ガール・オン・ザ・トレイン 〜 エミリー・ブラントが熱演するイギリス版「ゴーンガール」!

世界的ベストセラーとなったイギリスポーラ・ホーキンズのミステリー小説の待望の映画化。主演に起用されたのは、エミリー・ブラントで、監督は「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(11年)で注目されたテイト・テイラー監督。全米では2016年10月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立っている。

      Girl on Train Poster

アラサー女性のレイチェル(ブラント)は、夫トム(ジャスティン・セロー)との結婚生活に破綻し、仕事もクビになって大学時代の友人、キャシー(ローラ・プレポン)が住むニューヨーク郊外、ハドソン川沿いにある町のアパートに身を寄せている。

 Girl 1

やるせない寂しさをまぎらすために、アルコールをあおり、毎日のようにあてもなくマンハッタン行きの電車に乗って、車窓から見える一組の幸せそうな夫婦の生活を覗き見するのが日課となった彼女。

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ある日、彼女が理想の夫婦と思っていた妻の方の不倫現場を目撃したレイチェル、電車を降りて真偽のほどを確かめようとした彼女だが、その女性・メーガン(ヘイリー・ベネット)の殺人事件に巻き込まれてしまう…

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イギリス版「ゴーンガール」とも評された小説を映画化した本作、レイチェルメーガン、それにトムの現在の妻であるアンナ(レベッカ・ファーガソン)と、それぞれ訳ありのアラサー女性3名の独白が絡み合いながら、ミステリアスに物語が展開していき、なかなか見応えがある。

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特に主演のエミリー・ブラント。相変わらずの目ヂカラの強さで、アルコール依存症でストーカー気味の負け組女性という特異なヒロイン像を説得力豊かに演じている。但し、映画全体としては「ゴーンガール」のようなエッジーな感じはそれほどなく、確かに最後のエンディングには驚かされるが、ちょっと唐突感を感じさせる点もなきにしもあらず。このシーンに持っていくためには伏線をもう少し丁寧に張った方が良かったような感じ。そうは言っても全体的にはなかなかのサスペンス・スリラー!  ⇒ 8/10点

 Girl 5

ガール・オン・ザ・トレイン
The Girl on the Train (2016年・アメリカ)
監督: Tate Taylor
キャスト: Emily Blunt, Haley Bennett, Rebecca Ferguson, Justin Theroux, Luke Evans, Allison Janney, Édgar Ramírez, Lisa Kudrow, Laura Prepon, Darren Goldstein ほか
上映時間: 113分


⇒ 「ヘルプ 心をつなぐストーリー」(11年)感想 〜 オススメ!

⇒ ブラント出演作「スノーホワイト/氷の王国」(16年)感想

⇒ ヘイリー出演作「マグニフィセント・セブン」(16年)感想
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

第2次世界大戦中、ナチスのユダヤ人対策責任者として、何百万人ものユダヤ人を強制収用所に送り、ナチス最大の戦犯の一人だったアドルフ・アイヒマンを、執念の捜査で追い詰める事に成功したドイツ人検事の姿を描いた作品。2015年のトロント国際映画祭でプレミエ上映された後、米国では2016年8月に限定公開されている。

      Bauer Poster

1950年代後半の西ドイツフランクフルトの検事総長としてナチス戦犯の告発に辣腕を振るうユダヤ系ドイツ人のフリッツ・バウアー(ブルクハルト・クラウスナー)だが、未だに政治の中枢に入り込んでいる元ナチス党員たちによる妨害と、戦争中の出来事を早く忘れたがっている国民の無理解のせいで、捜査は彼の期待通りには進展していなかった。

 Bauer 1

ある日バウアーは、未だ捕まっていないナチス戦犯の中で最大の大物の一人、アドルフ・アイヒマン(マイケル・シェンク)アルゼンチンに潜伏しているとの情報を入手する。彼は、ナチス残党による妨害を恐れ、ドイツの捜査機関ではなく、イスラエルの諜報機関、モサドに情報を提供してアイヒマンを捕らえる事を決意する…

 Bauer 2

史実に基づきながら、老検事が戦犯を追い詰める様をスリリングに描いた作品。アイヒマンの名前は勿論知っていたし、彼が戦後捕まって戦争裁判にかけられた事も知っていたが、彼が捕まるまでにこのようなストーリーがあったとは知らなかった。

 Bauer 3

戦後10年以上経っても、政府や警察機関に深く巣食うナチス残党の妨害に遭いながらも、老骨に鞭打って執念の捜査を展開するバウアーの姿は感動的。信念を貫く人の姿を描いた骨太なドラマでした!  ⇒ 8/10点

