グレートウォール 〜 チャン・イーモウ監督の破天荒な歴史アクション大作!

「HERO」(02年)などで知られる中国チャン・イーモウ監督ハリウッドに進出して製作した、万里の長城を舞台にした歴史アクション大作。アンディ・ラウマット・デイモンら、香港と米国を代表するスターが結集した国際色豊かなキャスティングが話題となった。中国で2016年12月に先行公開された後、全米では今年2月に公開され、公開週に興行ランキングの3位にランクインしている。

      Great Wall Poster

雇用主を求めて世界中を旅しているウィリアム(デイモン)ら20数名の傭兵部隊は、シルクロードを通過中に、中国国境付近で馬賊から攻撃を受けた上に、謎の怪物にも襲われる。

 Wall 1

かろうじて生き残ったウィリアムトバール(ペドロ・パスカル)は、ほうほうの体で楚軍が守る万里の長城にたどり着き、守備軍を率いるワン将軍(ラウ)に許され、彼らの仲間に加わる事に。

 Wall 2

自分たちを襲った怪物は饕餮(とうてつ)という生き物で、60年ごとにやってくる襲撃から守るために万里の長城が築かれた事を知る。彼らと長城に居合わせたバラード(ウィレム・デフォー)は、ワンやその配下の武将リン・メイ司令官(ジン・ティエン)と共に、饕餮の襲撃を迎え撃つ事を決意するのだが…

 Wall 3

チャン・イーモウ監督ハリウッド進出第1作は、万里の長城と想像上の怪物を組みわせた奇想天外の大作に。長城を舞台に繰り広げられるバトルはハリウッドらしく派手。主力部隊は真っ青な甲冑に身を包んで宙を舞う女性兵士軍団なのだが、発想は面白いかもしれないが、大挙して押し寄せる怪物を退治するには少し迫力不足(笑)?

 Wall 4

「紅いコーリャン」(87年)チャン・ツィーイーを世に出した「初恋のきた道」(99年)のようなしっとりした作品から、米国でも大ヒットを記録した「HERO」「LOVERS」(04年)のようなアクション大作へと作風が大きく変化した感のあるイーモウ監督だが、このハリウッド第1作ではその路線をさらに大きく推し進めている印象。

 Wall 5

そうは言っても、アメリカ人監督の作品とは一風異なる独特な感性も感じられるのだが、ストーリーの底が浅く、見終わってもあまり印象に残らない感じ。この先イーモウ監督ハリウッドでどのような映画を作っていくのだろうか。  ⇒ 6/10点

 Wall 6

グレートウォール
The Great Wall (2016年・中国/アメリカ)
監督: Zhang Yimou
キャスト: Matt Damon, Andy Lau, Tian Jing, Willem Dafoe, Pedro Pascal, Zhang Hanyu, Eddie Peng, Lu Han, Kenny Lin, Wang Junkai, Zheng Kai, Huang Xuan, Cheney Chen ほか
上映時間: 103分


⇒ 圧倒的な映像美で魅せる「HERO」(02年)感想太鼓判!!

⇒ デイモン主演、おなじみのシリーズ最新作「ジェイソン・ボーン」(16年)感想

⇒ デフォー出演作「ジョン・ウィック」(14年)感想
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スプリット 〜 M・ナイト・シャマランの本領発揮のスリラー!

鬼才M・ナイト・シャマラン監督が製作・脚本もこなした最新スリラー。2016年9月のファンタスティック・フェストにてプレミエ上映された後、全米では今年1月に公開され、公開週から3週連続で興行ランキングのトップに立つ大ヒット作となった。

      Split Poster

高校生のケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)・マルシア(ジェシカ・スーラ)・クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)は、クレアの誕生パーティーの帰り、見知らぬ男(ジェームズ・マカヴォイ)に拉致され、密室に監禁されてしまう。

 Split 1

しかもこの正体不明の男の中には、神経質な男、人当たりの良い青年、エレガントな女性、9歳の少年など、なんと23人もの人格が潜んでいる世にも稀な多重人格者であった…

 Split 2

出世作「シックス・センス」(99年)以降、失敗作が続いていたシャマラン監督だが、前作「ヴィジット」(15年)の辺りから、昔のキレを取り戻したようで、本作も23人の多重人格者と女子高生3名が対決するという、斬新なストーリーに、巧みにスリラーとホラー映画の要素を織り込むなど、鬼才ぶりを遺憾なく発揮している。

 Split 3

とにかく23プラス1?の人格を演じ分けたマカヴォイの演技が際立っていて、映画を最後まで引っ張っている。彼と果敢に対決するヒロインのテイラー=ジョイも印象的。シャマラン監督へのインタビューでは、自分の子供が小さかった時は、ホラーものなどは避け、SFやファンタジー映画を意識して手掛けていたらしく、子供も大きくなったので、スリラーやホラーものに回帰したとの事。この作品を観ると、すっかりシャマラン節が戻ったようで、今後もどのような映画を作ってくれるのか、楽しみ!  ⇒ 7/10点

 Split 4

なお、最後の場面でブルース・ウィリスがカメオ出演している!

