ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 〜 さすがのトム・クルーズも空回り…

トム・クルーズ主演でリー・チャイルドの小説を映画化したアクション・シリーズの第2作。全米では2016年10月に公開され、公開週に興行ランキングの2位にランクインしている(トップは "Boo! A Madea Halloween")。

      Never Go Back Poster

かってはアメリカ軍の優秀な秘密捜査官だったものの、今では町から町へと渡り歩くさすらいの生活を送っているジャック・リーチャー(クルーズ)。ある店でトラブルに巻き込まれたと見せかけて、秘密人身売買組織の摘発に成功する。実は、彼は後輩のスーザン・ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)と連携して、組織の摘発に動いていたのだった。

 Reacher 1

ところが、ターナーは、彼女がアフガニスタンに派遣していた秘密捜査員の暗殺事件に関わった疑いをかけられて、逮捕されてしまう。軍刑務所からターナーを助けたリーチャーは、彼女とリーチャーの娘と名乗るサマンサ(ダニカ・ヤロシュ)と3人で、軍の内部でうごめく陰謀を暴くべく、行動を開始する…

 Reacher 2

今年55歳になるトム・クルーズが、相変わらずスタントマン抜きの生身のアクションで奮闘するシリーズ第2弾。クルーズの奮闘ぶりは立派なのだが、今回は脚本(特にセンスのない会話シーン!)がお粗末過ぎて、一向に映画が盛り上がらない。老体に鞭打ってのクルーズのアクションも何やら痛々しい雰囲気が漂ってくる…

 Reacher 3

娘役のヤロシュも素人っぽさ濃厚の演技で、コミカルなやり取りになるはずのクルーズとの父娘の掛け合いもいかにもギクシャクしている。もう少しまっとうな共演陣・脚本じゃないと、クルーズがかわいそう!  ⇒ 5/10点

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
Jack Reacher Never Go Back (2016年・アメリカ)
監督: Edward Zwick
キャスト: Tom Cruise, Cobie Smulders, Aldis Hodge, Danika Yarosh, Robert Knepper, Patrick Heusinger, Holt Mc Callany, Austin Hebert, Robert Catrini, Jessica Stroup ほか
上映時間: 118分


⇒ 前作「アウトロー」(12年)感想

⇒ こちらはクルーズのアクションが光っている!「ミッション: インポッシブル / ローグ・ネイション」(15年)感想 〜 オススメ!

⇒ スマルダーズ出演作「セイフ ヘイヴン」(13年)感想
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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

カフェ・ソサエティ 〜 ウディ・アレン監督らしい、肩の力を抜いた佳作

ウディ・アレン監督の最新作で、主演は「ローマでアモーレ」(12年)以来、アレン作品2作目の出演となるジェシー・アイゼンバーグ。いずれもアレン作品初出演となる、クリステン・スチュワートブレイク・ライヴリーが共演している。2016年のカンヌ国際映画祭のオープニング作品としてプレミエ上映された後、全米では同年7月に限定公開されている。

       Cafe Society Poster

1930年代のアメリカニューヨークのユダヤ人家庭で生まれ育った青年ボビー(アイゼンバーグ)は、単調な生活から抜け出すべく、映画業界で大物エージェントとして成功を収めた叔父のフィル(スティーヴ・カレル)の下で働くべく、ハリウッドに行くが、そこで出会ったフィルの秘書ヴォニー(スチュワート)に一目惚れ。

 Cafe 1

ヴォニーと仲良くなり、有頂天のボビーは、彼女との結婚を夢見るようになるが、実は彼女はフィルの愛人だった…

 Cafe 2

ハリウッドニューヨークを舞台に、男女のロマンスが軽妙に展開されていく、いかにもアレンらしい映画。

 Cafe 3
 Cafe 4

登場人物の間で交わされる会話はいかにもアレンらしいテンポで展開されるし、アイゼンバーグの早口の話しぶりなど、アレンが乗り移ったかのよう。スチュワートライヴリー、旬の女優を起用して華やかな雰囲気も十分。

 Cafe 5

というわけで、いつものアレン・ワールドに肩凝らずに浸れる作品となっているが、「アニー・ホール」(77年)「マンハッタン」(79年)の頃の、思わず映画の中に引き込まれるような磁力は感じられず、どことなく表面的な感じも。これらの映画を観た時には、強烈にニューヨークに憧れたものでしたが…  ⇒ 7/10点

カフェ・ソサエティ
Cafe Society (2016年・アメリカ)
監督: Woody Allen
キャスト: Jesse Eisenberg, Kristen Stewart, Blake Lively, Steve Carell, Jeannie Berlin, Parker Posey, Corey Stoll, Ken Stott ほか
上映時間: 96分


⇒ アレン監督の前作「教授のおかしな妄想殺人」(15年)感想

⇒ アイゼンバーグ主演作「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」(16年)感想オススメ!