 Fritz Bauer
 フリッツ・バウアー

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男
The People vs Fritz Bauer (2015年・ドイツ)
監督: Lars Kraume
キャスト: Burghart Klaußner, Rudiger Klink, Andrej Kaminsky, Jörg Schüttauf, Ronald Zehrfeld, Michael Schenk, Sebastian Blomberg, Laura Tonke ほか
上映時間: 105分

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ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 〜 相変わらず快調の第3弾

レニー・ゼルウィガー主演でアラサー独身女性の姿を描いた人気シリーズの、「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」(04年)以来12年ぶりとなる第3弾。2016年9月にロンドンでプレミエ上映された後、同月に全米でも公開され、公開週に興行ランキングの3位にランクインしている。

      Bridget Jones Baby Poster

アラフォーとなり、今やテレビ局の敏腕プロデューサーとして活躍中のブリジット・ジョーンズ(ゼルウィガー)は、恋愛にも奮闘中だが、なかなか理想の相手に出会うことが出来ない。

 Baby 1

そんなある日、同僚のミランダ(サラ・ソルマーニ)に誘われて週末に泊りがけで音楽祭に出かけた彼女は、そこで出会ったイケメンのジャック(パトリック・デンプシー)と一夜を共にしてしまう。

 Baby 2

実はジャックは新進のIT企業の創業者。ひょんな事で彼と再会し、付き合い始めるブリジットだが、他の女性と結婚したかっての恋人マーク(コリン・ファース)ともふとした事で一夜を共にしてしまう。そんな矢先、自分が妊娠した事に気づくブリジットだが、果たして父親はどちらなのだろうか…

 Baby 3

本シリーズが当たり役となったレニー・ゼルウィガー、最近映画で見かけないと思ったら、今回は6年ぶりの映画出演だそう。シリーズも12年ぶりとあって、さすがにアラサーというわけにはいかず、今回はアラフォーとして登場なのだが、シリーズの雰囲気は変わらず、恋に仕事、それに高齢出産も加わって奮闘するブリジットの姿を、これまで通りにレニーがコミカルに演じていて魅力的。

 Baby 4

シリーズ第1作「ブリジット・ジョーンズの日記」(01年)からのコンビ、コリン・ファーストの微妙にとぼけた渋い2枚目ぶりも相変わらず、これにパトリック・デンプシーエマ・トンプソンらが加わって巧みに映画を盛り上げている。

 Baby 5

ブリジットのキャラクターについては、特に女性の間では評価が分かれたようだが、私は素直に楽しめました!  ⇒ 8/10点

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期
Bridget Jones's Baby (2016年・イギリス/フランス/アメリカ)
監督: Sharon Maguire
キャスト: Renee Zellweger, Colin Firth, Patrick Dempsey, Sarah Solemani, Sally Phillips, James Callis, Shirley Henderson, Emma Thompson, Neil Pearson, Gemma Jones, Jim Broadbent, Julian Rhind-Tutt, Celia Imrie, Jessica Hynes, Kate O'Flynn, Katia Elizarova, Ed Sheeran, Erron Gordon ほか
上映時間: 123分


⇒ ファースが珍しくアクション映画に挑んだ「キングスマン」(15年)感想

⇒ トンプソン出演作「ウォルト・ディズニーとの約束」(13年)感想

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マグニフィセント・セブン 〜 「荒野の七人」のリメイク版は、久々に痛快な西部劇!

黒澤明監督の傑作「七人の侍」(54年)の西部劇版リメイク作品として人気を博した「荒野の七人」(60年)をベースにした再映画化作品。監督に起用されたのは「サウスポー」(15年)などのアントワーン・フークア。60年版同様、オールスター・キャストが組まれている。全米では2016年9月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立っている。

      Magnificent Seven Poster

アメリカ西部、ローズ・クリークの町。ここで平和に暮らしていた町民たちは、近くに金鉱が発見されてしまったために、悪名高い実業家バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)に目をつけられてしまう。

 Magnificent 1

町の乗っ取りを企むボーグ一味によって夫マシュー(マット・ボマー)を殺されてしまったエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、凄腕の賞金稼ぎであるサム(デンゼル・ワシントン)に町を守るための助っ人役を頼む。

 Magnificent 2

サムはギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、狙撃の達人”グッドナイト”ロビショー(イーサン・ホーク)とその相棒ビリー(イ・ビョンホン)、力持ちの山男、ジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)ら七人の腕利きを集め、大挙して押し寄せてきたボーグ一味と対峙する…

 Magnificent 3

「七人の侍」「荒野の七人」と、あまりにも有名な前作がありながらのリメイク作品だが、下手な小細工を排し、善悪をはっきりさせてストレートな西部劇として描いているのが小気味良い。

 Magnificent 4

相変わらずの存在感のデンゼルを始め、七人はそれぞれ個性豊かなキャラクターの持ち主に描かれているし、何よりもサースガードが悪役らしさを存分に発揮していて、善悪の対決軸がはっきりとしているので、アクション映画としてもストレートに楽しめる。

