美女と野獣 〜 ディズニーらしい高い水準の実写映画化!

ディズニーが製作した1991年の大ヒットアニメ映画「美女と野獣」を実写映画化した作品。監督は、「ドリームガールズ」(06年)「トワイライト」シリーズで知られるビル・コンドン。全米では今年3月に公開され、公開週から2週連続でトップに立つ、ディズニーの実写映画としても最大のヒットとなった。

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フランスのとある村。進歩的な考え方が原因で、閉鎖的な村人たちとなじめないことに悩む美女ベル(エマ・ワトソン)は、村一番のモテ男ガストン(ルーク・エヴァンス)に求婚されるが、ベルは下品で粗暴な彼に我慢ができない。

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ある日、ベルの父親でオルゴール職人のモーリス(ケヴィン・クライン)は、パリにオルゴールを売りに行った帰りに森の中で道に迷い、森の中に忽然と現れた城の中に逃げ込むのだが、城主で恐ろしい顔をした野獣(ダン・スティーヴンス)に捉えられてしまう。

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モーリスの愛馬フィリップだけが村に戻ってきたのを見て、父親の身に異変が起きたことを理解したベルは、フィリップに乗って単身父親を探しに向かい、ついに城にたどり着くが、そこで野獣に見つかってしまう…

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「シンデレラ」(15年)「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)で、往年の名作アニメ映画を単なる焼き直しに終わらせないで見事に実写映画化してきたディズニーが、今回の実写映画化に当たっても、見事に新鮮な生命を吹き込んでいる。

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オリジナルがアニメ作品としては史上初めてアカデミー作品賞にノミネートされただけあって、前作を超えるハードルはこれまでにも増して高かったのだと思うが、主題歌賞に輝いた歌を始め、オリジナルの音楽をそのまま使用しながらも、実写映画ならではのスケールの大きさを感じさせながら、新鮮な魅力に満ち溢れた作品に仕上げているのは、さすがと言うしかない。

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ジャン・コクトー古典的名作(46年)を始め、これまでに使い古されたストーリーのはずなのに、華麗な映像と凝った特撮を駆使して最後まで飽きさせずに観る者を引っ張っていく面白さ。いや、脱帽しました。  ⇒ 9/10点

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美女と野獣
Beauty and the Beast (2017年・アメリカ)
監督: Bill Condon
キャスト: Emma Watson, Dan Stevens, Luke Evans, Kevin Kline, Josh Gad, Ewan McGregor, Stanley Tucci, Audra McDonald, Gugu Mbatha-Raw, Ian McKellen, Emma Thompson ほか
上映時間: 130分


⇒ 実写化版の傑作: シンデレラ(15年)感想傑作!!!

⇒ コンドン監督の「トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part 2」(12年)感想

⇒ ワトソン出演作「ノア 約束の舟」(14年)感想

⇒ スティーヴンス出演作「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」(14年)感想

⇒ エヴァンス出演作「インモータルズ ~神々の戦い~」(11年)感想
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3月のライオン 前編・後編 〜 前後編では完成度に差?

羽海野チカの人気将棋コミックを、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が2部作で実写化した作品。日本では前編が今年3月、後編が4月に全国公開されている。

      Lion Poster

幼少期に交通事故で両親と妹を亡くした桐山零(神木隆之介)は、父の友人であるプロ棋士・幸田柾近(豊川悦司)に引き取られ、幸田の娘・香子(有村架純)や息子の(萩原利久)らと共に将棋の手ほどきを受ける事に。

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ところが、が次第に将棋に天賦の才能を発揮するようになり、幸田が彼に勝てなくなった香子にプロ棋士の夢を諦めさせた事から家族の間に亀裂が入り、は家を出ざるを得なくなってしまう。

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史上5人目の中学生プロ棋士となったは、東京の下町で一人暮らしを続けながらライバルの二海堂晴信(染谷将太)らと切磋琢磨しながらプロ棋士としての道を歩んでいく。そんなは、近くに住む川本家の3姉妹、あかり(倉科カナ)・ひなた(清原果耶)・モモ(新津ちせ)らと親しくなる…

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羽海野チカのコミックは読んだ事はないのだが、映画の前編はセリフや登場人物のキャラクターなど、コミックを彷彿させる感じで進んでいく印象を受ける。物語としてはなかなか良いと思うのだが、そのせいか少し映画がせわしなく、底が浅いような印象を受ける。

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ところが、後編は俄然物語の密度が高くなった感じで、実写映画として見応えのある仕上がりとなっていて、その落差が面白い。折からの藤井聡太四段の活躍と相まって、タイムリーな公開となった作品だが、主人公を演じた神木隆之介をはじめとする役者陣の演技が良く、面白く観る事が出来た(結構感動しました)。前編の評価が低いのは、東京に向かう機中で、お酒を飲みながら観ていて眠かったせいなのかも知れません… 他の共演者は、前田吟板谷由夏佐々木蔵之介、加瀬亮、伊藤英明、高橋一生、伊瀬谷友介ら。 ⇒ 前編: 6/10点、後編: 9/10点

