海難 1890 〜 感動的な史実を映画化

日本トルコ友好125周年を記念して、両国の長年にわたる友好関係を象徴する2つの史実を取り上げて、「サクラサク」(14年)田中光敏監督が映画化したもの。日本では2015年12月に全国公開され、公開週に興行ランキングの4位にランクインしている(トップは「007 スペクター」)。

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1890年、オスマン朝トルコから日本へ派遣された親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号だが、和歌山県串本町沖で座礁し、沈没してしまう。

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乗組員500人の大半が海に投げ出されて命を失うが、医師の田村(内野聖陽)やその助手のハル(忽那汐里)ら町民の懸命の救助活動により、ムスタファ大尉(ケナン・エジェ)ら69名が救助される…

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イラン・イラク戦争さなかの1985年のテヘラン。イラク軍のミサイル攻撃により、危険が高まる中、在留邦人たちはテヘランから脱出するために空港へ向かうが、日本航空自衛隊も救援機を差し向ける事がかなわない状況にある事が判明する。

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現地の状況が危険過ぎるとの理由で日本政府が救援機の派遣をためらう中で、トルコ政府が日本人救出のために、救援機を派遣する事を決めるのだった…

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世界三大親日国の一つと言われるトルコ。そのトルコ日本との友好関係が確立するきっかけとなった1890年の「エルトゥールル号海難事故」と、それから100年近く経った1985年にあった「テヘラン邦人救出劇」の2部で構成されている作品。

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その二つで描かれている日本・トルコの一般の人たちの無私の精神、それによって両国の人々たちの心が通い合う様を見るのはやはり感動的!

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史実をしっかりと伝えることに主眼が置かれたためか、映画作品としてみると、物足りなさが残るのだが、やはり史実の重みには圧倒される。二つのストーリーに忽那汐里ケナン・エジェが出演しているのが、異なる時代の橋渡し的存在にも感じられ、象徴的。  ⇒ 7/10点

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海難1890
(2015年・日本/トルコ)
監督: 田中光敏
キャスト: 内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイ、小澤征悦、宅間孝行、大東駿介、渡部豪太、徳井優、小林綾子、螢雪次朗、かたせ梨乃、川野直輝、三輪ひとみ、斉藤とも子、池谷のぶえ、みのすけ、辻本祐樹、金子昇、高田敏江、上田耕一、夏川結衣、永島敏行、竹中直人、笹野高史 ほか
上映時間: 132分
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ギャラクシー街道 〜 時々大きく外すのが三谷幸喜らしい!

三谷幸喜監督による最新作は、初のSFコメディー。木星のそばに作られた人工居住区「うず潮」と地球を結ぶギャラクシー街道沿いにある、とある飲食店に集まる異星人たちが織りなす物語を、綾瀬はるか香取慎吾を始めとするオールスター・キャストで描いている。日本では2015年10月に全国公開されている。

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西暦2265年、木星のそばに作られた人工居住区「うず潮」は、ギャラクシー街道と呼ばれる宇宙幹線道路で地球と結ばれていた。開通後150年が経ち、老朽化が目立ってきた街道沿いで、ノア(香取)ノエ(綾瀬)の夫婦とパートタイムのハナ(大竹しのぶ)で営業しているハンバーガー・ショップが、サンドサンドバーガー・コスモ店

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この店には、様々な星からそれぞれに事情を抱えた異星人たちが集まってくるのだが…

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大河ドラマ「真田丸」をはじめ、テレビ・ドラマではことごとくヒットを生み出している三谷幸喜監督だが、映画となると、不思議な事にわざとやっているのではないかと思うほど、外した作品を生み出す事がある。この作品はその中でも最たるもの、といった感じ。

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三谷作品らしいオールスター・キャストで、それぞれの俳優たちが肩の力を抜いて個性的な宇宙人役を嬉々として演じているのは伺えるのだが、見ている方にとっては、それが全然面白くないという不思議な作品。

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両性具有の宇宙人メンデスを演じる遠藤憲一の出産シーンなど、なりふり構わぬ怪演なのだが、それが空回りしているのが、ちょっと悲しい。。。 他に出演は、小栗旬山本耕史優香西田敏行ら。 ⇒ 4/10点

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ギャラクシー街道
(2015年・日本)
監督: 三谷幸喜
キャスト: 香取慎吾、綾瀬はるか、大竹しのぶ、遠藤憲一、小栗旬、優香、梶原善、西田敏行、山本耕史、浅野和之、秋元才加、阿南健治、段田安則、西川貴教、石丸幹二 ほか
上映時間: 109分


⇒ 三谷監督作品「清須会議」(13年)感想

⇒ 香取慎吾 出演作「人類資金」(13年)感想

⇒ 綾瀬はるか 主演作「万能鑑定士Q ーモナリザの瞳ー」(14年)感想

⇒ 大竹しのぶ 主演作「一枚のハガキ」(10年)感想

⇒ 遠藤憲一 出演作「ツナグ」(12年)感想オススメ!