 Magnificent 5

古典的名作と言われている作品のリメイクは勇気の要ることと思うが、目新しさはないものの、文句なく楽しめる作品に仕上げているところにフークア監督の力量を感じました!  ⇒ 8/10点

マグニフィセント・セブン
The Magnificent Seven (2016年・アメリカ)
監督: Antoine Fuqua
キャスト: Denzel Washington, Chris Pratt, Ethan Hawke, Vincent D'Onofrio, Byung-Hun Lee, Peter Sarsgaard, Haley Bennett, Manuel Garcia-Rulfo, Martin Sensmeier, Matt Bomer, Luke Grimes, Jonathan Joss, Cam Gigandet, Sean Bridgers, Billy Slaughter ほか
上映時間: 133分


⇒ ジェイク・ギレンホールの熱演が光る「サウスポー」(15年)感想オススメ!

⇒ こちらもデンゼルの痛快なアクション映画「イコライザー」(14年)感想

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マダム・フローレンス! 夢見るふたり 〜 メリル・ストリープ貫禄の演技!

史上最高(?)に音痴なオペラ歌手として一部の音楽愛好家でカルテ的人気を誇っているフローレンス・フォスター・ジェンキンスと、彼女を献身的にサポートした夫の姿を描いたイギリススティーヴン・フリアーズ監督の作品。2016年4月にイギリスで公開された後、全米では8月に公開され、公開週に興行ランキングの8位にランクインしている(1位は「スーサイド・スクワッド」)。今年のアカデミー賞では、主演のメリル・ストリープが、自身が持つアカデミー史上最多記録を更新する16度目の主演女優賞にノミネートされたほか、衣装デザイン賞にもノミネートされている。また、ゴールデングローブ賞でも、作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)・主演男優(ヒュー・グラント)・主演女優・助演男優(サイモン・ヘルバーグ)の4部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

      Florence Foster Jenkins Poster

ニューヨーク社交界で華やかな毎日を送るフローレンス・フォスター・ジェンキンス(ストリープ)は、その一方でソプラノ歌手としてのデビューを夢見て、日々レッスンに励んでいた。

 Jenkins 1

しかし、彼女は致命的な音痴。しかし病気を抱えながら夢を追い続ける彼女をなんとかサポートしたいと考える夫のシンクレア(グラント)は、ピアニストのコスメ(ヘルバーグ)を雇い、メトロポリタン・オペラの副指揮者カルロ(デイヴィッド・ヘイグ)の指導の下にフローレンスのレッスンを続ける一方、マスコミを買収したり、彼女の友人たちの身を集めたリサイタルを開いたり、涙の出るようなサポートぶりを発揮するのだが…

 Jenkins 2

名優メリル・ストリープヒュー・グラントとコンビを組んで作り上げたハートウォーミングなコメディ映画。劇中繰り広げられる、ストリープの迷唱は抱腹絶倒ものである一方、フローレンスの善良な心のうちをしっかりと演じるさまは、名女優の名に恥じないもの。

 Jenkins 3

共にゴールデングローブ賞で演技賞にノミネートされたグラントヘルバーグのユーモアをそこはかとなく醸し出す達者な演技もストリープを盛り立てている。

 Jenkins 4

フローレンスの音痴ぶりも見もの?なのだが、映画のテーマは夫婦愛。妻が音痴である事を知りながらも、何とか盛り立てようと奮闘するシンクレアの奮闘ぶりに心が温まる。珍盤として知られるレコードも出ているフローレンス・フォスター・ジェンキンスの名前は昔から知っていたが、彼女を支えるシンクレアの存在はこの映画を見るまで知らなかった。映画自体は最後は残酷な真実に直面してほろ苦く終わるのだが、全体的に温かい気持ちになれる佳作でした!  ⇒ 8/10点

 Jenkins 5

マダム・フローレンス! 夢見るふたり
Florence Foster Jenkins (2016年・イギリス/フランス)
監督: Stephen Frears
キャスト: Meryl Streep, Hugh Grant, Simon Helberg, Rebecca Ferguson, Nina Arianda, John Kavanagh, Bríd Brennan, Stanley Townsend, Allan Corduner, Paola Dionisotti, Christian McKay, John Sessions, Pat Starr, Maggie Steed, Rhoda Lewis, Liza Ross, Aida Garifullina, Mark Arnold, Nat Luurtsema ほか
上映時間: 110分


1868年生まれで1944年に亡くなったフローレンス・フォスター・ジェンキンスは、生涯に1枚の録音残していて、今でもCDが発売されています。

 Jenkins.jpg

      Jenkins CD

⇒ ストリープ出演作「イントゥ・ザ・ウッズ」(14年)感想

⇒ グラント出演作「コードネーム U.N.C.L.E.」(15年)感想

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