二人のピアノのミューズ: ユジャ・ワン と アリス=紗良・オット

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トランスフォーメーション〜ストラヴィンスキー、スカルラッティ、ブラームス、ラヴェル
ストラヴィンスキー: ペトルーシュカからの3楽章
スカルラッティ: ピアノ・ソナタ ホ長調 K.380
ブラームス: パガニーニの主題による変奏曲
スカルラッティ: ピアノ・ソナタ ヘ短調 K.466
ラヴェル: ラ・ヴァルス
ユジャ・ワン (ピアノ)


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リスト: 超絶技巧練習曲集
アリス=紗良・オット (ピアノ)

11月末から12月初旬にかけて、現在注目度上昇中の若手実力派ピアニスト二人がニューヨークでリサイタルを開く予定。

北京生まれのユジャ・ワンは現在27歳。6歳からピアノを始め、北京中央音楽院で学んだ後、2001年に仙台国際音楽コンクールで第3位、審査委員特別賞もあわせて受賞し、2002年から2008年までフィラデルフィアカーティス音楽院で学び、在学中の2003年にチューリッヒデイヴィッド・ジンマン指揮のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団と共演してデビューを果たしている。

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評論家の故・吉田秀和氏も感心した超絶技巧で評判を呼び、現在世界中でソロ・リサイタルや一流オーケストラとの共演など、華々しい活躍をしている。

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このアルバムは、クラシックの名門、グラモフォン・レーベルと契約後、2010年にリリースされた第2弾のアルバムで、彼女の超絶技巧を披露するのに好適なレパートリーが選ばれている。

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ストラヴィンスキーバレエ音楽「ペトルーシュカ」の音楽をピアノ曲にした「ペトルーシュカからの3楽章」は、ポリーニ若き頃の凄まじい演奏が有名だが、切れ味鋭いポリーニに較べ、彼女の演奏はなたでばっさり切ったような豪快な演奏!最後のラヴェルも超絶技巧全開・華やかさ満開の演奏で、スポーツの試合を見るかのような感覚が味わえる。

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ここのところ毎年カーネギー・ホールに客演している彼女だが、コンサートの都度進化した演奏を聴かせてくれていて、技巧だけでなく、昨年のリサイタルでは、ショパンのソナタでの抒情的な旋律の歌わせ方も素晴らしかった。今や疑いなく、若手ピアニストのトップの存在の彼女、今年のリサイタルではどのような演奏を聴かせてくれるか楽しみ!

⇒ 昨シーズンのリサイタル感想

一方のアリス=紗良・オットは、1988年生まれの26歳。ドイツ人の父親と日本人の母親の下、ドイツで生まれ育ち、子供の頃から各種コンクールで優勝するなど、子供の頃からその才能は注目されていた。彼女も2008年にグラモフォンとレコーディング契約を結んで注目され、すでに日本でも人気の高い若手ピアニストとなっている。

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このCDは彼女のデビュー盤で、ユジャ同様、素晴らしい技巧で難曲ぞろいのこのリストの曲集を弾きこなしている。彼女もリストでデビューしたせいか、技巧の勝ったピアニストという印象が強いが、シューベルトベートーヴェンのソナタを聴いても、構成力の確かさや旋律の歌わせ方はなかなかで、ユジャとも甲乙つけがたい感じ。

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昨シーズンにニューヨークに来演した彼女だが、ライブハウスでの演奏で、ピアノの状況も良くなく、彼女のピアノの魅力を知るには物足りないコンサートだったが、今年も日曜の午前中のミニ・コンサート。是非、フル・コンサートで彼女の真価を発揮してもらいたいものなのだが...

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⇒ 昨シーズンのライブ感想
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ロビンとマリアン ~ 中高年となったロビン・フッドの物語

ショーン・コネリーオードリー・ヘプバーンが、老いたロビン・フッドマリアンを演じるリチャード・レスター監督の1976年の作品。ヘプバーンにとっては、1967年の傑作サスペンス「暗くなるまで待って」以来、9年ぶりの映画出演であった。

      Robin and Marian Poster

獅子心王リチャード(リチャード・ハリス)について十字軍遠征に出かけていたロビン・フッド(コネリー)と相棒のリトル・ジョン(ニコール・ウィリアムソン)は、王の死去に伴い、18年ぶりに故郷シャーウッドの森に帰ってくる。

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ところが、シャーウッドでは、新王となった弟ジョン(イアン・ホルム)の悪政に加え、相変わらず宿敵ノッティンガム伯名代の代官(ロバート・ショウ)による圧政に、人々が苦しめられていた。

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今は修道院の院長になっていたマリアン(ヘプバーン)と再会を果たしたロビンは、シャーウッドの人々のため、再びジョン代官たちに立ち向かう事を決意する...

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年を取った時の姿など、多くの人々が想像だにしなかったであろう伝説のヒーロー、ロビン・フッドを、老年の騎士として画面に登場させたレスター監督の意表をつく演出が興味深い映画。

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とはいえ、本作でのコネリーヘプバーンは、本当に年をとって疲れているように見えて、観ているこちらも自分の年を実感してしまう羽目に...

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そんな中でも、やはり大物二人の演技は、老年に達したかっての恋人同士を情感豊かに演じて、それなりに見せてくれるのだが、どうしても企画倒れの感が否めませんでした。  ⇒ 6/10点

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ロビンとマリアン
Robin and Marian (1976年・イギリス/アメリカ)
監督: Richard Lester
キャスト: Sean Connery, Audrey Hepburn, Robert Shaw, Nicol Williamson, Richard Harris, Denholm Elliott, Ronnie Barker, Kenneth Haigh, Ian Holm, Bill Maynard, Esmond Knight, Veronica Quilligan, Peter Butterworth, John Barrett, Kenneth Cranham, Victoria Abril ほか
上映時間: 107分


⇒ ヘプバーン主演作「尼僧物語」(59年)感想
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

本日のバーガー: Steak'n Shake

1934年にイリノイ州で創業した、老舗のバーガー・チェーン。看板商品の Steakburger はパティの旨さで人気がある。

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看板商品の Steakburger (チーズバーガー、フライドポテト付 $3.68)

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ごく標準的なハンバーガーといった感じだが、さすがにパティは旨味がある!

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Steak'n Shake

 Steak 4
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ジャンル : 海外情報

コンサート: アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル

活動の場を着実に広げてきている若手ピアニスト、アリス=紗良・オットのリサイタル!

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今回のリサイタルは、日曜日のお昼前に、リンカーン・センターで定期的に開かれているミニ・リサイタル・シリーズの一環。ミニ・コンサートなので、プログラムはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番リストのパガニーニによる大練習曲の2曲のみ。

まずはベートーヴェン「テンペスト」の副題の通り、緊迫感に満ち溢れた劇的な曲。1楽章の出だしこそ、まだ調子に乗りきれていない様子がありありだったが、次第に調子を上げ、2楽章の旋律の優美な歌わせ方、3楽章の緊迫感に満ちた音楽作りは素晴らしく、強く印象に残る演奏だった。

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2曲目のリストは、ベートーヴェンに輪をかけて素晴らしい演奏で、6曲それぞれの曲想を明確に弾き分け、スケールの大きさと華麗さを存分に表現した秀演!

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残念だったのが会場の音響。通常は映画館として使われている Walter Reade Theater、響きがあまりにもデッドなホールで、残響はほぼ、ピアノのペダルで作り出しているのみで、音がバラバラに聴こえてしまう過酷な条件。これでは、なかなか彼女の演奏の真価は伝わりにくい。昨年のリサイタルはライブハウスで小さいグランドピアノでの演奏だったし、一度是非彼女の演奏をちゃんとした会場で聴いてみたいものなのだが!

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コンサート終了後は別室にお茶とお菓子が用意されていて、しばし歓談出来るというセッティング。彼女も出てきて、お客さんと話をしてくれていたが、朗らかなお嬢さんといった感じで、好感が持てます。 次回は是非ちゃんとしたコンサート・ホールで!

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アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル
Beethoven: Piano Sonata No. 17 in D minor, Op 31-2 "The Tempest"
Liszt: Grandes Etudes de Paganini
2014年11月30日、Walter Reade Theater


⇒ この一枚: アリス=紗良・オット
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テーマ : ニューヨーク
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コンサート: ニューヨーク・フィル定期演奏会 ~ ヒラリー・ハーン登場!

11月のニューヨーク・フィルの定期演奏会に、若手ヴァイオリニストのトップ、ヒラリー・ハーンが登場!

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今回は指揮に、最近注目度が上昇しているオランダの指揮者、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンを迎え、コルンゴールドのヴァイオリン協奏曲にとベートーヴェンの交響曲第7番を中心に据えたプログラム。

コルンゴールドが1945年に作曲したヴァイオリン協奏曲は、後期ロマン派を代表する甘美なコンチェルトだが、ハーンは過度にロマンチックになる事はせず、どちらかと言えば、すっきりとした演奏ながら、豊かなニュアンス付けでこの曲の魅力を過不足なく表現していた。一緒に行った娘は、吸いつくようなボウイングの妙にため息をついていました!

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プログラムの後半、ベートーヴェンのシンフォニーはベートーヴェン円熟期のこれまた豊潤な作品で、ダイナミックなリズムの饗宴といったこの感じを、ズヴェーデンは迫力たっぷりな演奏に仕上げていた。オーケストラのドライヴ力はなかなかで、特に最終第4楽章は、音楽がうなりを上げて迫ってくるという感じで、お客さんも拍手喝采!

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この他、コンサート冒頭には、オランダの作曲家、Johan Wagenaar (1862-1941) の1905年の作品、Cyrano de Bergerac Overture が演奏された(NYフィル初演)。金管の華やかなファンファーレで開始されるこの作品、序曲と名付けられているが、どちらかと言えば、リヒャルト・シュトラウスの交響詩風の作品で、響きにはベルリオーズを感じさせる部分もある。NYフィルのダイナミックな金管群のショーケースとしては好適な作品だった。

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第 15,815回 ニューヨーク・フィルハーモニック 定期演奏会
指揮: Jaap van Zweden
Wagenaar: Cyrano de Bergerac Overture (1905)
Korngold: Violin Concerto in D Major, Op. 35 (1945)
(ヴァイオリン独奏: Hilary Hahn)
Beethoven: Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
2014年11月29日、エイヴリー・フィッシャー・ホール


⇒ ズヴェーデンが2012年4月にニューヨーク・フィルに客演したコンサート感想
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