キャバレー 〜 ボブ・フォッシーがライザ・ミネリの魅力を引き出す!

ジョン・V・ドルーテンの舞台 "I am Camera" を、名振付師ボブ・フォッシーが映画化したもの。ヴィンセント・ミネリ監督「オズの魔法使」(39年)ジュディ・ガーランドの娘、ライザ・ミネリが主演して一躍注目を浴びた事で知られる。全米では1972年に公開され、1973年のアカデミー賞では、そのミネリが主演女優賞を獲得したのをはじめ、監督賞など8部門で栄冠に輝いている。また、アメリカン・フィルム・インスティテュートが2007年に発表したアメリカ映画ベスト100では、63位にランクインしている。

      Cabaret Poster

1930年代、ナチス台頭前夜のベルリン。スター歌手になる事を夢見てこの街にやってきたアメリカの若い女性サリー(ミネリ)は、エムシー(ジョエル・グレイ)が仕切るキャバレー、キットカットクラブで働いていた。

 Cabaret 1

ある日そんなサリーのもとに、イギリスから留学生のブライアン(マイケル・ヨーク)がやってくる。二人は固い友情で結ばれるが、そこにマクシミリアン男爵(ヘルムート・グリーム)という青年貴族が登場し、二人の関係にも微妙な変化が生じていく…

 Cabaret 2

ナチス台頭前夜、爛熟した文化が頂点に達していたベルリンの退廃的な雰囲気を背景に展開される映画で、ミュージカルと思いきや、むしろ音楽で彩られた映画といった感。

 Cabaret 3

ライザ・ミネリは美人とは思わないし、演技も上手いとは思わないのだが、この映画が醸し出す雰囲気と完全に結びついて、強烈な存在感を発揮している。ストーリー展開は今ひとつのような気がするし、この点ではミュージカルの方がまとまりがあるように思うのだが、とにかくミネリのためにあるような映画!  ⇒ 7/10点

 Cabaret 4

キャバレー
Cabaret (1972年・アメリカ)
監督: Bob Fosse
キャスト: Liza Minnelli, Michael York, Joel Grey, Helmut Griem, Fritz Wepper, Marisa Berenson, Helen Vita, Oliver Collingnon ほか
上映時間: 125分
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哀しみのトリスターナ 〜 カトリーヌ・ドヌーヴはあくまでも美しく

スペインの巨匠ルイス・ブニュエル監督が、文豪ベニート・ペレス・ガルドスの小説を1970年に映画化したもの。主演は、この映画への出演を熱望していたカトリーヌ・ドヌーヴ。1970年3月にフランスで公開され、翌年のアカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされている。

      Tristana Poster

16歳で両親を亡くしたトリスターナ(ドヌーヴ)は、初老の没落貴族ドン・ロペ(フェルナンド・レイ)の養女となる。

 Tristana 1

ところが、美しいトリスターナを娘ではなく、女性として見るようになったドン・ロペは、半ば強制的に、彼女を事実上の妻としてしまう。

 Tristana 2

最初はドン・ロペの言いなりだったトリスターナだったが、ドン・ロペが老いていく間に次第に自我に目覚めていく。そんなある日、彼女は若い画家オラーシオ(フランコ・ネロ)に出会い、恋に落ちてしまう…

 Tristana 3

ブニュエルらしく、シュルレアリズムの世界を垣間見るような映像も挟まれているが、彼の作品としては至って正統的に作られた作品で、そういう意味ではジャンヌ・モローの個性的な美しさが光った「小間使の日記」(63年)と同傾向の作品だろうか。とにかく、少女から大人になるにつれて、美しさを増していくドヌーヴの演技が、一種の凄みを感じさせ、印象的。

 Tristana 4

但し、この監督特有の、ぶっきらぼうとも取れる映像表現は、ここでも個人的にあまり馴染めなかった。  ⇒ 7/10点

哀しみのトリスターナ
Tristana (1970年・スペイン/フランス/イタリア)
監督: Luis Bunuel
キャスト: Catherine Deneuve, Fernando Rey, Franco Nero, Lola Gans, Jesses Fernandez, Antonio Casas ほか
上映時間: 99分


⇒ ブニュエル監督のシュルレアリズム映画の傑作「アンダルシアの犬」(28年)感想 〜 オススメ!

⇒ レイ主演作「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」(72年)感想

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ネットワーク 〜 フェイ・ダナウェイが強烈な印象を残すブラック・コメディ

「マーティ」(55年)などでアカデミー賞に輝いている名脚本家パディ・チャイエフスキーのオリジナル脚本を基に、社会派シドニー・ルメット監督が、視聴率稼ぎに血道を上げるTV局の内幕を描いた異色のサスペンス。全米では1976年11月に公開され、翌年のアカデミー賞では、作品賞をはじめ10部門でノミネートされ、主演男優賞(ピーター・フィンチ)・主演女優賞(フェイ・ダナウェイ)・助演女優賞(ベアトリス・ストレイト)の3賞受賞に加え、チャイエフスキーも自身3度目の脚本賞を受賞している。なお、演技賞4部門中3部門で受賞した作品は、本作の他には「欲望という名の電車」(51年〜ヴィヴィアン・リー: 主演女優、カール・マルデン: 助演男優、キム・ハンター: 助演女優)のみ。

      Network Poster

大手テレビ・ネットワークUBSで、長年ニュース・キャスターを努めて来たハワード・ビール(フィンチ)は、視聴率低下を気に病んでノイローゼ気味になっていた。そしてついに、番組降板を言い渡された彼は、番組の本番中に公開での自殺予告をしてしまう。

 Network 1

驚いた事に、ビールの宣言を機に、再び番組の視聴率は上がっていき、野心家の女重役ダイアナ(ダナウェイ)は、彼をとことん利用して、さらに視聴率を稼ごうとするのだが...

