ラ・ラ・ランド 〜 アカデミー賞で何部門制覇を果たすか?

「セッション」(14年)で一躍注目を集めた新鋭デミアン・チャゼル監督の最新作で、自身のオリジナル脚本による話題のミュージカル映画。2016年のヴェネツィア映画祭のオープニング作品としてプレミエ上映され、各地の映画祭で絶賛された後、全米では12月に限定公開され、上映館数が拡大された公開6周目に興行ランキングの2位にランクイン(トップは "Hidden Figures")している。今年のアカデミー賞では、「イヴの総て」(50年)・「タイタニック」(97年)と並ぶ、アカデミー史上最多14部門でノミネートされている。

      La La Land Poster

カフェで働きながら、オーディションを受け続けている女優志望のミア(エマ・ストーン)は、またしてもオーディションに落ちた日の夜、店内から聞こえてきたピアノの音色に引き込まれて入ったジャズ・バーで、ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴスリング)と出会う。

 La La Land 1

オーナー(J・K・シモンズ)の意向に反して自作の曲を弾いたがために店をクビになったばかりのセバスチャンとの出会いは最悪だったのだが、ミアは、ある日招かれたとあるパーティーで、演奏していたセバスチャンと偶然再会する…

 La La Land 2

弱冠32歳の新鋭チャゼル監督が、過去の名作ミュージカルへのオマージュ満載の映画を作り上げているが、決してノスタルジーで塗りつぶされた作品ではなく、それらのシーンを巧みに織り込みながら、あくまで現代の物語として成立させているところに監督のセンスの良さを感じさせる。

 La La Land 3

共にアカデミー賞にノミネートされている主演二人のうち、エマ・ストーンが、主演女優賞間違いなしともいうべき、圧倒的な存在感で印象的。彼女に比べると、ライアン・ゴスリングは少し印象が薄い感じだろうか。

 La La Land 4

見ていて素直に楽しめるエンターテイメント作品といった感じではあるものの、過去の名作ミュージカルに比べると、ストーリー・音楽・ダンス(これはやはりフレッド・アステアには敵うべくもない!)、いずれも傑出したものがないのが残念。ところが、あまりにもロマンチックで少しほろ苦いエンディングがそういった物足りなさを吹き飛ばすかのような素晴らしさで、チャゼル監督はこのエンディングを実現させるために、映画を作ったのかと思わせるほど!

 La La Land 5

このエンディングなかりせば、まあまあ良い作品で終わっていたのかもしれないが、これで一気にこの映画への好感度が高まりました。 アカデミー賞ではどのように評価されるのか楽しみ!  ⇒ 9/10点

ラ・ラ・ランド
La La Land (2016年・アメリカ)
監督: Damien Chazelle
キャスト: Emma Stone, Ryan Gosling, Rosemarie DeWitt, J.K. Simmons, John Legend ほか
上映時間: 128分


⇒ 「セッション」(14年)感想

⇒ ストーン主演作、ウディ・アレンの「教授のおかしな妄想殺人」(15年)感想

⇒ ゴスリング出演作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15年)感想
スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ファンタスティックビーストと魔法使いの旅 〜 シリーズ第1弾・期待に違わぬ出来のハリー・ポッター派生作品!

「ハリー・ポッター」シリーズJ・K・ロリンズが脚本を手がけた待望の5部作シリーズの第1弾。「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのデヴィッド・イェーツ監督が再びメガホンを取り、すっかり人気俳優となったエディ・レッドメインが主役を務めている。全米では11月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立った。

      Fantastic Beasts Poster

1926年、魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(レッドメイン)は、魔法動物の調査と保護のため、これまでに保護した動物たちを詰め込んだトランクを携えて、ニューヨークを訪問にやってきた。

 Fantastic Beasts 1

ところが、人間(ノーマジ)で缶詰工場で働くジェイコブ(ダン・フォグラー)が、ニュートの魔法のトランクを自分のものと取り違えてしまい、魔法動物たちがニューヨークの街中に逃げ出してしまう。

 Fantastic Beasts 2

街中がパニックに陥る中、ニュートMACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)で働くティナ(キャサリン・ウォーターストン)やその妹のクィニー(アリソン・スドル)らの助けも借りて、動物たちを追いかける羽目に。

 Fantastic Beasts 3

一方で、MACUSAの長官で凄腕の魔法使いのパーシバル・グレイブス(コリン・ファレル)は、アメリカ魔法界が人間界との共存のために守ってきた機密保持法が、ニュートたちのせいで破られる事を懸念し、彼らの後を追う事に…

 Fantastic Beasts 4

ハリー・ポッターの中で、ホグワーツ魔法学校での魔法生物の授業に使われる教科書から派生した映画シリーズ全5部作の期待の第1作だが、ファンの期待通り、ファンタジーいっぱいの楽しい作品に仕上がっている。

