モアナと伝説の海 〜 ディズニー・アニメーションからまたしても秀作!

「アラジン」(92年)「ヘラクレス」(97年)などでタッグを組んだロン・クレメンツジョン・マスカーが再び結集し、南太平洋を舞台に製作したディズニー・アニメーションの最新作。全米では2016年11月に公開され、公開週から3週連続で興行ランキングのトップに立つ大ヒット作となった。今年のアカデミー賞では、長編アニメーション映画賞にノミネートされたが、同じディズニー「ズートピア」が栄冠に輝き、受賞は逃している。

      Moana Poster

南洋ポリネシアにある島モトヌイの村長トゥイ(声: テムエラ・モリソンの娘で、誰よりも海を愛する少女モアナ(声: アウリイ・クラヴァーリョは、父により海に出ることを禁止されていた。

 Moana 1

成長したモアナトゥイの後継者としての自覚も芽生えてきたある日、島の近海から魚が消え、作物も穫れなくなってしまう事態が発生する。モアナは祖母タラ(声: レイチェル・ハウスに、この世の命をつかさどる女神テ・フィティの心である緑の石を託され、それをテ・フィティに返して平和な世界を取り戻すために、伝説の英雄マウイ(声: ドウェイン・ジョンソンと共に、未知の大海原へと乗り出すのであった…

 Moana 2

ここ数年、立て続けにヒット作を連発して絶好調のディズニー・アニメーション。そろそろ息切れかと思いきや、今回も水準の高い作品に仕上がっている。

 Moana 3

少女を主人公にしている点は、従来通りだが、スリル感満点の冒険ストーリーは隙のない出来で最後まで全く飽きさせないし、主要キャラクターが魅力的に描かれているのも良い。

 Moana 4

個人的にはアカデミー賞に輝いた「ズートピア」より面白いと思った作品。それにしてもディズニーの底力、恐るべし!  ⇒ 8/10点

 Moana 5

モアナと伝説の海
Moana (2016年・アメリカ)
監督: Ron Clements and John Musker
声の出演: Auli'i Cravalho, Dwayne Johnson, Rachel House, Temuera Morrison, Jemaine Clement, Nicole Scherzinger, Alan Tudyk ほか
上映時間: 107分


⇒ ディズニー・アニメーションの前作「ズートピア」(16年)感想オススメ
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メッセージ 〜 才人ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新SF映画

注目度上昇中のカナダドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作で、テッド・チャンのSF短編小説「あなたの人生の物語」の映画化作品。2016年のヴェネツィア音楽祭でプレミエ上映された後、全米では11月に公開され、公開週に興行ランキングの3位にランクインしている(トップは「ドクター・ストレンジ」)。今年のアカデミー賞では、作品賞・監督賞をはじめ8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞している。

      Arrival Poster

ある日突然、地球上に無数の巨大な球形の宇宙船が降り立ってくる。宇宙船内にいる生物が奇妙な音や文字を発信するのを見て世界中が不安と混乱に陥る中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)や物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)らが米軍のウェーバー大佐(フォレスト・ウィテカー)から緊急招集を受ける。

 Arrival 1

宇宙人が発するそれらのシグナルを解明する役割を与えられた彼らは、必死に解読作業に没頭するが、そのうちルイーズは、時間を遡っていくような不思議な感覚に襲われるようになる。一方、宇宙船が飛来した各国の間で対応方針をめぐり、徐々に足並みが乱れていき…

 Arrival 2

中東を舞台にした、ギリシャ古典悲劇を見るような「灼熱の魂」(10年〜9点)ヒュー・ジャックマンが誘拐された娘を探し出すため暴走する父親を演じたサスペンススリラー「プリズナーズ」(13年〜8点)メキシコの麻薬戦争を生々しく描いた「ボーダーライン」(15年〜8点)など、異なるジャンルを扱いながら、いずれも秀作を送り出してきている才人ヴィルヌーヴの最新作はSF映画。