 Split 5

スプリット
Split (2016年・アメリカ)
監督: M. Night Shyamalan
キャスト: James McAvoy, Anya Taylor-Joy, Haley Lu Richardson, Jessica Sula, Betty Buckley, Brad William Henke, Sebastian Arcelus, Neal Huff, Kim Director, Lyne Renee, Bruce Willis ほか
上映時間: 117分


⇒ シャマラン監督の前作「ヴィジット」(15年)感想

⇒ マカヴォイ出演作「X-MEN: アポカリプス」(16年)

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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 〜 さすがのトム・クルーズも空回り…

トム・クルーズ主演でリー・チャイルドの小説を映画化したアクション・シリーズの第2作。全米では2016年10月に公開され、公開週に興行ランキングの2位にランクインしている(トップは "Boo! A Madea Halloween")。

      Never Go Back Poster

かってはアメリカ軍の優秀な秘密捜査官だったものの、今では町から町へと渡り歩くさすらいの生活を送っているジャック・リーチャー(クルーズ)。ある店でトラブルに巻き込まれたと見せかけて、秘密人身売買組織の摘発に成功する。実は、彼は後輩のスーザン・ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)と連携して、組織の摘発に動いていたのだった。

 Reacher 1

ところが、ターナーは、彼女がアフガニスタンに派遣していた秘密捜査員の暗殺事件に関わった疑いをかけられて、逮捕されてしまう。軍刑務所からターナーを助けたリーチャーは、彼女とリーチャーの娘と名乗るサマンサ(ダニカ・ヤロシュ)と3人で、軍の内部でうごめく陰謀を暴くべく、行動を開始する…

 Reacher 2

今年55歳になるトム・クルーズが、相変わらずスタントマン抜きの生身のアクションで奮闘するシリーズ第2弾。クルーズの奮闘ぶりは立派なのだが、今回は脚本(特にセンスのない会話シーン!)がお粗末過ぎて、一向に映画が盛り上がらない。老体に鞭打ってのクルーズのアクションも何やら痛々しい雰囲気が漂ってくる…

 Reacher 3

娘役のヤロシュも素人っぽさ濃厚の演技で、コミカルなやり取りになるはずのクルーズとの父娘の掛け合いもいかにもギクシャクしている。もう少しまっとうな共演陣・脚本じゃないと、クルーズがかわいそう!  ⇒ 5/10点

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
Jack Reacher Never Go Back (2016年・アメリカ)
監督: Edward Zwick
キャスト: Tom Cruise, Cobie Smulders, Aldis Hodge, Danika Yarosh, Robert Knepper, Patrick Heusinger, Holt Mc Callany, Austin Hebert, Robert Catrini, Jessica Stroup ほか
上映時間: 118分


⇒ 前作「アウトロー」(12年)感想

⇒ こちらはクルーズのアクションが光っている!「ミッション: インポッシブル / ローグ・ネイション」(15年)感想 〜 オススメ!

⇒ スマルダーズ出演作「セイフ ヘイヴン」(13年)感想

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素晴らしきかな、人生 〜 脚本の出来が豪華キャストを殺している…

「プラダを着た悪魔」(06年)などのデヴィッド・フランケル監督によるヒューマンドラマ。ウィル・スミスをはじめ、ケイト・ウィンスレットキーラ・ナイトレイエドワード・ノートンヘレン・ミレンら豪華俳優陣が出演している。全米では2016年12月に公開され、公開週に興行ランキングの4位にランクインしたのが最高で、興行的には不発だった。

      Collateral Beauty Poster

広告代理店の敏腕経営者として、共同パートナーのフィット(ノートン)、クレア(ウィンスレット)、サイモン(マイケル・ペーニャ)らと共にビジネスを順調に拡大させてきたハワード(スミス)だったが、愛娘を失ったのをきっかけに仕事も私生活も全て自暴自棄の状態になってしまう。

 Collateral 1

みるみるうちに業績が悪化した会社の状況を憂慮したフィットたちは、フィットがふとした事で知り合った舞台俳優エイミー(ナイトレイ)ブリジット(ミレン)らに協力を依頼し、一芝居打つ事によって何とかハワードを立ち直らせようとするのだったが…

 Collageral 2

愛娘の死をきっかけに生きる目的を失った男の再生の物語を、重くならないタッチで描いたヒューマンドラマで、舞台俳優たちに死や愛、時間を演じさせるというプロットの新鮮さと、ずらりと揃った豪華出演陣(前述に加え今年のアカデミー賞助演女優賞(「ムーンライト」)にノミネートされたナオミ・ハリスも出演!)からして、いい映画になる条件は揃っているはずなのだが、奇妙に面白くない…