⇒ 小栗旬 主演作「ルパン三世」(14年)感想

⇒ 優香 主演作「体脂肪計タニタの社員食堂」(13年)感想オススメ!

⇒ 西田敏行 出演作「武士の献立」(13年)感想

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ザ・ウォーク 〜 ロバート・ゼメキス監督が描くスリリングな綱渡り!

1974年にニューヨークワールド・トレード・センターでの空中綱渡りを敢行したフランス人、フィリップ・プティを描いたロバート・ゼメキス監督による実録ドラマ。2015年のニューヨーク映画祭でプレミエ上映された後、全米で限定公開され、上映館数が拡大された公開2週目に興行ランキングの7位にランクインしている(トップは「オデッセイ」)。

       The Walk

1974年、フランス・パリの街角で歌を歌いながら生計を立てているアニー(シャルロット・ルボン)は、大道芸人のフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と出会う。

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伝説の綱渡り師、パパ・ルディ( ベン・キングズリー)に綱渡りを教わりながら、大道芸人として誰もが成し得なかったような大きな事をしたいと夢見るフィリップは、とうとう、ニューヨークの超高層ビル、ワールド・トレード・センターの2つのビルの間を綱渡りで渡ると言う、奇想天外な事を考えつく…

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2011年9月の同時多発テロで崩壊してしまったワールド・トレード・センター。1973年の竣工直後に2つのビル間にワイヤー・ロープを張り、綱渡りを決行した男がいたなんて事は、この映画を見るまでは実は知らなかった。

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 実際のフィリップ・プティ

このプティと、彼の計画実行を支えた人たちの破天荒な物語を、ゼメキス監督は、スリリングに描いていく。地上417メートルのビルの屋上から、命綱もつけずに綱渡りを行うなんて、尋常な神経では考えられないのだが(風も強かったはずなのに!)、破天荒さもここまで来ると、痛快に思えてくるから不思議。

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プティ役のゴードン=レヴィット、どことなく軽やかな雰囲気が漂う役者さんだが、彼の演技が映画全体にも一種の軽やかさを醸し出していて、綱渡りをテーマにしたこの映画にピッタリな感じだった。ゼメキス監督らしい、エンターテイメント性とスリルを上手に組み合わせた作品!  ⇒ 7/10点

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ザ・ウォーク
The Walk (2015年・アメリカ)
監督: Robert Zemekis
キャスト: Joseph Gordon-Levitt, Charlotte Le Bon, Ben Kingsley, Clément Sibony, James Badge Dale, César Domboy, Ben Schwartz, Benedict Samuel, Steve Valentine ほか
上映時間: 123分


⇒ ゼメキス監督の前作、「フライト」(12年)感想太鼓判!!

⇒ ゴードン=レヴィット主演作「LOOPER/ルーパー」(12年)感想オススメ!

⇒ ルボン出演作「マダム・マロリーと魔法のスパイス」(14年)感想オススメ!

⇒ キングスレー出演作「ディクテーター」(12年)感想

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杉原千畝 スギハラチウネ 〜 史実は感動的だが映画の方は?

第2次世界大戦中、リトアニア領事代理として日本政府の指示に従わず、多くのユダヤ人難民に日本への入国ビザを発給し、彼らの命を救った杉原千畝の波乱に満ちた半生を映画化したもの。日本では、2015年12月に全国公開され、公開週に興行ランキングの2位にランクインしている。

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1935年、満洲国外交部に諜報員として活動していた杉原千畝(唐沢寿明)は高い語学力と情報網を武器に、ソ連との北満鉄道譲渡交渉を穏便に成立させようと奔走していたところ、南川欽吾(塚本高史)関東軍の横やりに遭い、憤慨のあまり辞表を提出して日本に帰国する。