 Network 2

華やかなテレビ局の裏側を描いた、いわゆる内幕もので、視聴率のために平気で常軌を逸した行動に走る人々の姿を皮肉たっぷりに描いた、サスペンスというよりは、ブラック・コメディ色が強い作品。

 Network 3

狂気に走るビール役のフィンチの演技も見ものだが、やはりフェイ・ダナウェイが、倫理観を完全に無くしてしまったテレビ・プロデューサーを演じて圧倒的な存在感。

 Network 4

脚本もさすがにうまいが、ちょっとまとまり過ぎな感も...  ⇒ 7/10点

 Network 5

ネットワーク
Network (1976年・アメリカ)
監督: Sidney Lumet
キャスト: Faye Dunaway, William Holden, Peter Finch, Robert Duvall, Wesley Addy, Ned Beatty, Darryl Hickman, Beatrice Straight, Marlene Warfield ほか
上映時間: 121分


⇒ ルメット監督の代表作の一つ「評決」(82年) 感想 〜 オススメ!

⇒ フィンチ出演作「尼僧物語」(59年)感想

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コールガール 〜 ジェーン・フォンダのアカデミー賞受賞作

アラン・J・パクラ監督の出世作で、1971年6月に公開され、主演のジェーン・フォンダが翌年のアカデミー賞・ゴールデン・グローブ賞・ニューヨーク映画批評家協会賞で主演女優賞を獲得している。

      Klute Poster

ペンシルべニア州のとある研究所の研究者トム・グルーネマン(ロバート・ミル)の失踪事件を捜査していた刑事、ジョン・クルート(ドナルド・サザーランド)は、彼があるコールガールに宛てたわいせつな内容の手紙を手がかりにニューヨークにやって来る。

 Klute 1

ジョンは、そのコールガールブリー・ダニエルズ(フォンダ)に捜査への協力を求めるが、警察に恨みを持つ彼女は彼を追い返す。

 Klute 2

やむなくジョンは、ブリーのアパート近くに部屋を借りて彼女を監視する事にするのだが...

 Klute 3

原題では、サザーランド演じる刑事が主人公のように見えるが、むしろフォンダ演じるブリーが物語の主人公。客のどんなファンタジーにも応える事にプライドを持つ彼女は、知的で都会的なコールガールだが、同時に精神的に不安定で、精神科医のもとに通っているという、大都会ニューヨークの影を投影させたような存在。そんな役をフォンダが魅力的に演じている。

 Klute 4

但し、サイコ・スリラーとしてのサスペンス感はどちらかと言えば希薄で、都会の片隅に生きる男女の心のふれ合いを中心に据えているようだが、個人的には物足りない感じがする。  ⇒ 6/10点

コールガール
Klute (1971年・アメリカ)
監督: Alan J. Pakula
キャスト: Jane Fonda, Donald Sutherland, Charles Cioffi, Roy Scheider, Dorothy Tristan ほか
上映時間: 115分


⇒ フォンダ出演作「大統領の執事の涙」(13年)感想 〜 オススメ!

⇒ サザーランド出演作「ハンガー・ゲーム2」(13年)感想

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ブルジョワジーの秘かな愉しみ 〜 ブニュエルらしさ全開!

ブルジョワ階級の生態をシニカルに描いた、巨匠ルイス・ブニュエルの1972年の作品で、1973年のアカデミー賞では 2部門でノミネートされ、外国語映画賞に輝いている

      Charme Poster

中南米の新興国、ミランダ共和国パリ大使館の大使(フェルナンド・レイ)は、 テブノ夫妻(ポール・フランクールデルフィーヌ・セイリグやアル中の女性フロランス(ビュル・オジェ)らと連れ立って、セネシャル家の晩餐に出かけたが、セネシャル夫人(ステファーヌ・オードラン)は、 約束は明晩のはずと言って一行を追い返す。

 Charme 1

やむなく大使行きつけのレストランへ向かった一行だったが、そこではオーナーの通夜の真っ最中で、またしても食事にありつけない。その後も彼らが食事をしようとするたびに、アクシデントが起こり、何も食べられないことが続く...

 Charme 2

現実か夢なのか判然としないような、典型的なブニュエル・ワールドが展開される映画で、人間の最大の欲望の一つである食欲を満たそうとやっきになるブルジョワ階級の人々の生態を、皮肉たっぷりに描いている。

 Charme 3

出演者は、ブニュエル作品の常連であるレイを筆頭に、クロード・シャブロル監督の妻であったオードランジャック・リヴェット監督のミューズ的存在だったオジェアラン・レネ監督「去年マリエンバートで」で注目を浴びたセイリグなど、当時のヌーヴェル・ヴァーグの波の中で活躍していた俳優たちが勢揃い、ブルジョワたちの滑稽な生態を余裕たっぷりに演じている。

 Charme 4

ブニュエルらしく、ストーリーは起承転結がはっきりしている訳ではないので、この手の映画が好きではない人には、面白く感じられないだろうが、彼らしい映画である事は確か。ブニュエルの作風があまり肌に合わない私にとっては、面白いとは思うものの、点数は辛め...  ⇒ 6/10点

ブルジョワジーの秘かな愉しみ
Le Charme Discret de la Bourgeoisie (1972年・フランス)
監督: Luis Bunuel
キャスト: Fernando Rey, Jean-Pierre Cassel, Delphine Seyrig, Stephane Audran, Bulle Ogier, Paul Frankeur, Julien Bertheau, Claude Pieplu, Michel Piccoli, Muni ほか
上映時間: 102分


⇒ ブニュエル監督の「小間使いの日記」(63年) 感想

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