セッション ~ J・K・シモンズの怪演(?)が印象的な音楽映画

これが長編初監督作品となる新鋭デイミアン・チャゼルによる音楽映画。2014年のサンダンス映画祭グランプリと観客賞に輝いた後、全米では2014年10月に限定公開され、今年のアカデミー賞では、作品賞をはじめ5部門でノミネートされ、J・K・シモンズが助演男優賞に輝いたほか、編集賞・録音賞を受賞している。

      Whiplash Poster

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになる事を夢見る青年ニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(シモンズ)だった。

 Whiplash 1

ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さないフレッチャーに怯えながらも、その指導に必死に食らい付いていき、練習に集中するために恋人のニコル(メリッサ・ブノワ)とも別れるニーマン

 Whiplash 2

だが、ニーマンがバンドの正ドラマーに昇格した後、フレッチャーのレッスンは一段と狂気じみたものになっていくのだった...

 Whiplash 3

音楽映画というよりは、嫉妬や愛憎入り混じった師弟関係の異様な緊迫感が印象に残る映画。アカデミー賞に輝いたJ・K・シモンズの演技は確かに際立っているが、ニュアンスに満ちた演技というよりは、怪演といった方がいいような(と言っても別に異常人格者と言う訳では全然ありません)...

 Whiplash 4

世間では音楽映画としての評価が高いこの作品だが、逆に私は音楽的な要素は非常に希薄な感じを受けた。チャゼル監督は音楽を主題にしたのではなく、あくまでも人間関係を主題にしている感じがするのだが、どうだろうか?  ⇒ 7/10点

セッション
Whiplash (2014年・アメリカ)
監督: Damien Chazelle
キャスト: Miles Teller, J. K. Simmons, Paul Reiser, Melissa Benoist, Austin Stowell, Nate Lang, Chris Mulkey, Damon Gupton, Suanne Spoke, Max Kasch, Jayson Blair, Kofi Siriboe, Kavita Patil, Michael Cohen, Kofi Siriboe, April Grace, Henry G. Sanders ほか
上映時間: 106分
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ニューヨーク・フィル定期演奏会: ツィンマーマン練達のシベリウス!

アンネ・ゾフィー・ムターと共にドイツを代表するヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマンニューヨーク・フィルへも毎年のように客演しているが、今シーズンは、今年生誕150年の記念イヤーを迎えるシベリウスのコンチェルトを引っ提げて登場!

 NYPO 1

指揮者にフィンランドサカリ・オラモを迎えての本日のコンサートは、後半にはブラームスの交響曲第2番という、王道のプログラム。まずは前半のシベリウスのコンチェルト。思いのほかテンポやダイナミクスの振幅を大きく取った演奏なのだが、相変わらずボウイングのコントロールが素晴らしいので、音楽が乱れると言う事が一切ない、言ってみれば自由闊達な演奏。聴き手はまさにねじ伏せられるといった感じ! いつもの彼の演奏のイメージとはちょっと違う印象を持ったのは、コンサートの数日前に、愛用していたストラディヴァリウスの名器を、所有者のドイツの銀行が破たんしたために、その資産を引き継いだ金融会社に返却せざるを得ず、グァルネリのヴァイオリンを使用していたからかもしれない。

 NYPO 2
 NYPO 3

後半のブラームスは、正攻法で直球勝負といった感じの、ダイナミックでストレートな演奏で、この名曲を素直に堪能出来るものだった。

 NYPO 4

この他、プログラムの1曲目として、シベリウスの1914年の交響詩「大洋の女神」が演奏されました。

 NYPO 5

第15,865回 ニューヨーク・フィルハーモニック定期演奏会
指揮: Sakari Oramo
Sibelius: Tone Poem "Aallottaret", Op 73
Sibelius: Violin Concerto in D minor, Op. 47
(ヴァイオリン独奏: Frank Peter Zimmermann)
Brahms: Symphony No 2 in D Major, Op 73
2015年2月28日、エイヴリー・フィッシャー・ホール


⇒ ツィンマーマンが客演した2013年のウィーン・フィル・ニューヨーク公演感想
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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

今週のジュリアード

プレカレッジの生徒に年に一度課せられているリサイタル。今年も娘の番がやって来ました。

 Juilliard 1

前の週は、高校のオーケストラのヨーロッパ演奏旅行で1週間出かけていた上に、帰って来たら風邪を引き込み、追い込みの時期に練習不足だった上に、本番2日前に伴奏のピアニストが何と指を骨折! かろうじて代わりのピアニストが見つかったものの、ぶっつけ本番の雰囲気濃厚な中で臨んだリサイタルだったが、思いのほか良く弾けたようで、ハラハラしながら聴いていたこちらもホッとしました!