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その後念願の在モスクワ日本大使館への赴任を命じられた杉原だったが、満州での出来事から彼を警戒するソ連に入国を拒否されてしまう。落胆して友人の菊池静男(板尾創路)とヤケ酒を飲んだ彼はその夜、菊池の家に泊まるが、そこで菊池の妹・幸子(小雪)と出会い、彼女と結婚する事になる。

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その後ヘルシンキの日本大使館を経てリトアニア・カウナスの日本領事館へ領事代理として赴任した杉原は、同地で情報を収集し激動のヨーロッパ情勢を日本に発信し続けていたが、とうとう第2次世界大戦が勃発してしまう…

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「日本のシンドラー」と呼ばれ、第2次世界大戦中に6,000人ものユダヤ人の命を救った杉原千畝の半生を描いた「サイドウェイズ」(09年)チェリン・グラック監督の作品で、どんな状況でも自分の信念を貫き通した杉原の足跡が丹念に綴られていく。

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オスカー・シンドラーが助けた1,000人のユダヤ人を大きく上回る人を助けた杉原だが、映画自体は展開が間延びしていて、史実の割には、話が盛り上がらない印象。「サイドウェイズ」は面白い映画だっただけに、これは少し残念。「シンドラーのリスト」((93年)アカデミー賞の栄冠に輝いたスピルバーグが監督したらどうなっていただろうか。でも、実際の話は感動的なので、それなりに感動しました。  ⇒ 7/10点

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杉原千畝 スギハラチウネ
(2015年・日本)
監督: チェリン・グラック
キャスト: 唐沢寿明、小雪、ボリス・スジック、アグニシュカ・グロコウスカ、ミハウ・ジュラフスキ、ツェザリ・ウカシェヴィチ、塚本高史、濱田岳、二階堂智、板尾創路、滝藤賢一、石橋凌、小日向文世、アンナ・グリチェヴィチ、ズビグニェフ・ザマホフスキ、アンジェイ・ブルメンフェルド、ヴェナンティ・ノスル、マチェイ・ザコシチェルニ ほか
上演時間: 139分


⇒ グラック監督の「サイドウェイズ」(09年)感想太鼓判!!

⇒ 小雪 出演の「ALWAYS 三丁目の夕日 ’64」(11年)感想

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ティエリー・トグルドーの憂鬱 〜 現在のフランスの「憂鬱」を映し出す社会派ドラマ

「母の身終い」(12年)ステファーヌ・ブリゼ監督ヴァンサン・ランドンを主演に迎えて制作した社会派ドラマ。2015年のカンヌ国際映画祭でプレミエ上映されランドン主演男優賞を獲得。米国では2016年4月に限定公開されている。

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長年勤めていた会社をリストラされてしまったティエリー(ランドン)(カリーヌ・ド・ミルベック)と障害を抱える息子(マチュー・シャレール)を養わなければならない彼は、プライドもかなぐり捨て、必死に職探しをするが、中高年の彼を採用してくれる企業はなかなか見つからない…

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1年半以上にも及ぶ職探しの結果、ようやくありつけた職が、スーパーマーケットの監視員の仕事だが、それは、客だけでなく同僚たちの不正も監視し、会社に報告する役目でもあった…

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本国フランスで大ヒットしたステファヌ・ブリゼ監督の作品は、リストラされた一人の中年男性の姿を通じて、現在のフランス社会の一つの断面を、決してセンセーショナルとせず、むしろ淡々と描き進めていく。

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これまで自分が築き上げてきたと思っていたキャリアやスキルは全く評価されず、家族を養うために、止むを得ず望まぬ職を受け入れるティエリー。それは、客であるか身内の従業員であるかに関係なく、自分と変わらぬ境遇にある人々の小さな不正を容赦なく告発する仕事。自分の中に湧き上がってくる割り切れない思いを秘めながらも淡々と仕事をこなしていく男の姿をランドンが気負いなく、現実感たっぷりに演じていて印象的。

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社会派ドラマとして、なかなか優れた作品だと思うが、見終わって救いを感じないのが難点。そういう意味では邦題通りなのだが…  ⇒ 7/10点

ティエリー・トグルドーの憂鬱
La Loi du Marche (2015年・フランス)
監督: Stephane Brize
キャスト: Vincent Lindon, Karine de Mirbeck, Matthieu Schaller, Yves Ory, Xavier Mathieu, Noel Mairot, Catherine Saint-Bonnet ほか
上映時間: 92分

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