⇒ スチュワート出演作「アクトレス〜女たちの舞台」(14年)感想

⇒ ライヴリー主演作「アデライン、100年目の恋」(15年)感想

⇒ カレル出演作「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトル in ニューヨーク」(13年)感想

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

素晴らしきかな、人生 〜 脚本の出来が豪華キャストを殺している…

「プラダを着た悪魔」(06年)などのデヴィッド・フランケル監督によるヒューマンドラマ。ウィル・スミスをはじめ、ケイト・ウィンスレットキーラ・ナイトレイエドワード・ノートンヘレン・ミレンら豪華俳優陣が出演している。全米では2016年12月に公開され、公開週に興行ランキングの4位にランクインしたのが最高で、興行的には不発だった。

      Collateral Beauty Poster

広告代理店の敏腕経営者として、共同パートナーのフィット(ノートン)、クレア(ウィンスレット)、サイモン(マイケル・ペーニャ)らと共にビジネスを順調に拡大させてきたハワード(スミス)だったが、愛娘を失ったのをきっかけに仕事も私生活も全て自暴自棄の状態になってしまう。

 Collateral 1

みるみるうちに業績が悪化した会社の状況を憂慮したフィットたちは、フィットがふとした事で知り合った舞台俳優エイミー(ナイトレイ)ブリジット(ミレン)らに協力を依頼し、一芝居打つ事によって何とかハワードを立ち直らせようとするのだったが…

 Collageral 2

愛娘の死をきっかけに生きる目的を失った男の再生の物語を、重くならないタッチで描いたヒューマンドラマで、舞台俳優たちに死や愛、時間を演じさせるというプロットの新鮮さと、ずらりと揃った豪華出演陣(前述に加え今年のアカデミー賞助演女優賞(「ムーンライト」)にノミネートされたナオミ・ハリスも出演!)からして、いい映画になる条件は揃っているはずなのだが、奇妙に面白くない…

 Collateral 3

その原因はひとえに、最初から最後まで微妙にツボを外し続ける脚本にあると思う。ウィル・スミスをはじめ、個々の出演者の演技はさすがにしっかりしているのだが、映画全体の成功にはつながっている感じがしないのはいかにも残念。

 Collateral 4

フランク・キャプラ監督の往年の名作、「素晴らしき哉、人生!」(46年)をもらった邦題だったのだが、豪華キャスト・新鮮なプロットを無駄にしてしまった感じの、才人フランケル監督らしくない作品でした…  ⇒ 6/10点

Collateral 5

素晴らしきかな、人生
Collateral Beauty (2016年・アメリカ)
監督: David Frankel
キャスト: Will Smith, Edward Norton, Keira Knightley, Michael Peña, Naomie Harris, Jacob Latimore, Kate Winslet, Helen Mirren ほか
上映時間: 97分


⇒ スミス出演作「スーサイド・スクワッド」(16年)感想

⇒ ノートン出演作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14年)感想傑作!!!

⇒ ナイトレイ出演作「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(14年)感想 〜 こちらも傑作!!!

⇒ ウィンスレットがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「スティーブ・ジョブズ」(15年)感想太鼓判!!

⇒ ミレン出演作「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(15年)感想

⇒ ペーニャ出演作「オデッセイ」(15年)感想傑作!!!

⇒ ハリスがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「ムーンライト」(16年)感想 オススメ!

