ホルショフスキ・トリオ 演奏会

昔息子のピアノを見てもらった事があるピアニストの相沢吏江子さんと、夫君で、娘のヴァイオリンを見てもらった事があるヴァイオリニストのジェシー・ミルズさんらで結成しているホルショフスキ・トリオ相沢さんの師匠で、99歳まで現役だったポーランドの名ピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキの名前を冠したアンサンブル。今回、マンハッタンで演奏会があったので、聴きに行くことに。

 Concert 1

会場は天理教のスペース(天理教の支部がニューヨークにもあるのですね)で、ハイドンやショパンの珍しいピアノ・トリオ、それに名曲メンデルスゾーンの第1番のピアノ・トリオというプログラム。

      Concert 2

響がほとんど無いデッドな会場だったのが気の毒な気がしたが、いずれの曲も息の合ったアンサンブルでそれぞれの曲のよさを堪能させてくれた!

 Concert 3

演奏会終了後、久しぶりに相沢さん・ジェシーと話しが出来て良かったです!

ホルショフスキ・トリオ 演奏会
ピアノ: 相沢吏江子
ヴァイオリン: Jesse Mills
チェロ: Raman Ramakrishnan
Haydn: Piano Trio in G major, Hob. XV:25
Chopin: Piano Trio in G minor, Op. 8
Mendelssohn: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 49
2017年6月4日、Tenri Cultural Institute
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ニューヨーク・フィル定期演奏会 〜 アラン・ギルバートの有終の美を飾るワーグナー!

シーズンも終わりに近づいたニューヨーク・フィルの定期演奏会、この日は今シーズン限りで 年間務めた音楽監督の座を退任するアラン・ギルバートの指揮で、ワーグナーのラインの黄金のコンサート形式上演

 NYPO 01

コンサート形式とは言っても、衣装はつけて、最低限の演出を施した上での上演。ヴォータンには、メトの新しいリング・シリーズアルベリヒ役を演じて好評だったエリック・オーウェンズフリッカ役にはジェイミー・バートンら、実力派を揃えた布陣。

そのオーウェンズヴォータンは、知的なヴォータンといった印象で、力強さも十分に感じられ、期待に違わぬ歌唱。

 NYPO 02

バートンを始めとするそのほかの歌手陣もそれぞれ手堅い歌唱を聴かせてくれて、全体として歌唱面では満足のいく上演と成っていた。

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 フリッカ役のバートン
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 ラインの乙女役のタマラ・マムフォード、ジェニファー・ジョンソン=カノー、ジェニファー・ツェトラン
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 アルベリヒ役のクリストファー・パーヴェスミーメ役のピーター・ブロンダー
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 ローゲ役のラッセル・トーマス
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 モーリス・ロビンソン(ファゾルト)、ステファン・ミリング(ファフナー)
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 エルダ役のケリー・オコナー
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 ブライアン・ジャグデ(フロー)、レイチェル・ウィリス=ソレンセン(フライア)、クリスティアン・ヴァン・ホーン(ドナー)

2009年〜10年シーズンから8年間にわたってニューヨーク・フィルを率いてきたギルバート。今回の演奏会は最後から二つ目にあたるものだったが、持ち前の明晰でダイナミックな音楽作りで、オケがピットではなく舞台上で演奏している事もあり、迫力に満ち溢れた演奏を聴かせてくれた。

 NYPO 10

その反面、ダイナミクスの幅は意外に狭く、常にメゾ・フォルテからフォルテッシモの間で音楽が鳴らされている感じで、長時間聴いていると、少し単調に聞こえて、聴き疲れする感じも。これは、これまでの彼の演奏でも感じられた点。

 NYPO 11

ともあれ、8年間にわたる音楽監督としての活動、お疲れ様でした! いよいよ2018年〜19年からヤープ・ヴァン・ズヴェーデンが第24代の音楽監督に就任予定。

 NYPO 12

第16,256回 ニューヨーク・フィルハーモニック定期演奏会
指揮: Alan Gilbert
Wagner: Das Rheingold
演出: Luisa Muller
Wotan: Eric Owens
Fricka: Jamie Barton
Alberich: Christopher Purves
Loge: Russell Thomas
Erda: Kelley O'Connor
Fasolt: Morris Robinson
Fafner: Stephen Milling ほか
2017年6月1日、デイヴィッド・ゲフィン・ホール


⇒ ギルバート指揮の2016年9月のニューヨーク・フィル演奏会感想

 

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マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル 〜 枯淡の境地のショパン!

