       Dear Doctor Poster

山あいの小さな村。村唯一の医者で誰からも慕われていた伊野(笑福亭)が突然失踪する。

     Dear Doctor 1

突然の失踪により、戸惑う村の人々。東京の大学病院から研修医として派遣されていた相馬(瑛太)は、捜査に当たった刑事より、伊野が無免許で、病人の診察を行っていた事を知らされる...

     Dear Doctor 2

地域医療という社会的な問題をテーマにした映画。主人公の伊野は、誰もがやりたがらない僻地の医師を献身的に勤めているが、医師免許を持っていない事は隠し続けている。

     Dear Doctor 3

重いテーマを扱っているが、西川監督は無資格医療行為について、その是非を明らかにする事はなく、観る者にその判断をゆだねている。

     Dear Doctor 4

「ゆれる」でも感じた事だが、この映画でも語り口が絶妙で、映画らしい作品。伊野の助手である看護師の大竹役の余貴美子をはじめ、八千種薫香川照之といった出演者たちの演技も充実している。

     Dear Doctor 5

西川監督らしい、人間ドラマ。  ⇒ 7/10点

ディア・ドクター
(2009年・日本)
監督: 西川美和
キャスト: 笑福亭鶴瓶、余貴美子、瑛太、香川照之、笹野高史、井川遥、松重豊、中村勘三郎 ほか
上映時間: 127分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

アルページュ

Author:アルページュ
FC2ブログへようこそ!

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード