生誕200周年!ヴェルディの生涯をたどって: その3 〜 作曲に明け暮れる日々

1842年3月にミラノ・スカラ座で初演された「ナブッコ」は空前の成功作となり、そのシーズンと翌シーズンにかけて65回も上演される、 スカラ座始まって以来の人気作となった。とりわけ、当時オーストリアの支配下にあったミラノの市民は、オペラの中で故郷を追いやられたユダヤ人たちが故郷を想って歌う合唱曲、「行け、わが想いよ、金色の翼に乗って」に自分たちの姿を重ね合わせて、熱狂的にこの作品を支持したのであった。

      Verdi ca 1843
      1843年当時のヴェルディ

このオペラの成功によって、一躍注目を集める事になったヴェルディは、ミラノの文化サロンで引っ張りだことなり、イタリアの国民的詩人であったアレッサンドロ・マンゾーニら、当時の多くの文化人と知己を得る事が出来た。

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 マンゾーニ

生活が一変する中、スカラ座の1842~3年のシーズンのための新作に取りかかったヴェルディは、ミラノの詩人トンマーゾ・グロッシの叙事詩を題材にテミストークレ・ソレーラが台本を担当した「第一次十字軍のロンバルド人」を完成させる。1843年3月に初演されたこのオペラも、ミラノの市民に熱狂的に迎えられ、これをきっかけに他のオペラ劇場からも作曲依頼が殺到するようになった。

その中から、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場からの依頼を受ける事にしたヴェルディは、当時無名だったフランチェスコ・マリオ・ピアーヴェを台本作家に起用し、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴ原作の「エルナーニ」を完成させ、1844年3月に初演され、これまた成功を収めた。この後、ピアーヴェとは長きにわたってコンビを組む事になる。

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      ピアーヴェ

名声は高まる一方で、作曲の依頼が殺到する状態になったヴェルディエルナーニの後はスカラ座ローマアルジェンティーナ劇場、さらにはナポリサン・カルロ劇場からの新作の依頼を引き受け、これに加え各地での自作の再演も監督するという、超人的な活動を強いられることになってしまった。

まず1844年11月に完成したのが、ローマのために作曲した「二人のフォスカリ」で、これもピアーヴェが台本を担当したのだが、内容が暗かった事が災いしたのか、ヴェルディも「半分失敗だった」と認める評判に終わった。

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 アルジェンティーナ劇場

1845年2月にスカラ座で初演されたのが、シラーの戯曲を大胆に改変した「ジョヴァンナ・ダルコ」で、こちらは好評をもって迎えられた。この頃のヴェルディは体調不良に悩まされていたというが、2曲の新作に加え、旧作の再演も監修するなど、まさに超人的な活躍ぶり。

次はナポリの仕事だったが、胃痛に悩まされていたヴェルディの体調は最悪で、公演日程を1845年6月から7月に延期する事を劇場側に願い出たものの、1か月後に返ってきた答えは「ナポリの空気を見て、ヴェスヴィオ火山を見れば元気になりますよ」などという、南国らしい能天気なものだった。

 San Carlo
 サン・カルロ劇場

悪戦苦闘しながら何とか完成させたオペラ「アルツィーラ」は、歌手の体調不良などもあって、結局初演は8月までずれ込み、これはあまりナポリの聴衆の評判とはならなかった。

アルツィーラと並行して取りかかっていたヴェネツィアのための次の作品「アッティラ」は、胃痛に加えリューマチにも苦しめながらの作曲で、一時はライプツィヒの新聞に死亡記事の誤報が出るほどの悪化ぶりだったようだが、何とか1846年3月に初演までこぎつける。これは、聴衆の熱狂的な支持を受け、大成功に終わった。

