オペラ: アイーダ@メトロポリタン・オペラ

メト定番のアイーダを観てきた(3月26日)。
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アイーダは1871年、ヴェルディ58歳の円熟期に作曲された作品。スエズ運河開通を記念して1869年に建設されたエジプト・カイロのオペラ劇場からの委嘱で作曲されたものであるが、ヴェルディ中期の作品を特徴づける力強く明快な旋律と、その後に作曲された「ドン・カルロ」などにみられる壮大なスペクタクル性と緻密な心理描写、こういった要素が集大成された圧倒的な傑作である。名作には珍しく?、初演が行われたカイロはもとより、翌年のミラノ・スカラ座でのヨーロッパ初演、その後の各地での上演でも圧倒的な評価を得たらしい。

メトでも1,2を争う人気演目の一つで、当日の上演が通算1,113回めの上演とのこと。ちなみにメトで初演された1883~84年のシーズンはメトの財政が逼迫していて、ギャラの高いイタリア人の歌手を雇えず、比較的ギャラが安かったドイツ人の歌手を起用してドイツ語で上演されたらしい!ドイツ語で歌われるイタリア・オペラって、どんな感じなのだろうか?
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今回のアイーダ役は、新鋭の中国人ソプラノ ヘー・ホイ(Hui He)。今回がメト・デビューで、もちろん私も初めて聴くソプラノだったが、小柄ながら声量が豊か・かつ温かい声色の持ち主で、リリコ・スピント/ドラマティック・ソプラノの代表的な役柄であるアイーダにふさわしい歌手と感じた。

対するラダメス役は数年前に、キャンセルしたパヴァロッティの代役として鮮烈なメト・デビューを果たしたサルヴァトーレ・リチトーラ。彼の歌を聴くのも実は初めて。その後、やや低迷気味という話を聞いていたが、当日は堂々たる歌いぶりでアイーダと互角の出来栄えであった。

アムネリス役はメトの常連で、私の大好きなメゾ・ソプラノ、ドローラ・ザジック。美しい声とドラマティックな歌いぶりで昔からヴェルディのメゾ役では一番(シミオナートはもとより、コッソットの全盛時代も聞いていないので)と思っている歌手。久しぶりに聞いた彼女の歌は、以前に較べて声量は落ちた感があったが、その分細やかさが増しているように見受けられた。

指揮はいまや、メトの第2音楽監督であるかのように、登場頻度が高いマルコ・アルミリアート。しかしながら、今回の演奏は緊張感に欠ける音楽運びで、ヴェルディの輝かしい旋律がこちらに迫ってこない感じがした(日本人にケチをつけられる筋合いもないだろうが…)。数週間前に聞いたムーティの演奏が素晴らしかっただけに、残念!一度ムーティの指揮で聞いてみたいものだ。

演出は1988年以来の定番、ソーニャ・フリセルのもの。第2幕の有名な凱旋の場面では生きた馬まで登場する物量総動員といった絢爛豪華な舞台で、これを観るたびに、メトに来たんだなぁという感慨を抱かせる舞台。何度見てもいいものだ。この場面では観客席からは必ず拍手が起こる。

それにしても、この作品を初めて聴いた頃は、この凱旋の場面に代表されるハデハデなオペラとの印象しか持っていなかったが、何度か聞くうちに、第2幕第1場のアイーダとアムネリスの、恋敵同士の緊迫した場面など、全編を通した音楽の素晴らしさが分かるようになってきた。今回の上演も勿論満足!

             Verdi: Aida (1871年初演) 
             演出: Sonja Frisell
            指揮: Marco Armilliato
            Aida: Hui He
            Radames: Salvatore Licitra
            Amneris: Dolora Zajick
            Amonasro: Carlo Guelfi
            Ramfis: Carlo Colombara
            Il Re: Stefan Kocan
            2010年3月26日、メトロポリタン歌劇場


DVD/CD: DVDはやはり、メトのもの(1989年公演)ドミンゴはやや不調だが、ザジックの素晴らしいアムネリスを聴くことが出来、アプリーレ・ミッロアイーダも好演。
             ⇒ メト1989年盤 Aida Met1989

CD74年のムーティ盤がオールスターキャストで素晴らしい。この録音ではカバリエドミンゴコッソットといった名歌手の全盛時代の歌声が収められていて、まさにイタリア・オペラの醍醐味を満喫できる録音。
             ⇒ ムーティ盤  Aida Muti 1974
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ジャンル : 音楽

