ラビング 愛という名前のふたり 〜 平凡な夫婦の、歴史を変えた闘い

米国において、異人種間の結婚を禁止した法律が変わるきっかけとなった実在の夫妻の闘いを描いた作品。監督は「テイク・シェルター」(11年)「MUD -マッド-」(12年)で注目された新鋭のジェフ・ニコルズ。2016年のカンヌ映画祭でプレミエ上映され、絶賛された後、全米では11月に限定公開されている。今年のアカデミー賞では、ルース・ネッガ主演女優賞にノミネートされたが、受賞はならなかった。

      Loving Poster

1958年のアメリカ。大工をしている白人青年、リチャード・ラビング(ジョエル・エドガートン)は、恋人の黒人女性ミルドレッド(ネッガ)が妊娠した事をきっかけに、彼女と結婚する事を決断。彼らが住んでいたバージニア州では、当時異人種間の結婚は違法とされていたため、二人は結婚が許容されている隣のワシントンD.C.で婚姻届を出す事に。

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こうして結婚した二人はバージニア州で新婚生活をスタートさせるが、ある日夜中に突然町の保安官ブルックス(マートン・チョーカシュ)が現れ、二人は州の法律に違反したとして逮捕されてしまう。

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離婚するか、他州に移り住んで25年間はバージニア州に戻ってこないかの選択を迫られた彼らは、やむなく親兄弟と別れ、ワシントンD.C. に移り住むのだが、次第に家族と離れて都会の狭いアパートに住むのが耐えられなくなり、二人は故郷で住む権利を求めて州を提訴するのだった…

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1958年のアメリカ。この時代は、キング牧師に主導された公民権運動が高まりを見せていた頃なのだが、その一方で、ごく平凡な夫婦が、当然の権利を求めて、静かな闘いを挑んでいた事は、この映画を観て初めて知った。

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二人は、キング牧師のような理想や思想をことさら持っているわけではなく、自分たちの権利を声高に主張する事もなく、静かに、粘り強く闘いを続けていく。そんなラビング夫妻エドガートンネッガの二人が静かに、素晴らしく演じている。

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そして1967年6月、最高裁まで行った彼らの訴えは、遂に認められる事になる。この事実は感動的ではあるが、映画としては、少し起伏がない感じなのが残念。他に彼らを取材するライフ誌のカメラマン、グレイ・ヴィレット役でマイケル・シャノンが出演。  ⇒ 7/10点

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 実際のラビング夫妻

ラビング 愛という名前のふたり
Loving (2016年・アメリカ)
監督: Jeff Nichols
キャスト: Ruth Negga, Joel Edgerton, Michael Shannon, Marton Csokas, Nick Kroll, Terri Abney, Alano Miller, Jon Bass, Bill Camp, David Jensen, Sharon Blackwood, Christopher Mann, Winter-Lee Holland, Michael Abbott Jr., Chris Greene, Will Dalton ほか
上映時間: 123分


⇒ 「MUD -マッド-」(12年)感想オススメ!

⇒ エドガートン出演作「エクソダス:神と王」(14年)感想

⇒ シャノン出演作「マン・オブ・スティール」(13年)感想太鼓判!!
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ザ・コンサルタント 〜 ベン・アフレックが2つの顔を持つ凄腕暗殺者を熱演!

ベン・アフレックが裏社会で活躍する暗殺者を演じるアクション映画。全米では2016年10月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立っている。

      Accountant Poster

小さな町で平凡な会計士として働くクリスチャン(アフレック)は、その裏では、多くの犯罪組織の帳簿を管理し、"The Accountant" という名で知られる存在で、しかも凄腕の暗殺者でもあった。財務省金融犯罪対策室長レイ・キング(J・K・シモンズ)は、長年彼の正体を突き止めることに執念を燃やしていた。

 Accountant 1

そんなある日、クリスチャンはある大手ロボット製造会社から財務調査の依頼を受け、会社の経理部員のダナ(アナ・ケンドリック)の助けを借りて、一夜で巧妙に隠蔽された不正を見抜く。

 Accountant 2

ところが、不正の存在を否定した財務担当副社長のチルトン(アンディ・アンバーガー)がその晩不審な死に方をし、依頼主のブラックバーン社長(ジョン・リスゴー)は依頼を取り下げるのだった。納得のいかないクリスチャンだったが、その日から、彼は何者かに命を狙われるようになる…

 Accountant 3

田舎町のしがない会計士だが、その実は天才的な頭脳の持ち主で、しかも凄腕の暗殺者という、なかなか魅力的なキャラクターをベン・アフレックがストイックに演じていて、特に物語がミステリアスに展開していく前半は、アクションとサスペンスのバランスも良く、なかなか見応えがある。

 Accountant 4

ところが後半に入って、前半の謎を分かりやすく解き明かすためか、展開が説明口調になっていき、悪人との対決シーンも割合あっけなく終わってしまうのが少し興ざめな感じ。前半の出来は快調だったのだがその点が残念。また、邦題もなぜコンサルタントにしたのか良く分からない。コンサルタントと会計士では全然違うのだが。。。他の出演は、アフレックを付け狙う殺し屋役(その実は?)にジョン・バーンサル⇒ 7/10点