 La Fenice
 フェニーチェ劇場

こうして、ヴェルディにとっては、嵐のように月日が過ぎていくのであった。

【オペラ「マクベス」(1847年3月14日、フィレンツェ・ベルゴラ劇場にて初演)】
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オペラ「マクベス」
マクベス: ピエロ・カップッチッリ (Br)
マクベス夫人: シャーリー・ヴァーレット (MS)
マクダフ: プラシド・ドミンゴ (T)
バンクォー: ニコライ・ギャウロフ (Bs)
クラウディオ・アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・同合唱団
1976年録音


ヴェルディ10作目のオペラで、シェイクスピアの名作を題材にしたこの作品は様々な点でヴェルディとしては異色作となった。主役は悪役で、しかもバリトンとメゾが歌うこと、テノールは脇役でしかもリリック・ソプラノの役が無い事、ストーリーにロマンチックな要素が全く無い事等、当時のオペラではいずれも異例な事で、ここからもヴェルディがこのシェイクスピアの傑作をもとに新たな世界を切り開こうとしたかが感じ取れる。

音楽もそれまでの作品よりもさらに充実し、ヴェルディ特有の輝かしい旋律に加え、登場人物の心理描写にもそれまでの作品には見られなかった深みを感じさせる。

長らく上演頻度が低かったこの作品の再評価のきっかけを作ったのは、スカラ座の音楽監督に就任した当時のアバドで、在任中の76年に録音されたこの盤も、今だにこのオペラの決定版といわれているもの。

カップッチッリやヴァーレット、ドミンゴら名歌手が素晴らしい歌唱を聴かせてくれ、アバド指揮のスカラ座のオーケストラも文句のつけようがない演奏を聴かせてくれる!
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ミッドタウン・ランチ: Xi’an Special Foods

ニューヨークでは珍しい西安料理の店として、人気の高い Xi’an Famous Foods。これまではチャイナタウンクイーンズなどに店舗展開していたが、最近ミッドタウンの劇場街界隈に新しい店をオープンし、評判となっているようなので、早速訪問!

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ウェスト・サイドの45丁目、ブックオフの斜め向かいにオープンしたこの店、昼時はご覧の通り、長蛇の列! 店内はイートイン・スペースもあるが、狭くあまり落ち着かないので、テイクアウトのお客さんが多いようで、回転は割合早い。

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入口すぐにあるカウンターで注文し、店内で食べるか、テイクアウトかを言って代金を払う仕組み。料理の写真が貼ってあるので、選びやすい。

この店の看板は何と言っても刀削麺! 今回は一番人気だという、羊肉が入ったスパイシーなものを注文。

【Spicy Cumin Lamb Hand-Ripped Noodles in Soup】

 Xian 3

クミンの香りが立ち昇ってくる一品で、スパイシーなスープ、クミンで味付けされた羊肉、モチモチの刀削麺が三位一体となって美味しさを醸し出している。さすがの味! 但し、スパイス・肉とも癖があるので、こういうものがあまり好きでない方にはお勧めできません...

これで7.50ドル。イートインでもチップは要らないので、結構安上がりに済む。B級グルメとしてはやはり秀逸で、人気の程も納得!

Xi’an Famous Foods
24 West 45th Street (Btw 5/6th Ave.)
営業時間: 11AM~9PM; 店内イートインスペースは18席
Zagat 評価: 24/6/12/$12 (料理/内装/サービス/予算)
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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

北米興行成績 (2013年4月29日)

先週末の北米映画界は、全米公開作2作が登場したが: 

① Pain and Gain (初登場)
② Oblivion (第2週、前週1位)
③ 42 (第3週、前週2位)
④ The Big Wedding (初登場)
⑤ The Croods (第6週、前週3位)
⑥ G.I.Joe: Retaliation (第5週、前週5位)
⑦ Scary Movie 5 (第3週、前週4位)
⑧ Olympus Has Fallen (第6週、前週7位)
⑨ The Place Beyond the Pines (第5週、前週6位)
⑩ Jurassic Park 3D (第4週、前週9位)