ニューヨークの屋台: Schnitzel & Things ~ 人気急上昇中の新店

一時はかなり暖かくなったニューヨークも最近また冷え込んできた。春はまだまだといった今日この頃である。

          Rockfeller Plaza100325
          ロックフェラー・センター

ニューヨークには数々の屋台があり、昼食時にはビジネスマンがランチに買っていく風景がみられ、特に人気のある屋台には長い行列が出来る事もある。本日はそんな人気屋台の一つでランチをゲット。“Schnitzel & Things”というウイーン風のカツレツ専門の屋台である。

     Schinitzel100325.jpg

ここは昨年のニューヨークの屋台の祭典: “Annual Vendy Awards”で新人賞を獲得した屋台。12時頃になると長い行列が出来る人気店である。

メニューはシンプルでカツレツはポーク・チキン・タラの3種類のカツレツ(シュニッツェル)について、プレート(Platter)かサンドイッチのいずれかを選び、ポテトサラダやザワークラウト等の付け合わせを2種類ソースを1種類選ぶシステム。プレートが10ドルサンドイッチは8ドルと一般的な屋台よりはやや高めの値段である。本日はポークのシュニッツェルに付け合わせとしてポテトサラダザワークラウトをチョイス。

     Schinitzel Pork Platter

カツレツがプレートいっぱいに広がっている様は大迫力だが、薄くて衣がサクサクしているので、意外にあっさりと頂ける。付け合わせもグッドで非常に満足感の高いプレートであった。

       Schnitzel & Things 
       (日によって出店場所は変わる。筆者のオフィスがあるミッドタウン・ウエスト
       には通常月・木の出店)

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本日のルーク君

本日は元気に遊び、疲れたら昼寝…

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先週の嵐

先週末(3月13日)の嵐は凄かった!我が家の周りは樹齢の古い木が多く倒れたため、道路が寸断され、しかも地域の80%が木曜日頃まで停電。我が家は停電にこそならなかったものの、ケーブルTV・電話・インターネットが水曜夜までつながらず。。。まわりの人に聞いてもこんなことは数十年住んでて初めてとのこと。
   嵐の後 3月13日
→ 斜め向かいの家の木が倒れ、道路は通行止めに…
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ニューヨークのレストラン: ESCA ~ 人気シェフがタッグを組んでオープンさせたシーフード・イタリアン!

この店は、料理専門ケーブル・チャンネルの Food TV で放映されているアメリカ版「料理の鉄人」でイタリアンの鉄人をつとめている人気シェフMario Bataliをはじめ、Joe BastianichDave Pasternackら3人のイタリアン・シェフのコラボでオープンした魚介専門のイタリアン・レストラン。2000の開店以来、またたく間に人気店となった店で、今も予約を取るのが結構難しい。

       Esca 1
       店はブロードウェイの劇場街にある

ディナーは基本的にアラカルト主体であるが、75ドルのテイスティング・コース(料理にマッチしたワインをつけると125ドル)も用意されている。アラカルトは前菜(生 / 調理したもの)・プリモ(パスタ類)・セコンド(メイン)から構成されているが、メインのチキンを除けば全て魚介或いは野菜料理という店である。

当日は5人で伺ったが、まずは前菜として、イタリア風刺身を数種オーダー(常時14~5種類揃えているらしい)。いずれも、オリーブ・オイルやレモン・香草類で程良くマリネされており、注文した白ワイン(ソアーヴェ)に良く合う!

続くパスタは魚介のトマト風味のフェットチーネなど3種をチョイス。全体的にパスタのソースはスパイシーな風味であるが、なかなか美味。

メインは鯛をはじめ、あんこうやワニ!!のグリルを注文。いずれも的確な火の通し方で供され、満足のいく料理であった。

ワインはイタリア産が主体で、リストはかなり充実しているが、手頃な価格帯のものは少ない。

非常に愛想の良い(高いワインを勧めるきらいがあるが)、フレンドリーなサービスと相俟って、繁盛店であることが納得出来る店であった。但し、値段はやや高めである。

     Esca 2

        ESCA
        402 West 43rd Street (at 9th Ave)
       Tel.212-564-7272
       休み: 日曜昼
       昼: アラカルト、 夜: アラカルト、75ドルのテイスティング・コースあり
       Zagat 評価: 25/21/23 (料理/内装/サービス)
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