 Arrival 3

独特で詩情を漂わす映像の中、展開されていく物語は、昨今の派手なアクションや戦闘シーンを売りにしたSF映画とは一味も二味も異なり、ヴィルヌーヴ監督のセンスの良さが存分に発揮されている。

 Arrival 4

各国が意思疎通が出来ない事に業を煮やして宇宙人を攻撃する方向に傾いていく中、粘り強く最後まで宇宙人とコミュニケーションを図ろうとする、アダムス演じる主人公ルイーズの静かな心の強さが印象的。SF映画であると同時に、一人の女性の心の物語でもあるこの作品、どのようなジャンルでも、優れた水準の作品を生み出せるヴィルヌーヴ監督の才能の凄さをまたしても印象付けられました!自作はいよいよ「ブレードランナー」の最新作 "Blade Runner 2049"!  ⇒ 8/10点

 Arrival 5

メッセージ
Arrival (2016年・アメリカ)
監督: Denis Villeneuve
キャスト: Amy Adams, Jeremy Renner, Forest Whitaker, Michael Stuhlbarg, Forest Whitaker, Michael Stuhlbarg, Mark O'Brien, Tzi Ma ほか
上映時間: 116分


⇒ ヴィルヌーヴ監督の前作「ボーダーライン」(15年)感想 オススメ!

⇒ アダムス出演の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(16年)感想

⇒ レナー出演の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(16年)感想

⇒ ウィテカー出演の「サウスポー」(15年)感想オススメ!

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お父さんと伊藤さん @ ジャパン・カッツ!

毎年この時期にジャパン・ソサエティで開催される北米最大の日本映画祭、ジャパン・カッツ!。息子が学生時代に関わっていた事もあって、毎年幾つかの作品を観るようになったが、今年も日本から帰米早々、タナダユキ監督「お父さんと伊藤さん」を観た。

 Japan Cuts 1
 Japan Cuts 2

 Japan Cuts 3
 「この世界の片隅に」も観たかったのだが、早々に売り切れ…

「ふがいない僕は空を見た」(12年)で注目されたタナダユキ監督の最新作で、第8回小説現代長編新人賞を受賞した中澤日菜子の小説の映画化作品である本作、主演の上野樹里に加え、リリー・フランキー藤竜也らが共演している。日本では昨年10月に全国公開されていて、今回が米国初公開

 My Dad
      My Dad Poster

書店でアルバイトをしている34歳の彩(上野)は、給食センターでアルバイトをする20歳上のバツイチ男・伊藤さん(フランキー)と交際中。

 My Dad 1

そんなある日、彼らが一緒に住むアパートを、同居していた兄の潔夫婦(長谷川朝晴安藤聖の家を出てきたの74歳の父(藤)が訪ねてくる。

 My Dad 2

に懇願され、渋々父との同居を受け入れた。その日からちょうど20歳ずつ歳が離れた3人の奇妙な共同生活が始まるが、長年学校の先生を務めた謹厳で口うるさい父との毎日に、は辟易するのだった…

 My Dad 3

ちょうど20歳ずつ歳が離れた世代の違う3人がぎこちない共同生活を送っていく様を描いた本作、かっての家族関係が成り立たなくなっている現代の日本の社会状況を描きながら、主役3人の軽妙でユーモアが漂うやり取りのおかげで、テーマの重苦しさを感じさせない軽やかな手応えの作品となっている。

 My Dad 4

とにかく主役3人のそれぞれの持ち味を生かした演技が印象的。この演技を引き出したタナダユキ監督の力量はなかなかのもので、最後まで面白く観る事が出来た。最後が単純なハッピーエンドとならないところも良い。  ⇒ 8/10点

お父さんと伊藤さん
(2016年・日本)
監督: タナダユキ
キャスト: 上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也、長谷川朝晴、安藤聖、渡辺えり ほか
上映時間: 119分


⇒ リリー・フランキー出演作「そして父になる」(13年)感想 〜 オススメ!

