生誕150周年! ドビュッシーの生涯をたどって: その1 ~ アシル=クロード・ドビュッシー誕生

今年は近代音楽への道を切り開いたフランスの作曲家、クロード・ドビュッシーの生誕150周年にあたる。という事で、今年はドビュッシーの生涯をたどっていきたいと思う。

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アシル=クロード・ドビュッシーが、マニュエル=アシルヴィクトリーヌ夫妻の長男として、パリの西、役20キロのところにあるサン・ジェルマン・アン・レイで生まれたのは、1862年8月23日の早朝の事だった。

       Maison Natale de Debussy
       サン・ジェルマン・アン・レイにあるドビュッシーの生家

生まれた子は額が異常に大きく、ドビュッシー夫妻の長男誕生を祝福しに訪れた者を皆驚かせたという。父マニュエルは、18歳で海兵隊に入隊し、7年間をそこで過ごした後、母ヴィクトリーヌと結婚し、ドビュッシーが生まれた頃は陶器店を営んでいた。多くの大作曲家と違い、父母の家系ともに、音楽家はいなかったようである。

幼い頃のドビュッシーは、音楽とは無縁の生活を送っていたようだが、1870年に入り、陶器店をたたんだ父マニュエルが印刷会社に職を得たため、パリに移り住んでいた一家は、普仏戦争パリ・コミューンの騒乱を避けるため、パリからマニュエルの姉クレマンティーヌが住んでいた南仏のカンヌに疎開をする事になり、初めて音楽に触れる機会を得る。

ここで、彼はジャン・チェルッティというイタリア人のヴァイオリニストにピアノの手ほどきを受けるようになった。このカンヌでの滞在は、初めて音楽に触れる機会を得ただけでなく、南仏の青い空と海の強烈な印象をドビュッシーに植え付けて、後の彼の作品のインスピレーションの源泉ともなったのだった。

     Cannes.jpg
     海から見たカンヌの街並み

子供の頃のドビュッシーに強烈な印象を残したカンヌ滞在からパリに戻った一家だったが、パリ・コミューンに加わっていた父マニュエルが逮捕されて投獄されるという出来事が発生する。

9歳になっていたアシル=クロードを筆頭に4人の子供を抱えていたヴィクトリーヌは悲劇のどん底に突き落とされるが、運命はどこで幸いに転じるか分からない。ドビュッシーは、父マニュエルが獄中で知り合ったシャルル・ド・シヴリという青年ピアニストの母親、アントワネット=フロール・モテ夫人にピアノを習う事になる。

ショパンの弟子だったという噂もあった夫人の手ほどきを受けるようになってから、ドビュッシーのピアノの腕はみるみるうちに上達し、何と1年足らずのうちに、国立パリ高等音楽院の入学試験を受けるまでになった。

     Condervatoire de Paris
     現在はフランス国立高等演劇学校となっている、当時のパリ高等音楽院校舎

ドビュッシーは、約5倍の難関だった入学試験を突破して、1872年10月に音楽院に入学した。当時まだ10歳。これが、作曲家ドビュッシー誕生への第1歩であった。

【作曲家としての第一歩: 歌曲集】

Debussy Melodies par Piau
ドビュッシー 歌曲集
サンドリーヌ・ピオー (ソプラノ)
ジョス・ファン・インマゼール (ピアノ)
2002年 録音


ドビュッシーの作曲家としての最初の作品群は、パリ高等音楽院に入学してから作り始めるようになった歌曲だった。1879年に作曲された2曲は残念ながら現存していないため、1880年に作曲された“Nuits d’Etoiles”(「星の夜」)が現存する作品の中では最初のものとなる。初期の頃は、「芸術のための芸術」を唱えたフランスの詩人、テオフィル・ゴティエの詩に作曲したものが多い。

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     ゴティエ(1811~1872年)

フランスのソプラノ歌手、サンドリーヌ・ピオーによるこのCDは、ドビュッシーがそのゴティエの詩に作曲した1881年の“Les Papillons”(「蝶々」)をはじめ、1913年の「ステファヌ・マラルメの三つの詩」まで18曲の歌曲が収められているが、いずれもフランスの香りに満ち溢れた歌唱で、インマゼールによる、これらの歌曲とほぼ同時代、1897年製の仏・エラール社のピアノによる伴奏もこれらの曲にふさわしい響きで花を添えている。
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北米興行成績 (2012年2月27日)

アカデミー賞の受賞作品の発表が日曜に行われた先週末の北米映画界、4本の新作が公開されたが:

