ザ・ウィメン: 女優のみ出演の映画の中で、ジョーン・クロフォードの悪女ぶりがひときわ光る!

1936年にニューヨークで初演されたクレア・ブース・ルースの戯曲を、ジョージ・キューカー監督が1939年に映画化したもの、出演者は全て女優で、男優が一切出演していない事でも話題を呼んだ。2008年には、ダイアン・イングリッシュ監督の下、メグ・ライアンアネット・ベニングらの共演で再映画化されている。日本ではなぜか劇場未公開。

      Women Poster

マンハッタンに住む裕福な女性、メアリー(ノーマ・シアラー)は、彼女の夫が宝石店の店員クリスタル(ジョーン・クロフォード)と不倫をしている事を知り、ショックを受ける。

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友人のシルヴィア(ロザリンド・ラッセル)エディット(フィリス・ポヴァー)に慰められても収まらない彼女は、離婚を届け出るために、レノに向かい、そこでド・ラーヴ伯爵夫人(メアリー・ボーランド)ミリアム(ポーレット・ゴダード)ペギー(ジョーン・フォンテイン)と親しくなる。

 Women 2

考え直して、夫を取り戻す事を決意したメアリーは、クリスタルと対決する事にするのだが…

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ストーリーは割合ありきたりながら、女優のみを出演させるという思い切りの良さが画面にもたらす華やかさと、名匠ジョージ・キューカーの練達の演出で、なかなかの佳作に仕上がっている。当時の旬の女優たちの華やかな競演の中でも、クロフォードの弾けた悪女ぶりがひときわ際立っている!  ⇒ 7/10点

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ザ・ウィメン
The Women (1939年・アメリカ)
監督: George Cukor
キャスト: Norma Shearer, Joan Crawford, Rosalind Russell, Mary Boland, Paulette Goddard, Phyllis Povah, Joan Fontaine, Virginia Weidler, Lucile Watson, Marjorie Main, Virginia Grey, Ruth Hussey, Muriel Hutchison, Hedda Hopper, Florence Nash, Cora Witherspoon, Mary Beth Hughes, Dennie Moore, Jane Isbell, Butterfly McQueen, Barbara Jo Allen, Gertrude Astor, Marie Blake, Theresa Harris, Barbara Pepper, Terry as Dog in Salon ほか
上映時間: 133分


⇒ こちらもキューカー監督の秀作「ボーン・イエスタディ」(50年)感想オススメ!

⇒ シアラーの代表作「結婚双紙」(30年)感想オススメ!

⇒ クロフォードとベティ・デイヴィスの息詰まる対決劇「何がジェーンに起ったか?」(62年)感想

⇒ ゴダード出演作「モダン・タイムス」(36年)感想傑作!!!
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グリード: サイレント映画を代表する、シュトロハイム監督渾身の作品

D・W・グリフィスセシル・B・デミルと並び、サイレント映画期を代表する3大監督の一人と言われるエリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の代表作で、アメリカの自然主義作家フランク・ノリスの長編小説「死の谷」の映画化。米国では1924年に公開され、サイレント映画史上に残る傑作として知られている。

       Greed Poster

サンフランシスコでもぐりの歯科医院を開業しているマクティーグ(ギブソン・ゴーランド)は、歯の治療に訪れた美貌のトリナ(ザス・ピッツ)を見初め、妻に迎える。

 Greed 1
 
ところが、トリナがたまたま結婚直前に買った宝くじが当選していた事が判明し、そこから二人の人生の歯車が狂い始めていくのだった…

 Greed 2

欲望に取り憑かれた人間が破滅していく様を、徹底的なリアリズムで描いていった、シュトロハイム監督の代表作。細部に徹底的にこだわる完璧主義者だった彼は、最後のネバダ砂漠でのシーンなど、気に入った出来になるまで2ヶ月間も、灼熱の砂漠で撮影を続行し、キャストとスタッフのほとんどが病気になってしまった、という逸話が残されているほど。