⇒ こちらは問題なく傑作!!!「素晴らしき哉、人生!」(46年)感想

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LION/ライオン 〜25年目のただいま〜  実話をベースにした感動作

幼い頃インドで家族と別れ別れになり、オーストラリア人の夫婦に引き取られてオーストラリアで育った、Saroo Brierly の自伝 "A Long Way Home" をベースにした感動作。2016年のトロント国際映画祭でプレミエ上映された後、全米では11月に限定公開されている。今年のアカデミー賞では作品賞・助演男優(デーヴ・パテル)・助演女優(ニコール・キッドマン)など6部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。

      Lion Poster

インド中部マディヤ・プラデーシュ州にあるカンダワーのスラム街で家族で暮らしていた5歳のサルー(サニー・パワール)は、ある日兄のグッドゥ(アビシェク・バラーテ)と線路脇で遊んでいるうちに、停車していた電車の中に入り込んでそのまま眠ってしまい、遠く離れたカルカッタまで運ばれて迷子になってしまう。

 Lion 1

そのまま孤児施設に入れられたサルーは、程なくしてオーストラリア人の夫婦、ジョン(デビッド・ウェナム)スー(キッドマン)に引き取られる事になり、オーストラリアに渡ることに。

 Lion 2

それから20余年が経ち、立派な青年に成長したサルー(パテル)だが、恋人のルーシー(ルーニー・マーラ)の心配をよそに、 時折浮かぶ故郷の残像に苦しめられ、心にぽっかりと穴が開いたような気分を抱いたままの日々を送るようになっていた。

 Lion 3

ついに彼は、グーグル・アースを活用して、幼少時のわずかな記憶を頼りに、自分の故郷を探し出す事を決意するのだが…

 Lion 4

頼れるものは幼い頃の記憶とグーグル・アースのみという、到底不可能と思われる手段でついに故郷を探し当てた青年の実話の映画化。恵まれた生活を送りながらも、恋人や養父母の心配をよそに、仕事も辞めて自分の殻に閉じこもってしまうシーンが結構長いので、観ているこちらも少し鬱になってしまいそうになるが、最後に息子の帰りを信じて、ずっと同じ場所に住み続けた実母と再会する場面は、やはり爽やかな感動が残る。

 Lion 5

映画としては割合単純なストーリー進行のように思えるが、アカデミー賞でもノミネートされた事でも分かるように、パテルキッドマンをはじめとする役者さんの演技が光っていて、この映画があからさまなお涙頂戴ものに陥るのを防いでいると思う。それにしても、このような実話があったなんて!  ⇒ 7/10点

 Lion 6

LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
Lion (2016年・オーストラリア)
監督: Garth Davis
キャスト: Dev Patel, Nicole Kidman, Rooney Mara, David Wenham, Nawazuddin Siddiqui, Abbishek Bharate, Sunny Pawar, Divian Ladwa, Priyanka Bose, Deepti Naval, Tannishtha Chatterjee, Benjamin Rigby, Riddhi Sen, Kaushik Sen, Rita Boy, Pallavi Sharda, Sachin Joab, Arka Das, Emille Cocquerel ほか
上映時間: 119分


⇒ パテル出演作「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」(15年)感想

⇒ キッドマン出演作「レイルウェイ 運命の旅路」(13年)感想

⇒ マーラ出演作「キャロル」(15年)感想太鼓判!!

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ちはやふる -上の句- 〜 人気コミックの実写映画化!

競技かるたという異色のテーマで人気の末次由紀のコミックを実写映画化した2部作の第1弾。日本では2016年3月に全国公開され、公開週に興行ランキングの4位にランクインしている。

      Chihaya Poster

綾瀬千早(広瀬すず)は、小学生の時に同級生の綿谷新(真剣佑)真島太一(野村周平)らと出会い、共に競技かるたに夢中になる。小学校卒業と同時にそれぞれバラバラになった3人だが、高校に入学した千早は再び太一と再会し、大江奏(上白石萌音)西田優征(矢本悠馬)駒野 勉(森永悠希)らと共に、競技かるた部を設立し、全国大会を目指し、猛練習に励むのだが…

 Chihaya 1

競技かるたをテーマにした異色のコミックの映画化で、昨年夏に日本に行く飛行機の機上で観た娘の評判は悪かったのだが、なかなかどうして、青春スポーツものとしては良くまとまった映画になっている。

 Chihaya 2

「海街diary」(15年)で注目された広瀬すずをはじめとする若手出演者の演技も溌剌としていて気持ちがいいし、コミックを意識し過ぎたのか、台詞のやり取りにぎこちなさを感じる部分もあったものの、見ていて爽やかな気持ちになれる作品でした。  ⇒ 6/10点

 Chihaya 3

ちはやふる -上の句-
(2016年・日本)
監督: 小泉徳宏
キャスト: 広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、坂口涼太郎、松岡茉優、松田美由紀、國村隼 ほか
上映時間: 111分

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