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ザ・コンサルタント
The Accountant (2016年・アメリカ)
監督: Gavin O'Connor
キャスト: Ben Affleck, Anna Kendrick, J.K. Simmons, Jon Bernthal, Jake Presley, Jeffrey Tambor, Cynthia Addai-Robinson, John Lithgow, Jean Smart, Seth Lee, Andy Umberger, Alison Wright ほか
上映時間: 128分


⇒ アフレックがバットマンを演じた「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(16年)感想

⇒ ケンドリック主演のヒット・ミュージカル第2弾「ピッチ・パーフェクト2」(16年)感想

⇒ シモンズ出演作「ラ・ラ・ランド」(16年)感想

⇒ リスゴーが老ゲイ役で主演した「人生は小説よりも奇なり」(14年)感想

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インフェルノ 〜 「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの映画化第3弾!

世界的ベストセラーとなったダン・ブラウンの推理小説「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの、「天使と悪魔」(09年)以来7年ぶりとなる映画化第3弾。主演のトム・ハンクスロン・ハワード監督のコンビは第1作「ダ・ヴィンチ・コード」(06年)以来変わらず。2016年10月に、今回の舞台の一つとなったイタリア・フィレンツェにてプレミエ上映された後、同月に全米公開され、公開週に興行ランキングの2位(1位は "Boo! A Madea Halloween") にランクインしている。

      Inferno Poster

怪我を負い、記憶を喪失した状態で病院に運び込まれたロバート・ラングドン(ハンクス)。病室で目覚めた彼だが、突然何者かに襲われ、間一髪のところを医師のシエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)に救われる。

 Inferno 1

正体不明の追っ手から逃れながら、二人は人口増大問題の最終解決を提起している生物学者ゾブリスト(ベン・フォスター)が、自らの命と引き換えに、人類に壊滅的な打撃を与える事のできるウィルスを拡散するバイオ・テロを目論んでいた事を知る。

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二人は、未曾有の危機を阻止するために、ゾブリストダンテの「神曲」の「地獄篇」に隠した糸口の解明に挑むのだが…

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ご存知世界的ベストセラーとなった「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの第3弾、何しろ前作の「天使と悪魔」から7年経っているので、ラングドン役のトム・ハンクスもちょっと歳をとった感じに見えるのは致し方ない。

 Inferno 4

そのハンクスが、今が旬のフェリシティ・ジョーンズに引っ張られて、フィレンツェからヴェネツィア、はてはイスタンブールと縦横無尽に目まぐるしく動き回りながら謎を解くべく奮闘している様は、思わずご苦労様、と言いたくなる感じ。

 Inferno 5

ダン・ブラウンの原作は、時として歴史についての薀蓄が延々と語られることに辟易とするところもあるのだが、映画だとそうした部分が省かれるので、好ましい面もある。この作品も、謎解きとソフトなアクションをうまく組み合わせた作品になっていると思うのだが、何となく体温が低い(盛り上がりに欠ける)映画のように感じられるのはなぜだろうか。。。 他の出演は「最強のふたり」(11年)オマール・シー「ジュラシック・ワールド」(15年)イルファーン・カーンら。  ⇒ 6/10点

 Inferno 6
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インフェルノ
Inferno (2016年・アメリカ)
監督: Ron Howard
キャスト: Tom Hanks, Felicity Jones, Irrfan Khan, Ben Foster, Omar Sy, Sidse Babett Knudsen, Ana Ularu ほか
上映時間: 121分


⇒ ハワード監督が描く迫力のF1映画「ラッシュ/プライドと友情」(13年)感想太鼓判!!

⇒ ハンクス主演作「ハドソン川の奇跡」(16年)感想傑作!!!

⇒ ジョーンズ主演作「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(16年)感想 〜 オススメ!

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ジェイソン・ボーン 〜 人気スパイ・アクション映画シリーズの第5弾!

マット・デイモン主演の人気スパイ・アクション映画シリーズの第5弾。前作の「ボーン・レガシー」(12年)では、シリーズの第2•3作を手がけたポール・グリーングラス監督が降板した余波で、デイモンも出演を拒否したため、ジェレミー・レナー主演のスピンオフ作品として製作する事を余儀なくされたが、今回はグリーングラス監督・デイモンがめでたく復帰し、シリーズ本来の姿に戻っている。全米では、2016年7月に公開され、公開週に興行ランキングのトップに立った。

      Jason Bourne Poster

CIA が極秘に進めていた「ブラックブライアー」計画を白日の下に晒した後、地下格闘技で生活費を稼ぎながらひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーン(デイモン)

 Bourne 1

そんな彼の前に、CIA で同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が姿を現し、ボーンの過去にまつわるある事実を告げる。

 Bourne 2

彼女はボーンに、CIA が世界中を監視下に置き、彼らの意のままに操ることを目的にした極秘プログラムを開発中である事も打ち開けるのだが、その最中に射殺されてしまう。CIA の野望を阻止するために、再び動き出すボーンだが、一方で、CIA長官デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)の意を受け、CIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)ボーンの追跡を開始するのだった…

 Bourne 3

前作「ボーン・レガシー」は、ジェレミー・レナーの活躍で、それなりの作品になっていたが、やはりマット・デイモンが登場しないと、このシリーズではない!

