北米興行成績 (2013年9月30日)

新学年が始まって1か月が過ぎ、世の人々が映画を見る余裕が出来てきたせいか、先週末は全米公開された新作が3本に、上映館数を拡大した作品が1本と盛況だったが:

① Cloudy with a Chance of Meatballs 2 (初登場)
② Prisoners (第2週、前週1位)
③ Rush (第2週、前週圏外)
④ Baggage Claim (初登場)
⑤ Don Jon (初登場)
⑥ Insidious Chapter 2 (第3週、前週2位)
⑦ The Family (第3週、前週3位)
⑧ Instructions Not Included (第5週、前週4位)
⑨ We’re the Millers (第8週、前週6位)
⑩ Lee Daniels’ The Butler (第7週、前週7位)


興行収入35百万ドルと、事前予想を下回る成績ながらトップに立ったのが、2009年のヒット・アニメ映画、「くもりときどきミートボール」の続編、“Cloudy with a Chance of Meatballs 2”。アメリカでベストセラーとなった絵本の映画化で、子供たちに親しまれている内容なのが、ヒットの秘訣のようだ。観た人の平均評価は前作と同じくA-

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前週に限定公開でスタートし、先週より全米に上映館数が拡大されたロン・ハワード監督のF1映画、“Rush”は、興行収入10百万ドルで3位に入った。観た人の平均評価はA-と、こちらも好評。

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興行収入9.3百万ドルで4位に入ったのが、ポーラ・パットン(「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 」(11年))主演のロマンチック・コメディ、“Baggage Claim”で、予想をやや下回る成績だったものの、観た人の平均評価はA-と、こちらも好評。

      Baggage.jpg

興行収入9百万ドルと、こちらも予想を下回る成績で5位にとどまったのが、若手演技派俳優ジョゼフ・ゴードン=レヴィットの初監督作品、“Don Jon”。こちらは批評家からの評価は高かったものの、観た人の平均評価はC+と冴えない...

      Don Jon

この他では、前週上映館数4館でスタートした故ジェームズ・ガンドルフィーニと、ジュリア・ルイス=ドレイファスが共演したロマンチック・コメディ、“Enough Said”が上映館数を227館まで拡大した先週、11位まで順位を上げたのが注目される。

 Enough Said
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生誕200周年! ヴェルディの生涯をたどって: その7 〜 円熟の境地

1859年2月の「仮面舞踏会」の初演後、イタリア統一の最中、国会議員に選出されたヴェルディは、しばらく作曲の筆を取ることが出来ない状況が続いたが、ロシアサンクトペテルブルク帝室劇場からの依頼により、新しいオペラの作曲に取り掛かった。

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今回の題材はスペイン人のリバス公ドン・アンヘル・デ・サーベドラ・ラミレス・デ・バンケダーノの戯曲「ドン・アルヴァーロ、または運命の力」でオペラは1861年暮れには完成したものの、ヴェルディが主役に想定していたソプラノ歌手の病気により延期を余儀無くされ、初演は翌シーズンに持ち越しとなった。

サンクトペテルブルクからパリ経由でロンドンに向かったヴェルディ夫妻は、当地で開催された第2回万国博覧会の開会式ために、カンタータ「諸国民の賛歌」を作曲したが、これは主催者側の行進曲を、という依頼に従わなかったために、結局開会式では演奏されずに終わった。ハー・マジェスティック劇場に会場を移して行われた初演は、聴衆の熱狂的な拍手に迎えられ、一応満足したヴェルディは1862年6月にサンターガタに戻った。

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次はいよいよ「運命の力」の初演。入念な準備を経て11月に初演されたこの作品は大成功を収め、ムソルグスキーをはじめとする当時のロシアの若手作曲家達にも大きな影響を与える事になる。

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地元サンターガタに戻ってしばらくは農園経営に専念したヴェルディの次のプロジェクトは、パリ・リリック劇場の依頼による「マクベス」のフランス語版の上演。かねてより、愛着のあるこの作品の改定の必要性を感じていたヴェルディは、これを機会に作品に大幅に手を入れ、1865年4月に上演するが、同時期にオペラ座にて初演されたマイアベーア「アフリカの女」の大成功の影に隠れてしまう。

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マクベスが初演された辺りから、たび重なるパリ・オペラ座からの仕事の依頼を受けていたヴェルディは、それまでの同劇場との度々のトラブルから、返事を先延ばしにしていたが、台本にシラー「ドン・カルロス」を提示され、ようやくその気になる。

 Palais Garnier

途中、オーストリア・プロイセン戦争の勃発や、父の死去などにより作曲の筆はなかなかはかどらなかったものの、1867年3月にようやく初演にこぎつける。初演は賛否両論だったものの、後にイタリア語改訂版も作られたこの作品は、ヴェルディ円熟期の傑作としての評価が定着する事になる。

歌劇「ドン・カルロス」
Don Carlos
ヴェルディ: 歌劇「ドン・カルロス」
ドン・カルロ:ホセ・カレーラス (テノール)
フィリッポ2世:ニコライ・ギャウロフ (バス)
ロドリーゴ:ピエロ・カプッチッリ (バリトン)
エリザベッタ:ミレッラ・フレーニ (ソプラノ)
エボリ公女:アグネス・バルツァ (メゾ・ソプラノ)
大審問官:ルッジェロ・ライモンディ (バリトン)
修道僧:ホセ・ファン・ダム (バリトン)
テバルド:エディタ・グルベローヴァ (ソプラノ)
天の声:バーバラ・ヘンドリックス (ソプラノ)
ヘルベルト。フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル (1978年録音)


ヴェルディ円熟期の傑作は、パリ・オペラ座からの委嘱により作曲されたため、5幕物のフランス語オペラとして完成したが、その後ヴェルディの手によって、5幕や4幕のイタリア語版に変更されたりして、種々の版が存在する事でも知られる。フランス語版はフランス以外ではあまり上演される事はないようだが、最近はメトをはじめとして、5幕のイタリア語版で上演される頻度が高いようだ。

 Met Don Carlo
 メトの舞台

この作品は豊かななドラマと充実した音楽に満ち溢れていて、ヴェルディを聴く醍醐味をたっぷりと味わえる。特に第4幕のフィリッポ二世のアリア「彼女は私を愛してはいない」はバリトンのアリアとしては屈指の傑作で、いつ聴いても心を揺さぶれる名曲。

主要登場人物5人にそれぞれ素晴らしい音楽が割り当てられているため、主役5人の力量がそろわないと上演が難しいオペラでもあるが、カラヤン絶頂期にザルツブルク音楽祭で上演され、大きな話題を呼んだ上演のキャストを起用して録音したこの盤は、カラヤンの音楽作りこそヴェルディの音楽とはやや異質かもしれないが、揃えられた名歌手たちの歌唱は素晴らしい! なお、この盤はイタリア語・4幕版での録音。
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俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員! 〜 フェレル節健在のおバカ・コメディ映画

人気コメディ俳優、ウィル・フェレルザック・ガリフィアナキスが共演した政治風刺コメディ。全米では大統領選の年だった昨年8月に公開され、興行成績面では公開週の2位が最高だった。日本では劇場公開されず、ケーブル・チャンネルのスター・チャンネルで2014年11月に放映された。

      Campaign Poster

ノース・カロライナ州選出の下院議員カム・ブレイディー(フェレル)。4期目に入り、失言やスキャンダルに見舞われるようになっていた。

 Campaign 1

下院選を控える中、彼の奇矯な振る舞いに危惧の念を頂いた地元の有力者、モッチ兄弟(ジョン・リスゴー、ダン・アイクロイド)は代わりとなる候補を擁立しようとマーティー・ハギンズ(ガリフィアナキス)に白羽の矢を立てる。

 Campaign 2

マーティーも地元の別の有力者の家系に連なる人物で、気が優しいのが取り得だが、いかにも頼りなさそう。そこでモッチ兄弟は、辣腕の選挙コンサルタント、ティム(ディラン・マクダーモット)を付けるのだが...

 Campaign 3

ジャンルとしては政治風刺コメディなのだが、風刺よりはコメディに重点が置かれた映画。フェレルガリフィアナキスの掛け合いはそれなりに面白いが、腹を抱えて笑うという程面白い訳もなく、中途半端感が漂う。

 Campaign 4

もうちょっと現代の政治状況に対する風刺が利いていれば面白い映画になったと思うのだが、やや薄っぺらな作品となってしまったのは残念。  ⇒ 6/10点

俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員!
The Campaign (2012年・アメリカ)
監督: Jay Roach
キャスト: Will Ferrell, Zach Galifianakis, Jason Sudeikis, Dylan McDermott, Katherine La Nasa, Sarah Baker, John Lithgow, Dan Aykroyd, Brian Cox, Grant Goodman, Kya Haywood, Josh Lawson ほか
上映時間: 85分