 Fantastic Beasts 5

ファンタジー作品ではあるものの、「ハリー・ポッター」シリーズと違って登場人物が大人たちである事もあり、より大人でも楽しめる内容になっている感じ。作品のコンセプトとして、魔法界と人間界との対立・差別が根底に流れているのが、今の社会環境を反映していて面白い。最後には、ハリー・シリーズにも登場した闇の魔法使い、ゲラート・グリンデルバルド役にジョニー・デップが登場したりしている。今後の展開に期待を抱かせる第1弾でした!  ⇒ 9/10点

 Fantastic Beasts 6

ファンタスティックビーストと魔法使いの旅
Fantastic Beasts and Where to Find Them (2016年・イギリス/アメリカ)
監督: David Yates
キャスト: Eddie Redmayne, Katherine Waterston, Alison Sudol, Dan Fogler, Colin Farrell, Carmen Ejogo, Ezra Miller, Samantha Morton, Ron Perlman, Jon Voight, Johnny Depp ほか
上映時間: 133分


⇒ ハリー・シリーズ最終作「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(11年)感想オススメ!

⇒ レッドメイン主演作「リリーのすべて」(15年)感想

⇒ ウォターストン出演作「スティーブ・ジョブス」(15年)感想太鼓判!!

⇒ ファレル主演作「ロブスター」(15年)感想

⇒ イジョゴ出演作「ブルーに生まれついて」(15年)感想オススメ!

⇒ デップ出演作「イントゥ・ザ・ウッズ」(14年)感想

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

深夜の告白 〜 フィルム・ノワールの古典!

名匠ビリー・ワイルダー監督の1944年の作品で、フィルム・ノワールの古典とされている作品。1945年のアカデミー賞では作品・監督賞をはじめ7部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

       Double Indemnity Poster

ロサンゼルスの保険会社の敏腕外交員であるウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)は、深夜に無人のオフィスに車で乗りつけ、録音機に自らの罪を告白し始める。

 Double Indemnity 1

顧客の一人である実業家ディートリクスン(トム・パワーズ)の自宅で、彼は美貌の後妻フィリス(バーバラ・スタンウィック)に出逢う。フィリスに誘惑され関係を持ってしまったネフは、倍額保険金(電車等、死亡率が低い交通事故により死亡した場合に、死亡保険金が通常の2倍支払われる保険)目的の夫殺しに荷担してしまう。

 Double Indemnity 2

巧みにディートリクスンを騙し、電車から突き落として首尾よく殺人に成功するネフ。警察は事故死と判断、計画は成功するかと思われたが、ネフの同僚である敏腕調査員バートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)が、事故との警察判断に疑問を抱き、死亡保険金支払いを差し止めさせて、フィリスの身辺調査に乗り出す…

 Double Indemnity 3

犯人の側から犯罪を描写する倒叙型サスペンスの先駆的作品として、後の数多くの映画やテレビ・ドラマに影響を与えたフィルム・ノワールの古典。ビリー・ワイルダー自身が、あのレイモンド・チャンドラーと組んで執筆した脚本は、登場人物のキャラクターの描き分けが完璧で、フィルム・ノワールの雰囲気をプンプンと匂わしている(チャンドラー自身もカメオ出演している)。

 Double Indemnity 4

保険金目当てで夫の殺人に手を染めるという、それまでのハリウッド映画では見られなかった悪女役を演じたスタンウィックは、金髪のカツラまで被っての熱演で、アカデミー主演女優賞にノミネートされる見事な悪女ぶりだったが、残念ながら受賞はならなかった。それにしても、コメディーからフィルム・ノワールまで、ワイルダー監督の作風は本当に幅広く、そのどれもが水準が高いのに驚かされる!  ⇒ 9/10点

深夜の告白
Double Indemnity (1944年・アメリカ)
監督: Billy Wilder
キャスト: Fred MacMuray, Barbara Stanwyck, Edward G. Robinson, Porter Hall, Jean Heather, Tom Powers, Byron Barr, Richard Gaines, Fortunio Bonanova, John Philliber, Raymond Chandler, Bass Flowers, Betty Farrington, Teala Loring ほか
上映時間: 107分


⇒ これもワイルダーの傑作、「情婦」(57年)感想太鼓判!!

