未来を花束にして 〜 婦人参政権運動に立ち上がった普通の女性をキャリー・マリガンが好演!

20世紀初頭、イギリスで参政権を求めて立ち上がった女性たち=サフラジェットたちの生きざまを、イギリスの女性監督サラ・ガヴロンが実話を基に映画化したもの。2015年のテルライド映画祭でプレミエ上映された後、全米では10月に限定公開されている。

      Suffragette Poster

1912年のロンドン。夫サニー(ベン・ウィショー)、幼い息子ジョージの3人で生活しているモード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、サフラジェットとよばれていた、女性参政権運動の活動家の友人の代わりに公聴会に参加した事がきっかけで、低賃金で劣悪な労働環境でひたすら働いてきた、これまでの生き方に初めて疑問を持つ。

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その後WSPU(女性社会政治同盟)のリーダー、エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)の演説を聞いたり、過激な活動を展開するイーディス(ヘレナ・ボナム=カーター)と出会ったモードは、デモにも参加するなど運動にのめり込んでいく。

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しかし、警察にマークされるようになったモードは、活動を嫌った工場に解雇された上に、夫に一方的に離婚を言い渡され、最愛の息子とも引き離されてしまう…

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サフラジェットとは当時のイギリスで、女性参政権活動家に対して付けられた蔑称だそうだが、この映画では、名もなきサフラジェットたちの、平等な権利を求める闘いを誠実に描いた佳作。

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生活に疲れ果てた日々を送っていた女性が、同性の権利のための闘いに目覚めていく姿を、マリガンモードの内に秘めた芯の強さを見事に表現しながら演じ、印象的。彼女をボナム=カーターらがしっかりと支えている。 ⇒ 7/10点

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未来を花束にして
Suffragette (2015年・イギリス)
監督: Sarah Gavron
キャスト: Carey Mulligan, Helena Bonham Carter, Brendan Gleeson, Anne-Marie Duff, Ben Whishaw, Meryl Streep, Natalie Press, Romola Garai, Samuel West, Adrian Schiller, Morgan Watkins ほか
上映時間: 106分


マリガン出演作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13年)感想

ボナム=カーター出演作「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」(16年)感想

ストリープ主演作「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」(16年)感想オススメ!
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進撃の巨人 前篇・後篇 〜 人気漫画の実写映画化だが。。。

年末・年始に一時帰国した際に飛行機の中で観たのが、社会現象と成るほどのヒット漫画となった諫山創原作の「進撃の巨人」の前・後篇に分かれた実写映画化作品。監督は「シン・ゴジラ」(16年)樋口真嗣。日本では前篇が2015年8月、後篇は9月に全国公開され、共に公開週に興行ランキングのトップに立っている。

      Attack Poster

100年以上前に、突如出現した人間を捕食する巨人によって人類のほとんどが食べられてしまった世界。生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。少年の頃に両親と離別したエレン(三浦春馬)ミカサ(水原希子)も壁の内側で生まれ育ち、希望のない日々を過ごしていた。

 Titans 1


伝説となった巨人を一度も見たことのない彼らは、いつか壁の外の世界に行ってみたいと、壁の近くまで行っていたが、そんなある日、再び巨人が出現し、100年間壊されなかった壁がついに破壊されてしまう…

 Titans 3

公開時にかなりの酷評だったらしいこの2部作、例によって原作を読んだ事のない私は、映画が酷評されていた事も知らなかったのだが…

 Titans 2

人類の脅威となる巨人たちは、グロテスクで迫力十分なのだが、肝心の人間の登場人物たちのキャラクター描写が浅すぎ、しかもストーリー展開が妙に粗くて安易、残念ながら、見るに堪えないと言っていいほどのレベル。

 Titans 4

なにせ登場人物が多いので、キャラクターの掘り下げが浅くなるのはしょうがない面はあると思うのだが、三浦水原を始め、長谷川博己石原さとみら、旬の俳優を多数起用しているのが全く生かされていない…

  Titans 5

ハリウッドだったら、このレベルの大作であれば、脚本をもう少し練り上げるまで撮影開始しないだろうし、監督の名も傷つくので、リリースしないような気がするのだが、もう少し完成度を上げる事をせずに、なぜ安易にリリースしてしまったのだろうか(まあ、ハリウッドも製作過程で人の手が入り過ぎて、逆にストーリー展開が観客の望む方向でワンパターンに収束するという悪い傾向もあるのだが…)。