 Greed 3

そうして出来上がったオリジナル版は、上映時間9時間近くという型破りなものとなったため、配給元のMGMにより大幅にカットされ、2時間半まで短縮されている。この後、採算を度外視して完ぺきを追い求めるシュトロハイムは映画会社と対立するようになり、映画監督としてのキャリアも程なくして終わりを告げてしまうのだった。

 Greed 4

私は好きになれなかったが、人間の欲望を徹底的に描いたこの映画は、画面から狂気のようなものが漂ってくる。  ⇒ 7/10点

グリード
Greed (1924年・アメリカ)
監督: Erich von Stroheim
キャスト:Gibson Gowland, ZaSu Pitts, Jean Hersholt ほか
上映時間: 140分

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大地 〜 ルイーゼ・ライナーが2年連続のアカデミー主演女優賞受賞!

ノーベル文学賞作家、パール・バックの名作を映画化した1937年の作品で、「科学者の道」(36年)アカデミー主演男優賞を獲得したポール・ムニと、同じく「巨星ジーグフェルド」(36年)同主演女優賞を獲得したルイーゼ・ライナーが共演。監督は「哀愁」(40年)「心の旅路」(42年)のプロデューサーとしても知られるシドニー・フランクリン。1938年のアカデミー賞では、作品・監督賞をはじめ5部門でノミネートされ、ライナーが見事2年連続の主演女優賞に輝いたほか、撮影賞も受賞している。

      Good Earth Poster

中国・安徽省に住む貧しい農夫の王龍(ムニ)は、妻を迎える事になり、地元の地主、黄家で奴隷として働いていた阿藍(ライナー)を迎え入れる。

 Good Earth 1

二人は貧困と飢餓に苦しみながらも、働きづめで次第に畑を増やしていき、次第に生活も楽になってくる。3人の子供にも恵まれた夫婦だったが、そんな折、未曾有の干ばつがこの地方を襲うのだった…

 Good Earth 2

広大な中国の大地で、貧困と戦火に苛まされながらも、たくましく生きて行く農民夫婦の姿を描いたパール・バックの大河ドラマを、フランクリン監督が丹念に、スケール豊かにスクリーンの上に再現している。

 Good Earth 3

アカデミー撮影賞に輝いたカール・フロイントのカメラ・ワークは素晴らしく、当時観客の度肝を抜いたと言われる、イナゴの大群の襲来シーンは、今見ても迫力十分。

 Good Earth 4

惜しむらくは、主役の二人をはじめ、白人俳優が少なからず出演しているために、やはり物語に違和感が生じている事だろうか。なお、アカデミー主演女優賞に輝いたオーストリア出身のライナー、かなり訛りのある英語でのセリフが耳につくが、ほとんどセリフが無かった前年の「巨星ジーグフェルド」と合わせての2年連続の主演女優賞受賞は、オスカー史の謎と言われているとか… ⇒ 7/10点

 Good Earth 5

大地
The Good Earth (1937年・アメリカ)
監督: Sydney Franklin
キャスト: Paul Muni, Luise Rainer, Walter Connelly, Tilly Losch, Charley Grapevine, Jessie Ralph ほか
上映時間: 138分


⇒ 「心の旅路」感想 〜 オススメ!

⇒ ムニ主演作「ゾラの生涯」(37年)感想

⇒ ライナー主演作「巨星ジーグフェルド」(36年)感想

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影なき男 ~ 肩凝らずに楽しめるサスペンス・エンターテイメント

探偵夫婦ニックノラの活躍を描いたダシール・ハメット原作の推理ドラマ・シリーズの第1作を1934年に映画化したもの。監督はW・S・ダイクで、ウィリアム・パウエルマーナ・ロイが共演している。1935年のアカデミー賞では、作品・監督賞をはじめ4部門でノミネートされたが、受賞はならなかった