⇒ フェレル主演作「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」(10年)感想

⇒ ガリフィアナキス主演作「デュー・デート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断」(10年)感想
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映画: アイアンマン3

マーベル・コミックスの人気映画シリーズの第3弾。全米では今年5月に公開され、公開週より2週連続で興行成績のトップに立ち、これまでのシリーズの中でも最大のヒット作となったと同時に、歴代興行収入でも5位に入っている。

      Iron Man 3

スーパー・ヒーローで編成された部隊アベンジャーズの一員として戦い、人類を破滅の危機から救ったアイアン・マンこと、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)

 Iron 1

ところが、アメリカ政府はスーパー・ヒーローが国の防衛を担うことを危険視するようになり、これまでの戦いでパニック障害に陥っていたスタークもそれをきっかけに、自身の会社スターク・インダストリーズの経営を恋人のペッパー(グウィネス・パルトロウ)に任せ、新型戦闘スーツの製作に没頭する日々を送っていた。

 Iron 2

そんなある日、マンダリン(ベン・キングスレー)と名乗る正体不明のテロリストが米軍基地を攻撃する。トニーはマスコミを通じて、「戦いならいつでも受けて立つ」と宣言し、自宅の住所を公表する...

 Iron 3

前作「アイアンマン2」(10年)では、自己愛の強いナルシストの億万長者というトニーのキャラクターを描く事に力を入れ過ぎて、アクション映画としての爽快感がそがれてしまった感じがあったのだが、本作はそうした場面を減らす事により、アクション映画としての原点に戻った作品となっている。

 Iron 4

良く考えられたストーリーと派手なアクション・シーンがうまく組み合わさって、アクション映画として文句のない仕上がりぶり。キングスレーガイ・ピアース悪役ぶりも堂に入っている。  ⇒ 8/10点

 Iron 5

アイアンマン3
Iron Man 3 (2013年・アメリカ)
監督: Shane Black
キャスト: Robert Downey Jr., Gwyneth Paltrow, Don Cheadle, Guy Pearce, Rebecca Hall, Stephanie Szostak, James Badge Dale, Jon Favreau, Ben Kingsley ほか
上映時間: 133分


⇒ 「アイアンマン2」(10年)感想
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映画: ザ・イースト

「アナザー・プラネット」(11年)で注目を浴びたブリット・マーリングが主演のみならず、製作・脚本も手がけたサスペンス映画。今年1月のサンダンス映画祭でプレミエ上映され注目を集めた後、全米では5月に限定公開されている。日本では来年の1月31日より全国公開される予定。

      East Poster

健康被害や環境汚染の元凶となっている企業を糾弾し、抗議活動を行う環境テロリスト集団の「イースト」。元FBIエージェントで今はセキュリティ会社に勤めるのサラ(マーリング)は、テロの標的となる事を恐れる企業の依頼を受けた社長のシャロン(パトリシア・クラークソン)に命じられ、彼らの中に潜入してその実態を探るべく、メンバーの一人、ルカ(シロー・フェルナンデス)に接近する。

 East 1

リーダーのベンジー(アレキサンダー・スカルスガルド)に率いられ、企業に対し数々の過激なアクションを行う彼らに怒りを覚えるサラだが、企業によってもたらされた健康被害の実態を目の当たりにするにつれ、次第に彼らの思想に共感していく...

 East 2

時事的な問題をうまく取り入れて、上質なサスペンスに仕上げた映画。

 East 3

任務への使命感と、倫理観との間で揺れ動く主人公をブリット・マーリングが良く演じていて印象的。

 East 4

スケールの大きな物語とは言えないが、こじんまりと良くまとまったサスペンス映画だと思います。「アナザー・プラネット」でもそうだったが、ブリット・マーリングは不思議な存在感を持った女優さん!  ⇒ 8/10点

 East 5

ザ・イースト
The East (2013年・アメリカ)
監督: Zal Batmanglij
キャスト: Brit Marling, Alexander Skarsgard, Ellen Page, Toby Kebbell, Shiloh Fernandez, Julia Oromond, Patricia Clarkson ほか
上映時間: 116分


⇒ マーリング主演の「アナザー・プラネット」(11年) 感想
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