毎年のようにカーネギーホールでリサイタルを開いているイタリアの巨匠、マウリツィオ・ポリーニ。今年も5月にニューヨークに来演。

 Pollini 1

今年はリサイタルに加え、室内楽やオーケストラ・コンサートでのコンチェルトなど、多彩なプログラムが用意されたが、私が行ったのはリサイタルの回で、得意のオール・ショパン・プログラム

      Pollini 2

当初はドビュッシーの前奏曲集などもプログラムに組み込まれていたのだが、事前にショパンのみのプログラムに変更されていた。メインにピアノ・ソナタ第3番を据え、その前後に様々な曲を組み込んだ構成。

 Pollini 3

プログラムの前半は、作品27の2曲の夜想曲バラードの第3・4番子守唄、そしてスケルツォ第1番で締めくくられた。今年75歳になったポリーニだが、若い頃に比べ、演奏スタイル、そしてピアノの音色も本当に変わった。昔は大理石のようなひんやりとした音色で、完璧という言葉はこの人のためにあるとでも言うような隙のない演奏だったのだが、近年は流動性の高いいわば草書体の演奏。テクニックの完璧さはさすがにかなり後退した感じだが、ピアノの音色は随分艶っぽくなって、高音など光り輝くように美しい。これは、ピアノ界のロールスロイスと言われる、名調律師アンジェロ・ファブリーニの手になるピアノを使っている事も大きいのだろうか。ピアノを見るとスタインウェイの文字の下に、ファブリーニの名前がしっかりと刻印されている!

 Pollini 4

前半のプログラムでは、最初の夜想曲は少しそっけなく弾き過ぎている印象を受け、曲の美しさが際立ってこない感じだったが、その後のバラードスケルツォはさすが。そっけなく弾き流しているように見えて、旋律線はくっきりと浮かび上がってくるし、ショパンのこうした曲に必要な「間」が絶妙に織り交ぜられていて、これらの曲を一つの小宇宙として提示できるのは、巨匠の芸以外何者でもないといった感じ!

 Pollini 5

後半も夜想曲(作品55の2曲)から始まり、ソナタの第3番。こちらも非常に流動感の強い演奏で、淡々と進めているように見えて、その中からくっきりとショパンの音楽が浮かび上がってくるのが素晴らしい!

 Pollini 7

これだけのショパンの曲を弾いて疲れたのか、プログラムはバラード第1番1曲のみ。この曲はポリーニのお気に入りなのか、極めて高い頻度でこの曲を弾くことが多いような印象(全てのコンサートに行っているわけではもちろんないので、偉そうな事は言えませんが…)。

 Pollini 6

昔のポリーニの演奏を知っている中高年層の人の中には、今の彼の演奏を高く評価しない人が結構いるのだが、芸術家が人間である以上、長い年月の間に演奏スタイルが変化していくのはむしろ当然で、個人的にはその優劣を論じても意味がないのではないかと思う。確かに昔に比べてテクニックの完璧さなど、失ったものもあるかも知れないが、ピアノの音色の美しさ・艶っぽさは今が上だと思うし、今の草書体の演奏にも、若手のピアニストが同じように弾いたって、多分及びもつかない、長年音楽と向かい合ってきた者だけが得ることが出来るような、独特な深みがあると思う。18歳でショパン・コンクールに優勝した後、まだ自分の音楽に納得がいかないといってその後8年間本格的な演奏活動を行わなかった彼の事、今の音楽に納得がいかなかったら潔く引退していると思います!

マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル
オール・ショパン・プログラム
2 Nocturnes, Op. 27
Ballade No. 3 in A-flat major, Op. 47
Ballade No. 4 in F minor, Op. 52
Berceuse in D-flat major, Op. 57
Scherzo No. 1 in B minor, Op. 20
2 Nocturnes, Op. 55
Piano Sonata No. 3 in B minor, Op. 58
(Encore)
Ballade No. 1 in G minor, Op. 23
2017年5月21日、カーネギー・ホール


⇒ 2015年10月のカーネギー・ホール・リサイタル感想

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内田光子 ピアノ・リサイタル 〜 珠玉のシューマン!

毎年カーネギー・ホールにてリサイタルを開いている内田光子。私もほぼ毎年聴きに行っているはずなのだが、あいにく昨年はスケジュールが合わず、一昨年の、ソプラノのドロテア・ロシュマンとのジョイント・リサイタル以来!