 Titans 6

原作で表現されている世界観が映画でも伝えられているかどうかは別にして、純粋に映画としてみても最近観た中では最も残念な出来でした…  ⇒ 前篇・後篇ともに4/10点

 Titans 7

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (前篇)
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド (後篇)
(2015年・日本)
監督: 樋口真嗣
キャスト: 三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼、渡部秀、水崎綾女、武田梨奈、神尾佑、高橋みなみ、諏訪太朗、橋本じゅん、仁科貴、原知佐子、村木よし子、草彅剛、緒川たまき、猪鼻ちひろ、八木さおり、犬童一心、上野耕路 ほか
上映時間: 前篇 98分・後篇 87分


⇒ 樋口監督、長谷川博己・石原さとみ 出演の「シン・ゴジラ」(16年)感想

⇒ 三浦春馬 出演作「永遠の0」(13年)感想 オススメ!

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ミストレス・アメリカ 〜 グレタ・ガーウィグ主演の青春映画

「イカとクジラ」(05年)ノア・バームバック監督「フランシス・ハ」(14年)に続き、「インディ映画の女王」からメジャーな存在になってきたグレタ・ガーウィグとタッグを組んだ青春コメディ。2015年のサンダンス映画祭でプレミエ上映された後、全米では8月に限定公開されている。日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなっている。

      Mistress America Poster

ニューヨークの名門女子大、バーナード・カレッジに入学したトレイシー(ローラ・カーク)だが、授業は退屈でルームメイトは敵意丸出しと、期待していた大学生活はことごとく期待外れ。

 Mistress 1

そんなある日、再婚が決まった母スティーヴィー(キャスリン・エルベ)から、将来の義理の姉、ブルック(ガーウィグ)を紹介され、都会的で自由な彼女にすっかり魅了される。

 Mistress 2

奔放なブルックに、ときに振り回されながらも、レストランをオープンさせるという夢に向かって突き進む彼女を見て、トレイシーも彼女をモデルに夢だった小説の執筆を始めるのだった…

 Mistress 3

大都会ニューヨークで、挫折を経験しながらも明るく夢を実現させようと生きている若い女性たちの姿を、深刻にならずに、軽やかにコメディ・タッチで描いた作品。

 Mistress 4

エルベガーウィグの二人が挫折を経験しながらも前に進んでいく若い女性を等身大で演じていて好印象なのだが、中高年のおっさんには当然といえば当然なのかも知れないのだが、ストーリーに感情移入しにくいのが残念。若い世代の観客層には共感を得られるのでは、とは思いました。  ⇒ 6/10点

 Mistress 5

ミストレス・アメリカ
Mistress America (2015年・アメリカ)
監督: Noah Baumbach
キャスト: Greta Gerwig, Lola Kirke, Heather Lind, Cindy Cheung, Jasmine Cephas, Matthew Shear, Kathryn Erbe, Michael Chernus ほか
上映時間: 84分


⇒ バームバック監督・ガーウィグ出演の「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」(09年)感想

⇒ ガーウィグ出演の「ジャッキー/ファーストレディ最後の使命」(16年)感想

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選挙の勝ち方教えます 〜 サンドラ・ブロックが選挙コンサルタントを熱演!

2005年に公開されたドキュメンタリー映画 "Our Brand is Crisis" を原作に、サンドラ・ブロック主演で映画化したもの。監督は脚本家でもあるデヴィッド・ゴードン・グリーン。2015年のトロント国際映画祭でプレミエ上映された後、全米では同年10月に公開され、公開週に興行ランキングの8位にランクインしている(トップは「オデッセイ」)。日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなった。

      Our Brand is Crisis Poster

大統領選挙戦の真っ只中の2002年のボリビア。選挙戦で劣勢に立たされていた候補の一人、ペドロ・カスティーヨ(ジョアキム・デ・アルメイダ)に雇われた選挙コンサルタントのジェーン(ブロック)は、6年前のとある選挙で敗戦してから「疫病神」という不名誉なあだ名で呼ばれていた。