① Act of Valor (初登場)
② Good Deeds (初登場)
③ Journey 2: The Mysterious Island (第3週、前週3位) 
④ Safe House (第3週、前週1位)
⑤ The Vow (第3週、前週2位)
⑥ Ghost Rider: Spirit of Vengeance (第2週、前週4位) 
⑦ This Means War (第2週、前週5位)
⑧ Wanderlust (初登場)
⑨ Gone (初登場)
⑩ The Secret World of Arrietty (第2週、前週8位)


事前予想通り、アメリカ海兵隊の特殊部隊、SEALの活躍を描いたアクション映画、“Act of Valor”が興行収入25百万ドルで堂々のトップ。見た人の平均評価もAと、極めて評判が良い!

   Act of Valor Good Deeds

続く2位に入ったのが、アメリカの黒人観客層から絶大な支持を誇っているタイラー・ペリーの新作、“GoodDeeds”。但し、興行収入は16百万ドルと、彼の作品の中では2番目に低い成績だった。但し、平均評価はAで、観客のほとんどを占めた黒人層からの支持は相変わらず厚いようだ。

期待外れの成績だったのが、残る2つの新作、“Wanderlust”“Gone”ジェニファー・アニストンが主演したコメディものの前作は興行収入7百万ドル、アマンダ・サイフリッドが主演したスリラーものの後者は同5百万ドルと、いずれも惨憺たる成績。平均評価も前者がB-、後者に至ってはC+と、いずれも芳しくない...

   Wanderlust.jpg Gone.jpg
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ニューヨークのレストラン: Churrascaria Plataforma 再び

東京からの出張者との会食で、久し振りに Churrascaria Plataforma を訪問。

     Plataforma 1

ブラジル発のチュラスコ専門店として人気のこのレストラン、連日連夜、肉まみれ?になりたい人々で賑わっている。

この店で気をつけなければならないのは、最初のサラダ・バー。ここで食べ過ぎると、後が続かなくなってしまうのだが、あまりにも種類豊富な為、どうしても取り過ぎてしまうのであった。

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続いて本命の肉! 席に座ると、コースターのようなものが配られるが、緑色の方を表にしている限り、肉を持ってくる仕組み。

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       Plataforma 4

ワンコそばのように給仕される肉をひたすら食べる。やはり旨い!調子に乗って食べていると、ほどなくしてお腹が飽和状態に… もうしばらく肉は要りません…

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       Churrascaria Plataforma
       316 West 49th Street (8thと9th Aveの間)
      Tel.212-245-0505
      火~土: 12PM~12AM
      日・月: 12PM~11PM
      ランチ: 39.95ドル、ディナー: 59.95ドル。いずれも食べ放題。
      Zagat評価: 23/19/22/$75 (料理/内装/サービス/予算)


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2012年アカデミー賞発表!

2012年のアカデミー賞の授賞式が、2月26日にロサンゼルスコダック・シアターで行われた。

     Academy 1

今年のアカデミー賞は、昨年11月にプロデューサーの一人がアンチ・ゲイ発言などが原因で辞任を余儀なくされ、それに抗議して司会を務める予定だったエディ・マーフィーが降板するなど、波乱含みのスタートだったのだが、これまで8回も同賞の司会を務めた事のあるビリー・クリスタルがピンチ・ヒッターとして登板し、余裕の司会ぶりで、まずは無難に乗り切った。

     Billy Cristal
     「恋人たちの予感」(89年)から22年。さすがに歳を取った感じ..

例年、東部時間8時半に始まり、12時過ぎまで延々と続けられる授賞式だが、今年はプロデューサーが2時間以内に収める事を目標として公言していたためか、2賞まとめて発表するなどの工夫をする事によって、例年になくスピーディーな展開で、さすがに2時間では収まらなかったものの、11時過ぎには無事終了。但し、そのせいか、受賞者のスピーチも含め、ややそっけなく終わった感じも残った授賞式だった。

     Cirque de Soleil
     賞の発表の合間にはシルク・ド・ソレイユのパフォーマンスも

さて、主要賞の受賞者・作品は次の通り:

作品賞: The Artist
監督賞: Michel Hazanavicius (The Artist)
主演男優賞: Jean Dujardin (The Artist)
主演女優賞: Meryl Streep (The Iron Lady)
助演男優賞: Christopher Plummer (Beginners)
助演女優賞: Octavia Spencer (The Help)
脚本賞: Midnight in Paris
脚色賞: The Descendants
撮影賞: Hugo
外国語映画賞: A Separation (イラン)
長編アニメーション映画賞: Rango


