ニューヨークでもようやく 「君の名は。」 が公開!

昨年、日本映画としては歴代2位となる興行収入を上げる記録的ヒットとなった新海誠監督の長編アニメ映画がついにニューヨークでも公開されたので、家族で観に行きました!

      Your Name Poster

東京・四ツ谷に暮らす高校生の立花瀧(声: 神木隆之介)は、ある朝目を覚ますと、岐阜県・飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生・宮水三葉(声: 上白石萌音)と体が入れ替わっていた。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かとしてそれぞれ一日を過ごす。

 Your Name 1

翌朝、元に戻った二人は前の日の出来事をすっかり忘れているが、その後も度々入れ替わりが起こり、その度に雰囲気が違う様子を訝る周囲の話から、二人も入れ替わりに気づくようになる。

 Your Name 2
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2人はスマートフォンのメモを通してやりとりをし、入れ替わっている間のルールを決め、元の身体に戻った後に困らないよう日記を残すことにするのだが…

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かねてから注目されていた新海監督のアニメ作品は初めて見たのだが、東京飛騨の風景が精細に表現されている一方、人物が典型的なアニメ顔なので、映画が始まってまずはそのギャップを面白く感じた。

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大体がへそ曲がりな私は、社会的現象となるほど大ヒットしたと聞いて、はなから疑ってかかっていたのだが、なかなかどうして、時間や空間の飛躍を巧みに取り入れたストーリーは秀逸だし、何よりも登場人物の感情の動きが映像やセリフに本当に繊細に反映されていて、若者のひたむきな感情がまっすぐに伝わってくるところが素晴らしい!

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エンディングが少し予定調和的でそれまでストーリーが盛り上がっていただけに密度がやや薄くなっているように感じたのが少し残念だが、それでも日本のアニメ映画の実力を示した素晴らしい作品だと思う。でも、このストーリーだったら、アメリカでは多分実写映画にしていたと思うので、そこに日米の映画文化の違いのようなものも感じられて興味深かった。我が家の女性陣は割合客観的に見ていて、一番感情移入していたのは私??  ⇒ 9/10点

君の名は。
英題名: Your Name. (2016年・日本)
監督: 新海誠
声の出演: 神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音 ほか
上映時間: 107分
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ラ・ラ・ランド 〜 アカデミー賞で何部門制覇を果たすか?

「セッション」(14年)で一躍注目を集めた新鋭デミアン・チャゼル監督の最新作で、自身のオリジナル脚本による話題のミュージカル映画。2016年のヴェネツィア映画祭のオープニング作品としてプレミエ上映され、各地の映画祭で絶賛された後、全米では12月に限定公開され、上映館数が拡大された公開6周目に興行ランキングの2位にランクイン(トップは "Hidden Figures")している。今年のアカデミー賞では、「イヴの総て」(50年)・「タイタニック」(97年)と並ぶ、アカデミー史上最多14部門でノミネートされている。

      La La Land Poster

カフェで働きながら、オーディションを受け続けている女優志望のミア(エマ・ストーン)は、またしてもオーディションに落ちた日の夜、店内から聞こえてきたピアノの音色に引き込まれて入ったジャズ・バーで、ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴスリング)と出会う。

 La La Land 1

オーナー(J・K・シモンズ)の意向に反して自作の曲を弾いたがために店をクビになったばかりのセバスチャンとの出会いは最悪だったのだが、ミアは、ある日招かれたとあるパーティーで、演奏していたセバスチャンと偶然再会する…

 La La Land 2

弱冠32歳の新鋭チャゼル監督が、過去の名作ミュージカルへのオマージュ満載の映画を作り上げているが、決してノスタルジーで塗りつぶされた作品ではなく、それらのシーンを巧みに織り込みながら、あくまで現代の物語として成立させているところに監督のセンスの良さを感じさせる。

 La La Land 3

共にアカデミー賞にノミネートされている主演二人のうち、エマ・ストーンが、主演女優賞間違いなしともいうべき、圧倒的な存在感で印象的。彼女に比べると、ライアン・ゴスリングは少し印象が薄い感じだろうか。

 La La Land 4

見ていて素直に楽しめるエンターテイメント作品といった感じではあるものの、過去の名作ミュージカルに比べると、ストーリー・音楽・ダンス(これはやはりフレッド・アステアには敵うべくもない!)、いずれも傑出したものがないのが残念。ところが、あまりにもロマンチックで少しほろ苦いエンディングがそういった物足りなさを吹き飛ばすかのような素晴らしさで、チャゼル監督はこのエンディングを実現させるために、映画を作ったのかと思わせるほど!