⇒ スタンウィック主演作「レディ・イヴ」(41年)感想

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

FAKE 〜 あの佐村河内騒動を追ったドキュメンタリー

ジャパン・ソサエティーで開催された Japan Cuts! で。今回は、「A」(97年)・「A2」(01年)など、オウム真理教を追ったドキュメンタリーで知られる森達也監督の最新ドキュメンタリー映画で、「現代のベートーヴェン」としてもてはやされたものの、ゴーストライター騒動で一躍お茶の間の注目の的となった佐村河内守の姿を追いかけている。日本では今年6月に全国公開され、今回が米国プレミエ

      FAKE Poster

2014年、東京。聴覚障害を抱えながら、次々と作品を発表し、「現代のベートーヴェン」として世間の注目を集める存在となった作曲家の佐村河内守。ところが、作曲家の新垣隆が彼のゴーストライターである事を名乗り出て、一大スキャンダルとなる。そうした中で、映画監督の森達也佐村河内の自宅での撮影を申し込むのだが…

 FAKE 1

時代の寵児としてもてはやされながら、一転して世論から袋叩きに会うようになってしまった中、佐村河内守が妻と日常を送る姿を追っていったドキュメンタリー。

 FAKE 2

撮影は、ほぼ佐村河内の自宅マンションの中で進行されていくのだが、   その日常は平穏である訳もなく、彼をテレビに引っ張り出そうとするテレビ局や取材しようとする記者など、色々な人々が入り乱れて彼らの日常に闖入してくるし、テレビでは一躍有名人となった新垣が連日のように脚光を浴びている。

 FAKE 3

平穏にいく訳がないその日常を通じて、このような状況にありながらも、夫を信頼して淡々と彼を支えている妻・香さんの気丈ぶり、一時のもてはやしぶりから一転して極悪人かのような扱いをするマスメディアのいい加減さがくっきりと浮かびあがってくる。

 FAKE 4

そうは言っても、佐村河内もいつも本当の事を喋っているようにも見えず、映画もあえて白黒をつける事をしない。恐らく真実はそのようなところにあると思われ、見ていると、何でも過剰に白黒・善悪をつけたがるマスコミ・それに安易に乗っているように見える世論がはびこる現代社会の一種の異常さ(それは日本米国も同じ)が浮き彫りにされているように感じる。

 FAKE 5

佐村河内という対象を通じて、現代社会の側面を描いた森達也監督の視点はさすが、切れ味鋭い。深く色々な事を考えさせられる秀作でした! なお、上映終了後、監督本人との Q & A セッションがありました。これも映画祭の楽しみの一つ!  ⇒ 9/10点

 FAKE 6
      FAKE 7

FAKE
(2016年・日本)
監督: 森達也
キャスト: 森達也、佐村河内守夫妻、新垣隆 ほか
上映時間: 109分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方: バーブラ・ストライサンド監督・主演、ロマンス映画の秀作!

バーブラ・ストライサンドの監督・主演第二作で、パット・コンロイが1986年に発表したベストセラー小説「漂流の王者」の映画化作品。全米では1991年12月に公開され、公開週に興行ランキングの4位にランクインしている(1位は「フック」)。1992年のアカデミー賞では、作品賞・主演男優賞(ニック・ノルテ)をはじめ7部門でノミネートされ、無冠に終わったものの、ストライサンドの監督作品としては最良との評価を得た。

      Prince of Tides Poster

サウス・カロライナ州サリバンズ島に妻サリー(ブライス・ダナー)と二人の娘と住む元教師のトム・ウィンゴ(ノルテ)は、詩人の双子の姉サヴァンナ(メリンダ・ディロン)が2度目の自殺未遂を起こしたと、母のライラ(ケイト・ネリガン)から知らされ、彼女が住むニューヨークへと向かう。

 Prince of Tides 1

ニューヨークで、ライラが診察を受けていた精神科医のスーザン・ローエンスタイン(ストライサンド)と会ったトムは、ライラの治療への協力を求められ、自分達の子供時代について、少しずつ話し始める…

 Prince of Tides 2

アメリカ音楽史上に残る大歌手ではあるものの、映画では今ひとつの印象があるバーブラ・ストライサンドだが、本作はなかなかどうして、堂々たるロマンス映画に仕上がっている。

 Prince of Tides 3

ストーリーはある一家が抱える大きな秘密を背景にした、ミステリー仕立ての要素もあるラブストーリーで、映画の方は原作よりかなり甘いラブストーリーに寄せている感じがするが、その甘さが意外に気にならないのは、変に小細工を弄さないで、ロマンス映画に徹して描き切ったからだろうか。いつもはアクの強さがきになるストライザンドの演技もここではあまり気にならず、私は気に入りました!  ⇒ 9/10点

 Prince of Tides 4

サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方
The Prince of Tides (1991年・アメリカ)
監督: Barbra Streisand
キャスト: Barbra Streisand, Nick Nolte, Blythe Danner, Kate Nelligan, Jeroen Krabbe, Melinda Dillon, George Carlin, Jason Gould, Brad Sullivan, Maggie Collier, Lindsay Wray, Brandlynx Whitaker ほか
上映時間: 131分


⇒ ストライサンド主演作「追憶」(73年)感想

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

アルページュ

Author:アルページュ
FC2ブログへようこそ!

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード