映画: 新婚道中記

1930年代に、ハロルド・ロイドマルクス兄弟ら当時のトップ・コメディアンが主演したコメディ映画を数多く監督した事で知られるレオ・マッケリーが、ケーリー・グラントアイリーン・ダンを起用して1937年に製作したロマンス・コメディ。マッケリーはこの作品で、見事1938年のアカデミー監督賞に輝いている

      Awful Truth Poster

ジェリー(グラント)ルーシー(ダン)夫妻はお互いに浮気を疑い、それが原因で離婚してしまう。

 Awful Truth 1

それでも、まだお互いに相手の事を愛している二人は、何とかまた一緒になりたいと思うが、お互いの意地が邪魔をして、事態はややこしくなっていく...

 Awful Truth 2

本作は、「或る夜の出来事」(34年)と共に、1930年から40年代にかけてアメリカ映画界で流行った「スクリューボール・コメディ」と言われるラブロマンス映画の代表作。この時代のハリウッドでは、男女の恋愛表現については厳しい規制が敷かれていたため、二人が恋に落ちるまでの過程を趣向を凝らして面白おかしく表現する手法が発達したそう。

 Awful Truth 3

今の目から見ると、ちょっとストーリーがわざとらしいと感じられる部分もあるが、主役二人の軽妙なやり取りが絶妙で、素直に楽しめるラブコメディ映画に仕上がっている。

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ケーリー・グラントは当時のハリウッドを代表する二枚目俳優だが、こういったコメディ映画で一番本領を発揮する役者さんだと思う。ヒチコック監督「泥棒成金」(55年)での演技も素晴らしかった!今でいえば、ヒュー・グラント(奇しくも同じグラント!)が近いイメージだろうか。

 Awful Truth 5

アイリーン・ダンも素晴らしい演技。アカデミー主演女優賞に5度もノミネートされた名女優だが、不思議に賞には恵まれなかった。  ⇒ 7/10点

 Awful Truth 6

新婚道中記
The Awful Truth (1937年・アメリカ)
監督: Leo McCarey
キャスト: Cary Grant, Irene Dunne, Ralph Bellamy, Alexander D'Arcy, Cecil Cunningham, Molly Lamont ほか
上映時間: 91分


⇒ ダン出演作「シマロン」(31年)感想
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

オペラ: ばらの騎士 @ メトロポリタン・オペラ

-「影のない女」に続いて、今回はR・シュトラウスの最高傑作、「ばらの騎士」メトで上演された。

 Met 11302013

2009~10年シーズン以来の上演となった今回は米国初演100周年にあたる記念の上演。演出は1969年以来のナサニエル・メリルのもの。

       Rosenkavalier 1

今回の女声のトリオは、伯爵夫人: マルティナ・セラフィンオクタヴィアン: アリス・クーテソフィー: エリン・モーリーという布陣。3人とも良い歌唱だったが、なかでも伯爵夫人役のセラフィンが美しく、温かみのある声で印象に残った。

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オックス男爵役のイギリスのバス、文字色ピーター・ローズは貫禄の歌唱で、コミカルにこの役を演じていた。

 Rosenkavalier 3
 Rosenkavalier 6

指揮はイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督を務めているエドワード・ガーディナーで、こちらは要所要所を締めた安定した音楽作りで好印象。

 Rosenkavalier 4

飛び抜けたものはないが、全体的に水準の高い上演で、この傑作を十分堪能出来ました!

 Rosenkavalier 7

ばらの騎士(1911年、ドレスデン王立劇場にて初演)
演出: Nathaniel Merrill
指揮: Edward Gardner
The Marschallin: Martina Serafin
Octavian: Alice Coote
Sophie: Erin Morley
Baron Ochs: Peter Rose ほか
2013年11月30日、メトロポリタン・オペラ


⇒ 前回感想 
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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

映画: ジャックと天空の巨人

童話の「ジャックと豆の木」をベースにした、「X-MEN」シリーズブライアン・シンガー監督によるアドベンチャー映画。全米では2013年3月に公開され、公開週に興行成績のトップに立ったものの、総製作費185百万ドルをかけた大作としては、興行的には失敗だった。

      Jack.jpg

とある王国。貧しい百姓の青年ジャック(ニコラス・ホルト)は、馬との交換で牧師から何かの種が入った袋をもらう。

 Jack 1

その袋からジャックの家の床にこぼれおちた一粒の種が一晩のうちに巨大な豆の木に成長し、その木をつたって天空から地上に降りてきた巨人族が人間たちを攻撃、王女イサベル(エレノア・トムリンソン)を連れ去ってしまう。

 Jack 2

ジャックは、エドモンド(ユアン・マクレガー)率いる近衛兵たちと一緒に豆の木を登り、巨人族がすむ天空の世界へイサベルを助けに行くが...