 La La Land 5

このエンディングなかりせば、まあまあ良い作品で終わっていたのかもしれないが、これで一気にこの映画への好感度が高まりました。 アカデミー賞ではどのように評価されるのか楽しみ!  ⇒ 9/10点

ラ・ラ・ランド
La La Land (2016年・アメリカ)
監督: Damien Chazelle
キャスト: Emma Stone, Ryan Gosling, Rosemarie DeWitt, J.K. Simmons, John Legend ほか
上映時間: 128分


⇒ 「セッション」(14年)感想

⇒ ストーン主演作、ウディ・アレンの「教授のおかしな妄想殺人」(15年)感想

⇒ ゴスリング出演作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15年)感想

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ファンタスティックビーストと魔法使いの旅 〜 シリーズ第1弾・期待に違わぬ出来のハリー・ポッター派生作品!

「ハリー・ポッター」シリーズJ・K・ロリンズが脚本を手がけた待望の5部作シリーズの第1弾。「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのデヴィッド・イェーツ監督が再びメガホンを取り、すっかり人気俳優となったエディ・レッドメインが主役を務めている。全米では11月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立った。

      Fantastic Beasts Poster

1926年、魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(レッドメイン)は、魔法動物の調査と保護のため、これまでに保護した動物たちを詰め込んだトランクを携えて、ニューヨークを訪問にやってきた。

 Fantastic Beasts 1

ところが、人間(ノーマジ)で缶詰工場で働くジェイコブ(ダン・フォグラー)が、ニュートの魔法のトランクを自分のものと取り違えてしまい、魔法動物たちがニューヨークの街中に逃げ出してしまう。

 Fantastic Beasts 2

街中がパニックに陥る中、ニュートMACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)で働くティナ(キャサリン・ウォーターストン)やその妹のクィニー(アリソン・スドル)らの助けも借りて、動物たちを追いかける羽目に。

 Fantastic Beasts 3

一方で、MACUSAの長官で凄腕の魔法使いのパーシバル・グレイブス(コリン・ファレル)は、アメリカ魔法界が人間界との共存のために守ってきた機密保持法が、ニュートたちのせいで破られる事を懸念し、彼らの後を追う事に…

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ハリー・ポッターの中で、ホグワーツ魔法学校での魔法生物の授業に使われる教科書から派生した映画シリーズ全5部作の期待の第1作だが、ファンの期待通り、ファンタジーいっぱいの楽しい作品に仕上がっている。

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ファンタジー作品ではあるものの、「ハリー・ポッター」シリーズと違って登場人物が大人たちである事もあり、より大人でも楽しめる内容になっている感じ。作品のコンセプトとして、魔法界と人間界との対立・差別が根底に流れているのが、今の社会環境を反映していて面白い。最後には、ハリー・シリーズにも登場した闇の魔法使い、ゲラート・グリンデルバルド役にジョニー・デップが登場したりしている。今後の展開に期待を抱かせる第1弾でした!  ⇒ 9/10点

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ファンタスティックビーストと魔法使いの旅
Fantastic Beasts and Where to Find Them (2016年・イギリス/アメリカ)
監督: David Yates
キャスト: Eddie Redmayne, Katherine Waterston, Alison Sudol, Dan Fogler, Colin Farrell, Carmen Ejogo, Ezra Miller, Samantha Morton, Ron Perlman, Jon Voight, Johnny Depp ほか
上映時間: 133分


⇒ ハリー・シリーズ最終作「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(11年)感想オススメ!

⇒ レッドメイン主演作「リリーのすべて」(15年)感想

⇒ ウォターストン出演作「スティーブ・ジョブス」(15年)感想太鼓判!!

⇒ ファレル主演作「ロブスター」(15年)感想

⇒ イジョゴ出演作「ブルーに生まれついて」(15年)感想オススメ!

⇒ デップ出演作「イントゥ・ザ・ウッズ」(14年)感想

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深夜の告白 〜 フィルム・ノワールの古典!

名匠ビリー・ワイルダー監督の1944年の作品で、フィルム・ノワールの古典とされている作品。1945年のアカデミー賞では作品・監督賞をはじめ7部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

       Double Indemnity Poster

ロサンゼルスの保険会社の敏腕外交員であるウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)は、深夜に無人のオフィスに車で乗りつけ、録音機に自らの罪を告白し始める。

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顧客の一人である実業家ディートリクスン(トム・パワーズ)の自宅で、彼は美貌の後妻フィリス(バーバラ・スタンウィック)に出逢う。フィリスに誘惑され関係を持ってしまったネフは、倍額保険金(電車等、死亡率が低い交通事故により死亡した場合に、死亡保険金が通常の2倍支払われる保険)目的の夫殺しに荷担してしまう。