事前予想通り、興行収入20百万ドルでトップに立ったのが、マーク・ウォールバーグドゥエイン・ジョンソンが共演した犯罪映画、“Pain and Gain”。1990年代にフロリダ州で実際に発生した、ボディー・ビルダーたちによる犯罪を題材にした映画で、「トランスフォーマー」シリーズなどの大作で知られるマイケル・ベイ監督が珍しく26百万ドルという低予算で撮影した映画だが、そつなく成功した感じ。但し、見た人の平均評価はC+と、あまり高くない。

      Pain and Gain

この映画より10百万ドルも高い35百万ドルの制作費用をかけながら、興行収入わずか8百万ドルで4位に終わったのが、ロバート・デ・ニーロダイアン・キートンら大物が出演したコメディ映画、“The Big Wedding”。こちらは批評家の評判は良いのだが、見た人の平均評価は同じくC+と芳しくない。

      Big Wedding

この他では、マシュー・マコノヒーと先日、飲酒運転で夫を検挙しようとした警察官に抵抗して逮捕されたリース・ウィザースプーンが共演した“Mud"が363館で限定公開され、好評だったようだ。

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ジャンル : 映画

ニューヨークのスイーツ: Doughnut Plant

日本にも2004年に進出し、高級ドーナツ店として話題を呼んだドーナツ・プラント。合成着色料・保存料・化学調味料・人工甘味料は使用しない、自然素材にこだわったドーナツでニューヨーカーからも高い支持を集めているが、このチェルシー店はマンハッタンに2店あるうちの一つ。

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現在改装中のチェルシー・ホテルの1階にあるこの店はいつもドーナツを買い求めに来た客が混雑している。

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今回は、トリプル・チョコレート・ケーキバニラ・ビーン&ジャムを注文。

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当然、ダンキン・ドーナツよりは高いが、自然な甘さのしっとりとしたドーナツで、やはり値段だけの事はある美味しさ!

Doughnut Plant
220 West 23rd Street (Btw 7/8th Ave.)
Tel.212-675-9100
営業時間: 8AM~10PM
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ニューヨークのカフェ: Blue Bottle Cafe ~ サンフランシスコ発のニューウェーブ

オークランドで創業し、今では Four Barrel Coffee Ritual Coffee Roasters と共にサンフランシスコニューウェーブカフェの一角を占める人気コーヒーショップ。

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 サンフランシスコフェリー・ターミナルの店。どこでも行列の盛況ぶり

ニューヨークには2010年に進出し、現在ではマンハッタンに3店舗を構えている(他にブルックリンにもあり)。旗艦店はチェルシー・マーケットの横にある。

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どの店もテイクアウトが主体で、あまり店内でゆっくりできるような雰囲気ではないが、ここチェルシー店の特徴は、2階に東京の喫茶店をイメージしたというこだわりのコーヒーを提供するスペースが設けられていること。

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とは言っても、スパルタンな雰囲気のカウンター席のみなので、日本の喫茶店のような、くつろぎの空間とはあまり言えないような...

このカウンター席で供されるのは、単一の畑から収穫されるこだわりの有機栽培コーヒー豆を使ってサイフォンで丁寧に入れられるコーヒー。

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注文を受けてからコーヒーを淹れている間、コーヒー豆の皮を絞ったジュース?のようなものが出される。これが、爽やかな酸味を感じさせ、結構いける!

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待つ事しばし、ようやく出されたコーヒーは文字通り琥珀色で、やや酸味が勝った、それでもバランスが極めて良い一杯!

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ロックフェラー・センターにある店は、立ち飲みのエリアしかなく、基本的にテイクアウトの店。

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ここはペーパー・ドリップだが、注文を受けてから1杯ずつ淹れていく事には変わらない。

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スナック類の種類は多くないが、クッキーやチョコレートなど、コーヒー同様、オーガニックなものにこだわった品揃え。

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スタバに席巻されているマンハッタンですが、たまにはこういったカフェでコーヒーを楽しむの良いかも知れませんね!

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Blue Bottle Coffee Co.
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