最近のアカデミー賞は、ゴールデン・グローブ賞など、それに先立つ各映画賞の結果とあまり違わないケースが多くなって来ていて、あっと驚く番狂わせなど、期待出来なくなっているが、今年も同様に、直前の各映画賞を総なめしていた“The Artist”が、作品・監督・主演男優の主要部門を含め、5部門で受賞した。

     Jean Dujardin
     主演男優賞の Jean Dujardin (The Artist)

基本的に英語の映画のみが対象となる同賞だが、この作品は、フランス映画ながら、1920年代のハリウッドを舞台にしていて、かつ無声映画という事が功を奏した形。これを受けて、何かと自国文化の自慢をしたがるフランスでは、サルコジ大統領を筆頭に、「フランス文化がハリウッドを征服した」的な騒ぎとなっているらしい。

最多11部門でノミネートされていたマーティン・スコセッシ監督“Hugo"は、同じく5部門で受賞したものの、主要部門での受賞は撮影賞のみにとどまった。

     Hugo_20120229110957.jpg

個人部門で目立ったのは、これまで史上最多の17回ノミネートされていながら、主演女優賞(「ソフィーの選択」(82年))・助演女優賞(「クレイマー、クレイマー」(79年))の各1回のみに終わっていたメリル・ストリープが、久しぶりに主演女優賞に輝いた事。直近の各映画賞の結果から、“The Help”ヴィオラ・デイヴィスが本命視されていたため、ややサプライズの受賞だった。最も、彼女ほどの大女優にとってはサプライズにはまったくあたらないのだが...

     Meryl Streep

また、“Beginners”で、自分がゲイである事を告白した老いた父親役を軽妙に演じたクリストファー・プラマーが、オスカー史上最高齢受賞者となる82歳で助演男優賞を受賞したのも目を引いた。

     Christopher Plummer

ここ数年、受賞作品が小粒化しているような感じのアカデミー賞だが、今年は文句なしの大作が現れるのだろうか。
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ニューヨークのレストラン: The Leopard at des Artistes ~ 復活したランドマーク

1917年以来、アッパー・ウェストサイドのランドマーク的存在のレストランとして、ニューヨーカーに親しまれてきた Cafe des Artistes が突然閉店したのが、2009年8月の事。突然の閉店を惜しむ声が多かった中、ミッドタウンにあるイタリア料理店、Il Gottopardo のオーナーが店の経営権を買い取り、店名も The Leopard at des Artistes と変わり2011年5月に再オープンした。 今回は日曜日のブランチで訪問。

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この店を有名にしたのが、1930年代にこの店の常連だった画家、ハワード・チャンドラー・クリスティが描いたニンフをテーマとした壁画の数々。今回の再オープンにあたり、新オーナーが150万ドルをかけて改装した結果、壁画もきれいに蘇っている。

     Cafe des Artistes
     往時の店内

     改装後の店内は以前より明るくなった感じ
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     Artistes 3
     Artistes 4
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さて、従来のコンチネンタル料理からイタリアン・レストランとして生まれ変わったこの店のブランチ・メニューは、パンケーキや卵料理などの定番に加え、イタリアンらしく、パスタなども提供している。

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     Soup of the Day
     Soup of the Day

パンが入ったトマト・スープは食べるスープといった感じで、しみじみと体が温まる感じで美味!

     Scrambled Eggs
     Scrambled Eggs

本日のスクランブルエッグは、細かく刻んだイタリアン・ソーセージがたっぷりと入れられたもので、こちらもボリュームがあり、満足出来る一品。

     Homemade Spaghetti Chitarra
     Homemade Spaghetti “Chitarra”

自家製手打ちパスタはキタッラ。こちらはトマトとバジルのソースで、あっさりとした一品。

     Broiled Mediterranean Branzino
     Broiled Mediterranean Branzino

こちらはスズキの切り身のソテー。新鮮な切り身を程良い加減にソテーしていて、こちらも美味!

     Caramel Semifreddo
     Caramel Semifreddo

通常のランチとディナーではアラカルトでの提供だが、リンカーン・センターにほど近い場所にある店なので、プレシアター・メニューなんかがあればありがたいのだが...

       The Leopard at des Artistes
       1 West 67th Street
      Tel.212-787-8767
      ランチ: 12 ~ 3PM
      ブランチ: 11:30AM ~ 3PM (土・日)
      ディナー: 5 ~ 11:30PM (日: ~ 10PM)
      ランチ・ディナーとも、アラカルト
      Zagat 評価: 21/25/23/$84 (料理/内装/サービス/予算)
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