 Bourne 4

デイモンと共に復帰したグリーングラス監督は、第3作から10年経って変化した世界情勢を巧みに織り込みながら、このシリーズらしい少しストイックな雰囲気をきっちりと再現している。

 Bourne 5

トミー・リー・ジョーンズアリシア・ヴィキャンデルも、シリーズのイメージに沿った冷徹な演技でしっかりと盛り立てているが、最後の対決シーンは迫力不足であっさりと終わってしまう印象で少し拍子抜け。 他に殺し屋役でヴァンサン・カッセルが出演。 ⇒ 6/10点

 Bourne 6

ジェイソン・ボーン
Jason Bourne (2016年・アメリカ)
監督: Paul Greengrass
キャスト: Matt Damon, Alicia Vikander, Tommy Lee Jones, Vincent Cassel, Julia Stiles, Riz Ahmed, Ato Essandoh, Scott Shepherd, Bill Camp, Vinzenz Kiefer, Gregg Henry, Stephen Kunken ほか
上映時間: 123分


⇒ 前作「ボーン・レガシー」(12年)感想

⇒ グリーングラス監督の前作「キャプテン・フィリップス」(13年)感想太鼓判!!

⇒ デイモン主演作「オデッセイ」(15年)感想傑作!!!

⇒ ヴィキャンデル出演作「リリーのすべて」(15年)感想

⇒ トミー・リー・ジョーンズ出演作「終戦のエンペラー」(13年)感想

⇒ カッセル出演作「トランス」(13年)感想

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スーサイド・スクワッド 〜 DCコミックスの悪役が勢ぞろいしたが…

DCコミックスに登場する悪役たちで結成された特殊部隊が、悪に立ち向かっていく姿を描いた異色のアクション映画。監督は「エンド・オブ・ウォッチ」(12年)で注目されたデヴィッド・エアー。全米では2016年8月に公開され、批評家からの評価は低かったものの、公開週より3週連続で興行ランキングのトップに立つ大ヒット作となった。

      Suicide Squad Poster

スーパーマンが死亡し、迫り来る世界崩壊の危機を前に、米国政府の高官アマンダ・ウォーラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、凄腕の殺し屋デッドショット(ウィル・スミス)ジョーカー(ジャレッド・レト)の恋人で元精神科医のハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、元ギャングのエル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)ら、死刑や終身刑になってベルレーブ刑務所に服役していた犯罪者を結集し、減刑と引き換えに、悪と対決させる特殊部隊スーサイド・スクワッドを結成する。

 Suicide 1

命令に背いたり、任務に失敗すると作動する自爆装置を埋め込まれた彼らは、リック・フラッグ大佐(ジョエル・キナマン)の指揮の下、魔女のエンチャントレスに取り憑かれてしまい、世界征服を企む考古学者のジューン・ムーン博士(カーラ・デルヴィーニュ)と対決する事に…

 Suicide 2

アメコミのヒーローたちを主人公にした映画が全盛のアメリカ映画界、それだけでは飽きられると思ったのか、最近はアンチヒーロー的な存在を主人公にした「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(14年)「デッドプール」(16年)などが公開されているが、本作もその流れに乗った作品。

 Suicide 3

DCコミックス選りすぐりのアクの強いキャラクターが活躍する本作、その中でもひときわ異彩を放っているのが、ハーレイ・クインを演じるマーゴット・ロビージョーカーを演じるジャレット・レト。特にロビーは従来のイメージからは考えられないぶっ飛びぶり!

 Suicide 4
 Suicide 5

但し、この二人の演技を覗くとストーリーは意外に平凡で、主演格のウィル・スミスも精彩を欠く感じ。思い切りハメを外した映画にした方が、これらのキャラクターが生きたのではないだろうか?鬼才エアーの作品としてはちょっと残念な出来。  ⇒ 5/10点

 Suicide 6

スーサイド・スクワッド
Suicide Squad (2016年・アメリカ)
監督: David Ayer
キャスト: Will Smith, Margot Robbie, Jared Leto, Viola Davis, Joel Kinnaman, Jai Courney, Jay Hernandez, Adewale Akinnuoye-Agbaje, Cara Delevingne, Karen Fukuhara, Ike Barinholtz, Scott Eastwood, Adam Beach ほか
上映時間: 123分


⇒ エアー監督の前作「フューリー」(14年)感想

⇒ スミス主演作「コンカッション」(15年)感想

⇒ ロビー出演作「アメリカン・レポーター」(16年)感想

⇒ デイヴィス出演作「エンダーのゲーム」(12年)感想

⇒ レトのアカデミー助演男優賞受賞作「ダラス・バイヤーズクラブ」(13年)感想オススメ!

⇒ キナマン出演作「ラン・オールナイト」(15年)感想

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