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6年前の雪辱を果たそうと躍起になって活動するジェーンだったが、こともあろうに、対立候補側が雇ったコンサルタントはジェーンが苦手とするパット(ビリー・ボブ・ソーントン)

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ことあるごとにパットとぶつかり合いながらも、ジェーンは奇策を繰り出してカスティーヨの逆転当選を図るのだが…

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ラブコメで、負け組のキャリアウーマンを演じさせたら天下一品のサンドラ・ブロック、ここでも負け組の選挙コンサルタントを演じているのだが、今回はラブコメではないので、彼女の演技もシリアスさとコメディとの間でどっちつかずになってしまった感じで、持ち味を十分に発揮したとは言い難いものになってしまった。

 Brand 4

映画自体もコメディは明らかに志向していないものの、シリアスな映画にも成り切れていない感じで、やはり中途半な印象。せっかくのビリー・ボブ・ソーントンも、キャラクターが浅い感じでせっかくの起用を生かせていない。

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映画の中身は違うのだが、海外で活動する expat (駐在員)たちを主人公に据えているという点で、映画の雰囲気もティナ・フェイ主演の「アメリカン・レポーター」(16年)に似ている感じがした。他にアンソニー・マッキーアン・ダウドらが共演。  ⇒ 6/10点

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選挙の勝ち方教えます
Our Brand is Crisis (2015年・アメリカ)
監督: David Gordon Green
キャスト: Sandra Bullock, Billy Bob Thornton, Anthony Mackie, Joaquim de Almeida, Ann Dowd, Scoot McNairy, Zoe Kazan ほか
上映時間: 107分


⇒ ブロック主演作「ゼロ・グラビティ」(13年)感想傑作!!!

⇒ ソーントン出演作「アメリカン・レポーター」(16年)感想

⇒ マッキー出演作「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(16年)感想

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愛を積むひと 〜 北海道の美しい自然を舞台に描かれる静かな夫婦愛

アメリカの小説家エドワード・ムーニー・Jr.の小説「石を積むひと」を原作に、舞台をアメリカから北海道に移したヒューマンドラマで、「釣りバカ日誌」シリーズ「武士の献立」(13年)朝原雄三監督がメガホンを取っている。2015年の上海国際映画祭でプレミエ上映された後、日本で全国公開され、公開週に興行ランキングの6位にランクインしている。

     Pearls Poster

東京の下町で営んでいた工場を閉鎖し、残りの人生を北海道で過ごそうと美瑛町に移住してきた篤史(佐藤浩市)良子(樋口可南子)の夫婦。

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かつて外国人が暮らしていたという家を手に入れて暮らす二人だったが、それまで仕事一筋だった篤史はいきなり手持ちぶさたになってしまい、元気が無くなってしまう。そんな彼のために良子は、家を囲む石塀作りを頼むことにする。

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石塀作りを手伝う青年・(野村周平)とその恋人・ 紗英(杉咲花)とも交流するようになり、少しずつ元気を取り戻す篤史に安心する良子だったが、その矢先に良子の持病の心臓病が悪化してしまう…

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北海道の美しい自然を背景に展開される夫婦愛・家族愛を描いたヒューマン・ドラマ。北海道の自然の独特な美しさを良く捉えた映像が美しく、それだけでも映画に引き込まれるし、佐藤浩市樋口可南子の落ち着いた演技から醸し出される静かな夫婦愛の表出も好ましい。

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野村周平杉咲花のコンビもフレッシュさが出ているし、全体に良く出来た作品だと思うが、もう少し強いドラマ性があったらなお良かったのではないかと思いました。少し掘り下げ方が浅い気が。。。 他に夫婦の娘役で北川景子紗英の両親役で柄本明吉田羊が出演。  ⇒ 7/10点

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愛を積むひと
(2015年・日本)
監督: 朝原雄三
キャスト: 佐藤浩市、樋口可南子、野村周平、杉咲花、北川景子、柄本明、吉田羊、森崎博之 ほか
上映時間: 125分


⇒ 朝原雄三監督の前作「武士の献立」(13年)感想

⇒ 佐藤浩市主演作「人類資金」(13年)感想

⇒ 野村周平出演作「ちはやふる -上の句-」(16年)感想

⇒ 杉咲花出演作「湯を沸かすほどの熱い愛」(16年)感想

⇒ 柄本明出演作「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」(14年)感想

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