 Jack 3

巨額の製作費をかけただけあって、CGを駆使した人間たちと巨人たちとの戦闘シーンは、さすがに見応えがある。

 Jack 4

本作公開前に、ダークなファンタジー映画を意図していたシンガー監督と、ファミリー向けの単純明快なアクション映画を求めていた配給元のワーナー・ブラザーズとの対立が伝えられ、その妥協の産物として、どっちつかずの映画となってしまったのが、興行的に失敗した原因とされているが、確かにそういった中途半端感は感じられる。

 Jack 5

但し、映画としてはそつなくまとまっていて、それなりに楽しめる。マクレガーはちょっと能天気な武将役を好演しているが、主役のホルトは今ひとつ魅力に欠ける。  ⇒ 6/10点

ジャックと天空の巨人
Jack the Giant Slayer (2013年・アメリカ)
監督: Bryan Singer
キャスト: Nicholas Hoult, Eleanor Tomlinson, Ewan McGregor, Stanley Tucci, Bill Nighy, Eddie Marsan, Ewen Bremner, Christopher Fairbank, Ian McShane ほか
上映時間: 114分
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

生誕200周年! ヴェルディの生涯をたどって: その9 〜 シェイクスピアへの挑戦

アイーダの成功により、世界で最も注目される作曲家の一人となったヴェルディだが、このオペラとレクイエムの作曲に精力を使い果たしたのか、その後数年間は作曲活動から遠ざかる日々が続いた。

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1874年には上院議員に選出されたりもしたが、特に政治に情熱を傾ける訳でもなく、むしろその間、テレーザ・ストルツとの仲がスキャンダルを巻き起こしたりしているほかは、あまり目立った事は起きていない。

どうしてもヴェルディに作曲活動を再開してもらいたい出版社のリコルディは、1879年に入ってオペラ「メフィストフェレ」で知られる作曲家で詩人のアッリーゴ・ボーイト(1842~1918年)を引きあわせる。

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ヴェルディは、かってボーイトが若い頃、彼を含む「イタリア音楽の後進性」を批判した事を快く思っていなかったが、彼が書き上げたシェイクスピア「オテロ」のオペラ化台本を読んで気に入ったヴェルディは、ようやく新しいオペラを作曲する気になる。

 Verdi e Boito

それに先立ち、 二人はシモン・ボッカネグラの改訂作業を行うが、1881年3月にミラノ・スカラ座で上演された改訂版においてタイトル・ロールを歌ったバリトン歌手のヴィクトール・マウレルの歌唱に感激したヴェルディは、彼をイヤーゴ役に起用してオテロよりイヤーゴを中心に据えたオペラとして作曲する事を考える。

しかし、かれこれ7年間も作曲活動から遠ざかっているヴェルディの筆はなかなか進まない。ボーイトに対して、数え切れないほど台本の手直しを指示しながら過ごしていた1882年、同年生まれのもう一人の巨星、ワーグナー死去の報がヴェルディの元に届く。

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ワーグナーの死はヴェルディに動揺をもたらしたものの、それでもなかなか作曲のペースは上がらない日々が続いたが、ついに1886年11月にオペラは完成し、翌年2月にミラノ・スカラ座で初演が行われ、圧倒的な成功を収めた。作曲再開を決意してから実に7年もの歳月がたっていた。

 La Scala

歌劇「オテロ」
Otello Karajan
ヴェルディ: 歌劇「オテロ」
オテロ: マリオ・デル・モナコ
デスデモナ: レナータ・テバルディ
イヤーゴ: アルド・プロッティ ほか
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (1961年録音)


長年「リア王」のオペラ化を構想しながら果たせなかったヴェルディが、ボーイトという天才的な台本作家を得て、1848年の「マクベス」以来、久々にシェイクスピアの戯曲のオペラ化に挑戦した作品。

 Met 2012
 メトの2012~3年シーズンのオテロ公演

老境のヴェルディが、当時ヨーロッパに吹き荒れていたワーグナー旋風に対する回答として、それまで彼自身も従ってきたイタリアの番号オペラの伝統の枠を突き破り、作品全体を連続した流れとして構成し、その後のイタリア・オペラの様式の方向性を決定づけた作品としても有名。そのためか、オペラ全体を流れる劇的な緊張感は比類がなく、ヴェルディの偉大さが遺憾なく発揮されている。

 Otello Vienna
ウィーン国立歌劇場の舞台

黄金のトランペットと称えられ、20世紀を代表するオテロ歌いとし名を馳せたマリオ・デル・モナコカラヤンと共演したこのCDは、古典的名盤といわれるもの。

生涯に427回もオテロを演じたといわれるモナコだが、その鋼のような強い声は、しなやかさには欠けるのかも知れないが、オテロが激情に駆られ、悲劇に向かって突き進んで行く様を、カラヤンが作り出すスケールの大きな音楽(ヴェルディにしてはシンフォニックに過ぎるという意見もあるのかも知れないが)の下で、ものの見事に表現している。

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 マリオ・デル・モナコ

当時のイタリアを代表する名ソプラノ、テバルディプロッティら共演陣も好調で、このオペラの素晴らしさを堪能できる。古い録音ながら、音質も良い。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

感謝祭のディナー

今年の感謝祭は、久しぶりにターキーを焼いてみました!

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友人を招いての感謝祭ディナー、大人数でもターキーは余るほど。やはり大きい!

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デザートは友人の手作りのクラフティに、Lady M のパンプキン・チーズケーキPayard Patisserie の トリプル・アップル・タルト

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