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3月のライオン
(2017年・日本)
監督: 大友啓史
キャスト: 神木隆之介、有村架純、豊川悦司、伊藤英明、染谷将太、倉科カナ、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬亮、高橋一生、伊瀬谷友介 ほか
上映時間: 前編 139分 / 後編 138分


大友監督の「るろうに剣心 伝説の最期編」(14年)感想

神木隆之介 主演作「桐島、部活やめるってよ」(12年)感想オススメ!

有村架純 主演作「映画 ビリギャル」(15年)感想

豊川悦司 出演作「一枚のハガキ」(10年)感想

佐々木蔵之介 主演作「超高速! 参勤交代」(14年)感想

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沈黙 -サイレンス- 〜遠藤周作の名作をスコセッシ監督が入魂の映画化

江戸時代初期の17世紀に吹き荒れたキリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作「沈黙」を、マーティン・スコセッシ監督が構想以来28年をかけて映画化した作品。全米では2016年12月に公開され、今年のアカデミー賞では撮影賞にノミネートされている。

      Silence Poster

成立して間もない江戸幕府によるキリシタン弾圧が苛酷さを増していた17世紀の日本。長崎で、師であったイエズス会の宣教師フェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)ガルベ(アダム・ドライヴァー)は、危険との周囲の反対を押し切り、日本人漁師のキチジロー(窪塚洋介)の手引きでマカオから日本に密航を企てる。

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長崎の漁村、トモギ村にたどり着いた二人は、長崎奉行井上筑後守(イッセー尾形)の弾圧に苦しみながら、信仰を続ける隠れキリシタンの人々と出会い、心を打たれる。

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かって拷問に耐えかねて棄教したものの、踏み絵を拒んだ自分以外の家族が処刑された過去の罪の意識に苦しむキチジローに懇願され、彼の故郷である五島列島への布教活動を行うことにした二人。フェレイラの情報も掴み、布教も順調に進んでいたと思われたその矢先、二人が潜伏している事を嗅ぎつけた井上の命により、トモギ村に捜査の手が伸び、キチジロウーや村長のイチゾウ(笈田ヨシ)ら4名が捕らえられてしまう…

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子供の頃から聖職者かマフィアになりたかったというスコセッシ監督が長年温めていた構想をついに実現した本作、ストーリー展開は原作に忠実に、美しい映像をバックにして、異なる文化・風土の中で、宗教を広める事の意義に葛藤する聖職者の姿を描かれていく。

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メル・ギブソン監督「ハクソーリッジ」(16年)で今年のアカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、最近活躍が目覚ましいガーフィールドは、信念を貫き通す事と棄教する事のどちらが信者のためなのか葛藤する宣教師を演じて、ここでも印象に残る演技。ガルペを演じたドライヴァーフェレイラを演じたニーソンの演技も印象に残るもの。

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キリシタンたちに激しい弾圧を行う井上筑後守を単なる悪役として描いていないのも良い。演じたイッセー尾形を始め、キチジロー役の窪塚洋介らも熱演。

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アメリカでは、訴えかける強さに欠けるという評価もあったが、個人的にはスコセッシの長年の想いが込められた印象に残る秀作と思う。他に出演は浅野忠信小松菜奈ら。  ⇒ 9/10点

沈黙 -サイレンス-
Silence (2016年・アメリカ)
監督: Martin Scorsese
キャスト: Andrew Garfield, Adam Driver, Liam Neeson, 窪塚洋介、イッセー尾形、浅野忠信、小松菜奈、Ciaran Hinds、塚本晋也、加瀬亮、笈田ヨシ、伊佐山ひろ子、片桐はいり ほか
上映時間: 162分


⇒ スコセッシ監督の前作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13年)感想オススメ!

⇒ ドライバー出演の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(15年)感想オススメ!

⇒ ニーソン主演作「ラン・オールナイト」(15年)感想

⇒ 浅野忠信 主演作「私の男」(14年)感想

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ニューヨークでもようやく 「君の名は。」 が公開!

昨年、日本映画としては歴代2位となる興行収入を上げる記録的ヒットとなった新海誠監督の長編アニメ映画がついにニューヨークでも公開されたので、家族で観に行きました!