⇒ 藤竜也 出演作「私の男」(14年)感想

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ジャッキー/ファーストレディ最後の使命 〜 ナタリー・ポートマンの熱演で描かれる知られざるジャックリーン・ケネディ像

1963年11月に発生したジョン・F・ケネディ米国大統領の暗殺事件から彼の葬儀までの4日間の、ジャックリーン・ケネディ大統領夫人の知られざる姿を描いた作品。監督はチリ出身のパブロ・ララインで、ナタリー・ポートマンジャックリーンを演じて話題となった。2016年のヴェネツィア国際映画祭でプレミエ上映され、最優秀脚本賞に輝いた後、全米では12月に限定公開されている。今年のアカデミー賞では、主演女優賞(ポートマン)をはじめ 3部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

      Jackie Poster

1963年11月22日、遊説のためテキサス州ダラスを訪れた米国大統領ジョン・F・ケネディ(キャスパー・フィリップソン)と夫人のジャックリーン(ポートマン)だが、市内をオープン・カーでパレード中に狙撃され、大統領は暗殺されてしまう。

 Jackie 1

悲しみにくれる間もなく、葬儀の取り仕切りから副大統領のリンドン・ジョンソン(ジョン・キャロル・リンチ)の大統領就任式への立会い、ホワイトハウスからの退去まで、あらゆる難題をこなしていくジャックリーン

 Jackie 2

父親の死を理解出来ない子供たちの姿に心を痛めるジャックリーンだが、そのような中、ジョンの弟で司法長官のロバート(ピーター・サースガード)や秘書官のナンシー・タッカーマン(グレタ・ガーウィグ)にサポートされながら、亡き夫が歴史から忘れ去られず、アメリカ国民の心の中に、いつまでも残り続ける存在となるよう、行動を開始する…

 Jackie 3

在任期間が3年未満であったにも関わらず、リンカーンルーズベルトに続く人気を維持しているケネディ。その裏に夫人ジャクリーンの知られざる奮闘があったという、興味深いストーリーの映画で、ヴェネツィア国際映画祭最優秀脚本賞に輝いただけあって、誰もが知っている歴史的事件に違った側面から光を当てたストーリー展開は秀逸。

 Jackie 4

身振りや話し方まですっかり変えて、ジャックリーンになりきったナタリー・ポートマンの熱演は、さすがにアカデミー主演女優賞にノミネートされただけあって、見ているこちらが引き込まれる素晴らしさ!

 Jackie 5

これは、ポートマンの演技を見るべき映画(彼女の表情のクローズアップを多用しているのが、そうした面を強調している)だと思うが、そこにフォーカスを当てた分、あまりにもドラマチックな史実を題材にした映画の割には、そうしたドラマチックな起伏は少ない(意図的にそうした面を避けた意図があるであろう事は理解出来るが)。  ⇒ 8/10点

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ジャッキー/ファーストレディ最後の使命
Jackie (2016年・アメリカ/チリ/フランス)
監督: Pablo Larrain
キャスト: Natalie Portman, Peter Sarsgaard, Greta Gerwig, Billy Crudup, John Hurt, Max Casella, Beth Grant, Richard E. Grant, Caspar Phillipson, John Caroll Lynch, Julie Judd, Brody and Alden Weinberg, Mathilde Ripley, Barbara Foliot ほか
上映時間: 99分


⇒ ポートマン出演作「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(13年)感想

⇒ サースガード出演作「マグニフィセント・セブン」(16年)感想オススメ!

⇒ ガーウィグ出演作「ローマでアモーレ」(12年)感想

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ハクソー・リッジ 〜 戦場における信仰を描いたメル・ギブソン監督の秀作!