 Uchida 1

2015年のジョイント・リサイタルでもシューマンの歌曲を中心としたプログラムだったのだが、今回もシューマンの代表作、クライスレリアーナ幻想曲を揃えたプログラム!

      Uchida 2

リサイタルの前半、まずはモーツァルトの可憐なハ長調、K545のピアノ・ソナタ「初心者のための小さなソナタ」と題された、ピアノを習った事のある人なら、誰でも知っているほど親しまれている曲だが、内田さんは豊かなニュアンスを込めながら、可憐なこの曲を魅力的に演奏してくれ、上々の滑り出し。

 Uchida 3

続いて、シューマンクライスレリアーナ。後に妻となるクララとの熱烈な恋愛中に作曲された、全8曲からなるピアノ曲集だが、それぞれの曲想を繊細にニュアンス付けながら弾き分けていくさまは、まさに内田さんの独壇場!

 Uchida 4

後半は、今回のニューヨーク初演に先立って、内田さんによって1月にハンブルクにて初演されたドイツの作曲家、ヨルグ・ウィッドマンSonatina facile。プログラムの最初に演奏されたモーツァルトハ長調ソナタへのオマージュとして作曲されたこの曲、随所にモーツァルトのソナタのメロディが織り込まれて、それが自在に変容していくといった趣きの曲で、内田さんによって生き生きと演奏された。

 Uchida 6

プログラムの最後は、シューマンのこれまた代表的なピアノ作品である幻想曲クライスレリアーナに引き続いて作曲されたこの作品でも、内田さんは細やかなニュアンスでこの曲の多様な魅力を見事に引き出しいて、スケールの大きさこそないかも知れないが、感動的な演奏だった!

 Uchida 5

内田光子 ピアノ・リサイタル
Mozart: Piano Sonata No. 16 in C major, K. 545
Schumann: Kreisleriana, Op. 16
Widmann: Sonatina facile (2016, New York Premiere)
Schumann: Fantasy in C major, Op. 17
2017年3月30日、カーネギー・ホール


⇒ 2015年のドロテア・ロシュマンとのジョイント・リサイタル感想

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ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 〜 2005年ショパン・コンクールの覇者!

2005年のショパン・コンクールの優勝者で、日本でもおなじみのラファウ・ブレハッチ。まだアメリカでは知名度が高まっていないのか、カーネギー・ホールの大ホールでリサイタルを開くに至っていないが、今回もアッパー・イーストにある 92Y にある小ホール、Kaufmann Concert Hall でのリサイタル!

 Blechacz 1

今回のリサイタルは、前半にバッハベートーヴェン、後半は得意のショパンという構成。

 Blechacz 2

バッハの4つのデュエットで開始された前半。全体で13分程度の曲集だが、ブレハッチは強靭なタッチでどちらかといえば力強くダイナミックに演奏した。実は彼の演奏を生で聴くのは初めてだったのだが、スマートな見た目とは裏腹に、小ホールという事もあったと思うが、フォルテではピアノの音が飽和気味になるほどの力強さがまずは印象に残った。

 Blechacz 5

続いては、ベートーヴェンの作品51-2 のロンドと、ピアノ・ソナタ第3番。こちらの演奏でも、バッハの時と印象は変わらず、特にソナタでのしっかりとした構成感と力強いタッチが印象的。

 Blechacz 3

後半は、ポーランド出身のブレハッチにとってはお国もののショパン幻想曲に始まり、作品48-2 の嬰へ短調の夜想曲を経て、あの有名な葬送行進曲を持つピアノ・ソナタ第2番で締めくくり。いずれも、旋律の歌わせ方の巧みさとダイナミックで華麗な力強さが両立した素晴らしい演奏。ダイナミックさだけではなく、葬送行進曲のしみじみとした歌わせ方も一級品!

 Blechacz 4

ショパン・コンクール覇者の実力を遺憾なく発揮したリサイタルでした!

 Blechacz 6

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル

J.S. Bach: Four Duets, BWV802-805
Beethoven: Rondo in G Major, Op. 51-2
Beethoven: Piano Sonata No. 3 in C Major, Op. 2-3
Chopin: Fantaisie in F minor, Op. 49
Chopin: Nocturne in F-sharp minor, Op. 48-2
Chopin: Piano Sonata No. 2 in B-flat minor, Op. 35

2017年3月26日、カウフマン・コンサート・ホール

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