 Juilliard 2

【プログラム】

J.S. Bach: Sonata for Solo Violin No. 1
Chausson: Poeme
Brahms: Violin Concerto No. 1 - 1st Movement
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ジャンル : 音楽

海外特派員 ~ 名作「レベッカ」と同じ年に発表されたヒチコック監督の佳作

アルフレッド・ヒチコック監督ハリウッドに活動の拠点を移した後の2作目の作品。アメリカでは1940年に公開され、翌年のアカデミー賞では、作品賞をはじめ6部門でノミネートされたものの、受賞はならなかった。代わって、同じ年に公開された同じヒチコック監督「レベッカ」が、11部門でノミネートされ、作品賞と撮影賞を受賞している。なお、作品賞を受賞しながら、監督賞や男女優賞のいずれにも受賞しなかったのは、1936年以降ではこの作品のみ

 Foreign Correspondent Poster

第2次世界大戦前夜の1938年、ニューヨーク・グローブ紙の記者ジョン(ジョニー)・ジョーンズ(ジョエル・マクリー)は、特派員として派遣されたロンドンで、和平の鍵を握るオランダの政治家、ヴァン・メア(アルバート・バッサーマン)への取材を試み、そこでヴァン・メアの後援者である富豪のフィッシャー(ハーバート・マーシャル)の娘キャロル(ラレイン・デイ)と出会う。

 Foreign Correspondent 2

ヴァン・メアが出席する平和会議を取材するためにアムステルダムに向かったジョニーだが、そこでヴァン・メアの暗殺現場に遭遇してしまう。

 Foreign Correspondent 1

暗殺犯人を追って風車のある場所まで来たジョニーだったが、実はヴァン・メアは暗殺されていなかった...

 Foreign Correspondent 3

当時の世界情勢を巧みに舞台設定に織り込みながら、ヒチコックらしさ全開のストーリーが展開される秀作サスペンス。

 Foreign Correspondent 4

なおヒチコックは、ジョニーヴァン・メアが出会う場面で、お決まりのカメオ出演をしている。  ⇒ 8/10点

 Foreign Correspondent 5

海外特派員
Foreign Correspondent (1940年・アメリカ)
監督: Alfred Hitchcock
キャスト: Joel McCrea, Laraine Day, Herbert Marshall, George Sanders, Albert Basserman, Robert Benchley, Edmund Gwenn, Harry Davenport, Eduardo Ciannelli, Martin Kosleck, Eddie Conrad, Crauford Kent, Gertrude W. Hoffman, Jane Novak, Louis Borrell, Eily Malyon, E.E. Clive ほか
上映時間: 120分


⇒ ヒチコック監督の「39夜」(35年)感想 ~ オススメ!
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ウィーン・フィル演奏会 〜 実力発揮のブラームス!

毎年のようにニューヨークを訪れているウィーン・フィル、今シーズンはイタリアの指揮者、ダニエレ・ガッティと共にカーネギー・ホールに来演。

 VPO 3

今回は、3夜にわたるオール・ブラームス・プログラムと、ウィーン・フィルにとってはまさに王道のプログラム。私が聴いたのは、その第1夜で、交響曲第1・3番が演奏された。

      VPO 1

最近は、団員の世代交代も進んだせいか、かっての、一聴してウィーン・フィルと分かるような、独特の艶やかなサウンドが後退した印象が強いのだが、この日の1曲目の交響曲第3番でも、同様の印象を受けた。

  VPO 2

迫力十分の重厚な演奏で、イタリアン人らしくない演奏だが、リズムがちょっと重く、音楽がやや間延びしがちなのが残念。

 VPO 4

後半の第1番も、演奏の傾向は変わらないが、3番の後半辺りからエンジンがかかり始めたオケが、この曲では実力全開。特にヴァイオリンをはじめとする弦楽器群が、かってのウィーン・フィルを彷彿とさせる艶のある美音と分厚い響きの中でも繊細にニュアンスを表現出来る能力の高さを発揮。合奏の精度も一段と上がった感じで、他のどのオケにも真似出来ないようなブラームスの世界を聴かせてくれ、大満足!4楽章冒頭のホルンのソロなど、ウィンナ・ホルンが天国的な響き!

 VPO 5
 来年引退予定のコンサート・マスター、ライナー・キュッヒルと握手を交わすガッティ

こうなってくると、指揮者はどうでも良くなってくるが、ガッティはしっかりとした手綱さばきで、こちらはフィナーレまで間延びする事なく、この名曲を堪能させてくれた。

  VPO 6

かっては、ベルリン・フィルと共に女性禁制だったこのオケも、 時代の流れか、かなり女性奏者も加入しているようで(現在総団員138人のうち、12人!)、団員の国籍も多様化もしているのか、かなりインターナショナルな性格のオケに変貌してきていたが、この日の演奏を聴くと、さすがウィーン・フィルと思わせる実力を存分に発揮してくれて嬉しい!

 VPO 7

ウィーン・フィル演奏会
指揮: Daniele Gatti
All Brahms Program
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
Symphony No. 1 in C minor, Op. 68
2015年2月27日、カーネギー・ホール


⇒ 昨年の訪米公演感想
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