第2次世界大戦中のアメリカ軍で、信仰のため銃を持たずに沖縄戦に従軍した実在の兵士を描いたメル・ギブソン監督の最新作。2016年のヴェネツィア国際映画祭でプレミエ上映され絶賛された後、全米では同年11月に公開され、公開週に興行ランキングの3位にランクインしている。今年のアカデミー賞では、作品・監督・主演男優賞(アンドリュー・ガーフィルド)など6部門でノミネートされ、録音賞と編集賞の2冠に輝いている。

      Hacksaw Ridge Poster

子供の頃に、激しやすい性格から兄を傷つけてしまった事がきっかけで、深い信仰心を持つようになったデズモンド(ガーフィールド)。愛国心の強い彼は、青年になって第2次世界大戦が勃発すると、進んで軍隊に志願する。

 Hacksaw 1


厳しい訓練には持ち前のガッツでついていくデスモンドだが、人を傷つけてはいけないという強い信念から銃を持つことを拒否したために、周囲と軋轢が生じ、軍法会議にもかけられてしまう。妻ドロシー(テリーサ・パーマー)や父トム(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力で、ようやく銃を携行しないでの従軍が認められる。

 Hacksaw 2

そして戦争末期1945年5月、所属部隊の衛生兵として沖縄戦に派遣される事となったデスモンドは、グローヴァー大尉(サム・ワーシントン)に率いられ、仲間の兵士たちとともに沖縄に上陸するが、彼らの眼の前にはハクソー・リッジ(日本では前田高地)と呼ばれる難攻不落の断崖絶壁がそびえていた。デスモンドたちは、太平洋戦争で最も激戦と言われた過酷な戦闘に身を投じる事になる…

 Hacksaw 3

太平洋戦争中、最大の激戦地の一つと言われた沖縄戦の前田高地の戦いを舞台にしたメル・ギブソン監督の最新作は、この監督らしく、クライマックスのハクソーリッジの攻防戦のシーンでは、最新の撮影技術を駆使したリアルで壮絶な戦闘シーンが繰り広げられる。

 Hacksaw 4

しかし、この映画の中心はその戦闘シーンにあるのではなく、極限状況の中でも自分の信仰を貫いたデスモンドの姿。砲弾や銃弾が飛び交う中、丸腰で高地と崖を往復し、多数の仲間の兵士を救護していく姿は、戦闘シーンが壮絶であるだけに、ひときわ印象強く浮かび上がってくる。

 Hacksaw 5

スパイダーマン・シリーズへの出演を続ける事を断り、本作やマーティン・スコセッシ監督「沈黙」(16年)への主演で、演技派俳優としての地歩を着々と固めているガーフィールドの抑えた演技は素晴らしく、この信じられないような主人公の行動にしっかりとした現実感を与える事に成功している。

 Hacksaw 6

第1次世界大戦に従軍し、そのトラウマから抜け出せないでいるデスモンドの父親トムを演じたウィーヴィングや先輩士官たちを演じたワーシントンヴィンス・ヴォーンらも好演。最近はお騒がせ芸能人といったイメージが先行していて、俳優としても監督としてもあまりパッとした作品がなかったメル・ギブソンだが、これは久々の秀作!

 Hacksaw 7

ハクソー・リッジ
Hacksaw Ridge (2016年・オーストラリア/アメリカ)
監督: Mel Gibson
キャスト: Andrew Garfield, Teresa Palmer, Hugo Weaving, Sam Worhington, Luke Bracey, Vince Vaughn, Ryan Corr, Rachel Griffiths, Richard Roxburgh, Luke Pegler, Richard Pyros, Ben Mingay, Firass Dirani, Damien Thomlinson, Matt Nable, Robert Morgan, Nathaniel Buzolic ほか
上映時間: 139分


⇒ ギブソン出演作「マチューテ・キルズ」(13年)感想

⇒ ガーフィールド主演作「アメイジング・スパイダーマン2」(14年)感想

⇒ ウィーヴィング出演作「ホビット 決戦のゆくえ」(14年)感想オススメ!

⇒ ワーシントン主演のスリラー「崖っぷちの男」(12年)感想

⇒ パーマー出演作「魔法使いの弟子」(10年)感想

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