      Your Name Poster

東京・四ツ谷に暮らす高校生の立花瀧(声: 神木隆之介)は、ある朝目を覚ますと、岐阜県・飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生・宮水三葉(声: 上白石萌音)と体が入れ替わっていた。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かとしてそれぞれ一日を過ごす。

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翌朝、元に戻った二人は前の日の出来事をすっかり忘れているが、その後も度々入れ替わりが起こり、その度に雰囲気が違う様子を訝る周囲の話から、二人も入れ替わりに気づくようになる。

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2人はスマートフォンのメモを通してやりとりをし、入れ替わっている間のルールを決め、元の身体に戻った後に困らないよう日記を残すことにするのだが…

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かねてから注目されていた新海監督のアニメ作品は初めて見たのだが、東京飛騨の風景が精細に表現されている一方、人物が典型的なアニメ顔なので、映画が始まってまずはそのギャップを面白く感じた。

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大体がへそ曲がりな私は、社会的現象となるほど大ヒットしたと聞いて、はなから疑ってかかっていたのだが、なかなかどうして、時間や空間の飛躍を巧みに取り入れたストーリーは秀逸だし、何よりも登場人物の感情の動きが映像やセリフに本当に繊細に反映されていて、若者のひたむきな感情がまっすぐに伝わってくるところが素晴らしい!

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エンディングが少し予定調和的でそれまでストーリーが盛り上がっていただけに密度がやや薄くなっているように感じたのが少し残念だが、それでも日本のアニメ映画の実力を示した素晴らしい作品だと思う。でも、このストーリーだったら、アメリカでは多分実写映画にしていたと思うので、そこに日米の映画文化の違いのようなものも感じられて興味深かった。我が家の女性陣は割合客観的に見ていて、一番感情移入していたのは私??  ⇒ 9/10点

君の名は。
英題名: Your Name. (2016年・日本)
監督: 新海誠
声の出演: 神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音 ほか
上映時間: 107分

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ラ・ラ・ランド 〜 アカデミー賞で何部門制覇を果たすか?

「セッション」(14年)で一躍注目を集めた新鋭デミアン・チャゼル監督の最新作で、自身のオリジナル脚本による話題のミュージカル映画。2016年のヴェネツィア映画祭のオープニング作品としてプレミエ上映され、各地の映画祭で絶賛された後、全米では12月に限定公開され、上映館数が拡大された公開6周目に興行ランキングの2位にランクイン(トップは "Hidden Figures")している。今年のアカデミー賞では、「イヴの総て」(50年)・「タイタニック」(97年)と並ぶ、アカデミー史上最多14部門でノミネートされている。

      La La Land Poster

カフェで働きながら、オーディションを受け続けている女優志望のミア(エマ・ストーン)は、またしてもオーディションに落ちた日の夜、店内から聞こえてきたピアノの音色に引き込まれて入ったジャズ・バーで、ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴスリング)と出会う。

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オーナー(J・K・シモンズ)の意向に反して自作の曲を弾いたがために店をクビになったばかりのセバスチャンとの出会いは最悪だったのだが、ミアは、ある日招かれたとあるパーティーで、演奏していたセバスチャンと偶然再会する…

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弱冠32歳の新鋭チャゼル監督が、過去の名作ミュージカルへのオマージュ満載の映画を作り上げているが、決してノスタルジーで塗りつぶされた作品ではなく、それらのシーンを巧みに織り込みながら、あくまで現代の物語として成立させているところに監督のセンスの良さを感じさせる。

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共にアカデミー賞にノミネートされている主演二人のうち、エマ・ストーンが、主演女優賞間違いなしともいうべき、圧倒的な存在感で印象的。彼女に比べると、ライアン・ゴスリングは少し印象が薄い感じだろうか。

 La La Land 4

見ていて素直に楽しめるエンターテイメント作品といった感じではあるものの、過去の名作ミュージカルに比べると、ストーリー・音楽・ダンス(これはやはりフレッド・アステアには敵うべくもない!)、いずれも傑出したものがないのが残念。ところが、あまりにもロマンチックで少しほろ苦いエンディングがそういった物足りなさを吹き飛ばすかのような素晴らしさで、チャゼル監督はこのエンディングを実現させるために、映画を作ったのかと思わせるほど!

 La La Land 5

このエンディングなかりせば、まあまあ良い作品で終わっていたのかもしれないが、これで一気にこの映画への好感度が高まりました。 アカデミー賞ではどのように評価されるのか楽しみ!  ⇒ 9/10点

ラ・ラ・ランド
La La Land (2016年・アメリカ)
監督: Damien Chazelle
キャスト: Emma Stone, Ryan Gosling, Rosemarie DeWitt, J.K. Simmons, John Legend ほか
上映時間: 128分


⇒ 「セッション」(14年)感想

⇒ ストーン主演作、ウディ・アレンの「教授のおかしな妄想殺人」(15年)感想

⇒ ゴスリング出演作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15年)感想

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