      Thin Man Poster

引退したばかりの探偵ニック・チャールズ(パウエル)ノラ(ロイ)の夫婦はロサンゼルスに住んでいたが、退屈さを紛らすため、クリスマスをニューヨークに過ごすことにした。

 Thin Man 1

そんな彼らのもとに、彼らの旧友で発明家のクライド・ワイナントの娘ドロシー(モーリン・オサリヴァン)が訪ねてくる。クライド(エドワード・エリス)が突然行方をくらまし、しかも彼の秘書で愛人のジュリア・ウルフ(ナタリー・ムーアヘッド)クライドの自宅で殺害されているのが見つかったというのだ。

 Thin Man 2

嫌疑がクライドにかかる中、何の手がかりもなく3ヵ月が過ぎるが、そこで第2の殺人事件が起こる。被害者はジュリアに関係のある男。ニッククライドの留守宅へ踏み込むが...

 Thin Man 3

1930年代から40年代にかけて大ヒットし、6作が制作されたシリーズの第1作。ミステリー作品ではあるものの、サスペンス感は希薄で、非常にユル~く、リラックスした雰囲気が流れているエンターテイメント作品。

 Thin Man 4

パウエルロイのコンビが、この映画の雰囲気にぴったりの、絶妙なコンビぶりを見せている。ロイは当時日本でも絶大な人気を誇っていた良妻賢母型の女優だった。  ⇒ 6/10点

 Thin Man 5

影なき男
The Thin Man (1934年・アメリカ)
監督: W.S. Van Dyke
キャスト: William Powell, Myrna Loy, Maureen O'sullivan, Nat Pendleton, Minna Gombell, Porter Hall ほか
上映時間: 92分


⇒ パウエル出演作「ミスタア・ロバーツ」(55年)感想

⇒ ロイ出演作「巨星ジーグフェルド」(37年)感想

⇒ オサリヴァン出演作「ハンナとその姉妹」(86年)感想

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ジキル博士とハイド氏 ~ ホラー映画の古典!

ホラー小説の古典、ロバート・ルイス・スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」の1931年の映画化作品。主演のフレドリック・マーチが、1932年のアカデミー賞で主演男優賞に輝いている。ホラー映画の主演男優がアカデミー賞に輝いたのは、1989年の「羊たちの沈黙」(アンソニー・ホプキンス)まで、本作のみであった。

      Jekyll Poster

全ての人間には、善と悪双方の面を持ち合わせているという考えに取りつかれている、有能な科学者であるジキル博士(マーチ)は、人間の持つその悪の面を解放させる薬を発明し、自らで人体実験を行う。

 Jekyll 1

薬の作用で、大酒飲みで女の後を追いまわすハイド氏と化したジキルは、毎晩のように夜の街に出没して騒ぎを起こすようになる。

 Jekyll 2

ハイド氏になった時の開放感を忘れられなくなったジキルは暴走し始めるが、そんなある夜、酒場にいた売春婦アイヴィー(ミリアム・ホプキンス)に目を付ける...

 Jekyll 3

これまで何度となく映画化されたものの中で、最も評価が高い作品。2度のアカデミー主演男優賞(もう一つは「我等の生涯の最高の年」(46年))に輝いた名優フレドリック・マーチを起用しているだけあって、善と悪に引き裂かれていく男の表現は見事。

 Jekyll 4

但し、当時としては画期的だったジキルからハイドに変わっていくシーンは、今の特撮技術に慣れた目から見ると、いささか古めかしく感じられ、それが残念... 監督は舞台でも活躍したルーベン・マムーリアン。  ⇒ 6/10点

 Jekyll 5

ジキル博士とハイド氏
Dr. Jekyll and Mr. Hyde (1931年・アメリカ)
監督: Rouben Mamoulian
キャスト: Fredric March, Miriam Hopkins, Rose Hobart, Holmes Herbert, Halliwell Hobbes, Edgar Norton, Tempe Pigott, Douglas Walton ほか
上映時間: 98分

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