 Double Indemnity 2

巧みにディートリクスンを騙し、電車から突き落として首尾よく殺人に成功するネフ。警察は事故死と判断、計画は成功するかと思われたが、ネフの同僚である敏腕調査員バートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)が、事故との警察判断に疑問を抱き、死亡保険金支払いを差し止めさせて、フィリスの身辺調査に乗り出す…

 Double Indemnity 3

犯人の側から犯罪を描写する倒叙型サスペンスの先駆的作品として、後の数多くの映画やテレビ・ドラマに影響を与えたフィルム・ノワールの古典。ビリー・ワイルダー自身が、あのレイモンド・チャンドラーと組んで執筆した脚本は、登場人物のキャラクターの描き分けが完璧で、フィルム・ノワールの雰囲気をプンプンと匂わしている(チャンドラー自身もカメオ出演している)。

 Double Indemnity 4

保険金目当てで夫の殺人に手を染めるという、それまでのハリウッド映画では見られなかった悪女役を演じたスタンウィックは、金髪のカツラまで被っての熱演で、アカデミー主演女優賞にノミネートされる見事な悪女ぶりだったが、残念ながら受賞はならなかった。それにしても、コメディーからフィルム・ノワールまで、ワイルダー監督の作風は本当に幅広く、そのどれもが水準が高いのに驚かされる!  ⇒ 9/10点

深夜の告白
Double Indemnity (1944年・アメリカ)
監督: Billy Wilder
キャスト: Fred MacMuray, Barbara Stanwyck, Edward G. Robinson, Porter Hall, Jean Heather, Tom Powers, Byron Barr, Richard Gaines, Fortunio Bonanova, John Philliber, Raymond Chandler, Bass Flowers, Betty Farrington, Teala Loring ほか
上映時間: 107分


⇒ これもワイルダーの傑作、「情婦」(57年)感想太鼓判!!

⇒ スタンウィック主演作「レディ・イヴ」(41年)感想

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FAKE 〜 あの佐村河内騒動を追ったドキュメンタリー

ジャパン・ソサエティーで開催された Japan Cuts! で。今回は、「A」(97年)・「A2」(01年)など、オウム真理教を追ったドキュメンタリーで知られる森達也監督の最新ドキュメンタリー映画で、「現代のベートーヴェン」としてもてはやされたものの、ゴーストライター騒動で一躍お茶の間の注目の的となった佐村河内守の姿を追いかけている。日本では今年6月に全国公開され、今回が米国プレミエ

      FAKE Poster

2014年、東京。聴覚障害を抱えながら、次々と作品を発表し、「現代のベートーヴェン」として世間の注目を集める存在となった作曲家の佐村河内守。ところが、作曲家の新垣隆が彼のゴーストライターである事を名乗り出て、一大スキャンダルとなる。そうした中で、映画監督の森達也佐村河内の自宅での撮影を申し込むのだが…

 FAKE 1

時代の寵児としてもてはやされながら、一転して世論から袋叩きに会うようになってしまった中、佐村河内守が妻と日常を送る姿を追っていったドキュメンタリー。

 FAKE 2

撮影は、ほぼ佐村河内の自宅マンションの中で進行されていくのだが、   その日常は平穏である訳もなく、彼をテレビに引っ張り出そうとするテレビ局や取材しようとする記者など、色々な人々が入り乱れて彼らの日常に闖入してくるし、テレビでは一躍有名人となった新垣が連日のように脚光を浴びている。

 FAKE 3

平穏にいく訳がないその日常を通じて、このような状況にありながらも、夫を信頼して淡々と彼を支えている妻・香さんの気丈ぶり、一時のもてはやしぶりから一転して極悪人かのような扱いをするマスメディアのいい加減さがくっきりと浮かびあがってくる。

 FAKE 4

そうは言っても、佐村河内もいつも本当の事を喋っているようにも見えず、映画もあえて白黒をつける事をしない。恐らく真実はそのようなところにあると思われ、見ていると、何でも過剰に白黒・善悪をつけたがるマスコミ・それに安易に乗っているように見える世論がはびこる現代社会の一種の異常さ(それは日本米国も同じ)が浮き彫りにされているように感じる。

 FAKE 5

佐村河内という対象を通じて、現代社会の側面を描いた森達也監督の視点はさすが、切れ味鋭い。深く色々な事を考えさせられる秀作でした! なお、上映終了後、監督本人との Q & A セッションがありました。これも映画祭の楽しみの一つ!  ⇒ 9/10点

 FAKE 6
      FAKE 7

FAKE
(2016年・日本)
監督: 森達也
キャスト: 森達也、佐村河内守夫妻、新垣隆 ほか
上映時間: 109分

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