 Collateral 3

その原因はひとえに、最初から最後まで微妙にツボを外し続ける脚本にあると思う。ウィル・スミスをはじめ、個々の出演者の演技はさすがにしっかりしているのだが、映画全体の成功にはつながっている感じがしないのはいかにも残念。

 Collateral 4

フランク・キャプラ監督の往年の名作、「素晴らしき哉、人生!」(46年)をもらった邦題だったのだが、豪華キャスト・新鮮なプロットを無駄にしてしまった感じの、才人フランケル監督らしくない作品でした…  ⇒ 6/10点

Collateral 5

素晴らしきかな、人生
Collateral Beauty (2016年・アメリカ)
監督: David Frankel
キャスト: Will Smith, Edward Norton, Keira Knightley, Michael Peña, Naomie Harris, Jacob Latimore, Kate Winslet, Helen Mirren ほか
上映時間: 97分


⇒ スミス出演作「スーサイド・スクワッド」(16年)感想

⇒ ノートン出演作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14年)感想傑作!!!

⇒ ナイトレイ出演作「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(14年)感想 〜 こちらも傑作!!!

⇒ ウィンスレットがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「スティーブ・ジョブズ」(15年)感想太鼓判!!

⇒ ミレン出演作「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(15年)感想

⇒ ペーニャ出演作「オデッセイ」(15年)感想傑作!!!

⇒ ハリスがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「ムーンライト」(16年)感想 オススメ!

⇒ こちらは問題なく傑作!!!「素晴らしき哉、人生!」(46年)感想

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ジャンル : 映画

LION/ライオン 〜25年目のただいま〜  実話をベースにした感動作

幼い頃インドで家族と別れ別れになり、オーストラリア人の夫婦に引き取られてオーストラリアで育った、Saroo Brierly の自伝 "A Long Way Home" をベースにした感動作。2016年のトロント国際映画祭でプレミエ上映された後、全米では11月に限定公開されている。今年のアカデミー賞では作品賞・助演男優(デーヴ・パテル)・助演女優(ニコール・キッドマン)など6部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

      Lion Poster

インド中部マディヤ・プラデーシュ州にあるカンダワーのスラム街で家族で暮らしていた5歳のサルー(サニー・パワール)は、ある日兄のグッドゥ(アビシェク・バラーテ)と線路脇で遊んでいるうちに、停車していた電車の中に入り込んでそのまま眠ってしまい、遠く離れたカルカッタまで運ばれて迷子になってしまう。

 Lion 1

そのまま孤児施設に入れられたサルーは、程なくしてオーストラリア人の夫婦、ジョン(デビッド・ウェナム)スー(キッドマン)に引き取られる事になり、オーストラリアに渡ることに。

 Lion 2

それから20余年が経ち、立派な青年に成長したサルー(パテル)だが、恋人のルーシー(ルーニー・マーラ)の心配をよそに、 時折浮かぶ故郷の残像に苦しめられ、心にぽっかりと穴が開いたような気分を抱いたままの日々を送るようになっていた。

 Lion 3

ついに彼は、グーグル・アースを活用して、幼少時のわずかな記憶を頼りに、自分の故郷を探し出す事を決意するのだが…

 Lion 4

頼れるものは幼い頃の記憶とグーグル・アースのみという、到底不可能と思われる手段でついに故郷を探し当てた青年の実話の映画化。恵まれた生活を送りながらも、恋人や養父母の心配をよそに、仕事も辞めて自分の殻に閉じこもってしまうシーンが結構長いので、観ているこちらも少し鬱になってしまいそうになるが、最後に息子の帰りを信じて、ずっと同じ場所に住み続けた実母と再会する場面は、やはり爽やかな感動が残る。

 Lion 5

映画としては割合単純なストーリー進行のように思えるが、アカデミー賞でもノミネートされた事でも分かるように、パテルキッドマンをはじめとする役者さんの演技が光っていて、この映画があからさまなお涙頂戴ものに陥るのを防いでいると思う。それにしても、このような実話があったなんて!  ⇒ 7/10点

 Lion 6

LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
Lion (2016年・オーストラリア)
監督: Garth Davis
キャスト: Dev Patel, Nicole Kidman, Rooney Mara, David Wenham, Nawazuddin Siddiqui, Abbishek Bharate, Sunny Pawar, Divian Ladwa, Priyanka Bose, Deepti Naval, Tannishtha Chatterjee, Benjamin Rigby, Riddhi Sen, Kaushik Sen, Rita Boy, Pallavi Sharda, Sachin Joab, Arka Das, Emille Cocquerel ほか
上映時間: 119分


⇒ パテル出演作「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」(15年)感想

⇒ キッドマン出演作「レイルウェイ 運命の旅路」(13年)感想

⇒ マーラ出演作「キャロル」(15年)感想太鼓判!!

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