2016年: 今年を振り返って

早いもので、今年もニューヨークは大晦日になりました。ニューヨーク生活通算12年目となった今年も、いつものように紅白を見ながらまったりとしているところですが、恒例の、1年の振り返えりにお付き合いください!


◎ 映画

今年観た映画のトップ5は:

1. ブルックリン: 1950年代初頭にブルックリンに移住してきたアイルランドの若い女性をシアーシャ・ローナンが等身大に、素晴らしく演じて今年最も印象に残った秀作!

 Brooklyn 2

⇒ 「ブルックリン」(15年)感想

2. オデッセイリドリー・スコット監督のストーリーテリングの巧みさとマット・デイモンの説得力に溢れた演技!

 Martian 2

⇒ 「オデッセイ」(15年)感想

3. FAKE: BREXIT や都知事選、米大統領選挙など、今年ほどマスメディアの果たすべき責任について考えさせられなかった年はなかったと思っているのだが、この作品は、時代の寵児としてマスコミにもてはやされた存在から一転してゴーストライター騒動で悪人扱いされるまでになった佐村河内守の姿を追った森達也監督の秀作ドキュメンタリー。来年こそ、マスメディアが一般大衆の覗き見嗜好におもねる事なく、公正に真実を追求する姿勢を貫いてくれますように。

 FAKE 5

⇒ 「FAKE」(16年)感想

4. キャロルケイト・ブランシェットルーニー・マーラの演技が光る情感溢れるロマンス映画!

 Carol 2

⇒ 「キャロル」(15年)感想

5. ファンタスティックビーストと魔法使いの旅ハリーポッターの世界を新たに蘇らせてくれた愉しいファンタジー映画!

 Fantastic Beasts 1

⇒ 「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」(16年)感想

◎コンサート

セミヨン・ビシュコフ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 演奏会: ベルリン・フィルへの鮮烈なデビューで、次世代を担う有力指揮者と目された事もあるビシュコフ、パリ管の音楽監督を退任した後は、あまり目立たない存在になってしまったのだが、今回のコンセルトヘボウとのマーラーの交響曲第5番では、彼の実力を最大限に発揮した名演で、これまで聴いたこの曲の演奏でも一、二を争う素晴らしいものだった!

 ACO 4

⇒ 演奏会 感想

続いて、サイモン・ラトルが久々にメトの指揮台に上がり、彼らしい、高解像度の新世代ワーグナーを聴かせてくれた新演出のトリスタンとイゾルデ。歌手陣の素晴らしい歌唱も特筆ものだった!

 Tristan 12

⇒ トリスタンとイゾルデ 感想

そして、音楽・歌唱・演出全てが高次元でまとまり、現代オペラには珍しく、もう一度観たいと思わせたカイヤ・サーリアホの遥かなる愛(メト)

 Amour 06

⇒ 遥かなる愛 感想

地元ニューヨーク・フィルの演奏会からは次の二つ: 一時は次期音楽監督の有力候補とも目されたエサ=ペッカ・サロネン指揮によるメシアンのトゥーランガリーラ交響曲。ピアノ・ソロにユジャ・ワンを招くと言う豪華版だった!

 NYPO 3

⇒ 演奏会 感想

今年87歳のベルナルト・ハイティンクによる入魂のマーラー交響曲第9番も記憶に残る名演だった!

 NYPO 4

⇒ 演奏会 感想

◎ レストラン

今年はフランス料理店で記憶に残る店が二つ:

まずは本場パリで活躍するアメリカ人シェフ、Daniel Roseニューヨークへの凱旋デビューとなった Le Coucou。堂々たるフランス料理の数々に圧倒された!

 Coucou 07

⇒ Le Coucou 訪問記

そして、バーのようなセッティングで弱冠25歳の女性シェフが作り出す驚きのフランス料理が話題を呼んだ Mimi。残念ながらその Liz Johnson は店を辞めてしまったのだが…

 Mimi 08

⇒ Mimi 訪問記

もう一つ、野菜を中心に据えた洗練されたテイスティング・メニューでミシュランの星も獲得したブルックリンの Semilla

 Semilla 06

⇒ Semilla 訪問記

こう書いているうちに、ちょうど新年となりました。皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお付き合い下さい!

 Happy New Year!
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蕎麦鳥人で忘年会!

大晦日は恒例の家族忘年会。息子が日本に帰っているため、今回は3人で蕎麦鳥人に。

 Soba 01

すくい豆腐で初めて焼き鳥、そして最後に年越し蕎麦で締めくくりました!

 Soba 02
 Soba 03
 Soba 05
 Soba 06
 Soba 07
 Soba 08
 Soba 09

蕎麦鳥人
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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

ギャラクシー街道 〜 時々大きく外すのが三谷幸喜らしい!

三谷幸喜監督による最新作は、初のSFコメディー。木星のそばに作られた人工居住区「うず潮」と地球を結ぶギャラクシー街道沿いにある、とある飲食店に集まる異星人たちが織りなす物語を、綾瀬はるか香取慎吾を始めとするオールスター・キャストで描いている。日本では2015年10月に全国公開されている。

      Galaxy Poster

西暦2265年、木星のそばに作られた人工居住区「うず潮」は、ギャラクシー街道と呼ばれる宇宙幹線道路で地球と結ばれていた。開通後150年が経ち、老朽化が目立ってきた街道沿いで、ノア(香取)ノエ(綾瀬)の夫婦とパートタイムのハナ(大竹しのぶ)で営業しているハンバーガー・ショップが、サンドサンドバーガー・コスモ店

 Galaxy 1

この店には、様々な星からそれぞれに事情を抱えた異星人たちが集まってくるのだが…

 Galaxy 2

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、テレビ・ドラマではことごとくヒットを生み出している三谷幸喜監督だが、映画となると、不思議な事にわざとやっているのではないかと思うほど、外した作品を生み出す事がある。この作品はその中でも最たるもの、といった感じ。

 Galaxy 3

三谷作品らしいオールスター・キャストで、それぞれの俳優たちが肩の力を抜いて個性的な宇宙人役を嬉々として演じているのは伺えるのだが、見ている方にとっては、それが全然面白くないという不思議な作品。

 Galaxy 4

両性具有の宇宙人メンデスを演じる遠藤憲一の出産シーンなど、なりふり構わぬ怪演なのだが、それが空回りしているのが、ちょっと悲しい。。。 他に出演は、小栗旬山本耕史優香西田敏行ら。 ⇒ 4/10点

 Galaxy 5
 Galaxy 6

ギャラクシー街道
(2015年・日本)
監督: 三谷幸喜
キャスト: 香取慎吾、綾瀬はるか、大竹しのぶ、遠藤憲一、小栗旬、優香、梶原善、西田敏行、山本耕史、浅野和之、秋元才加、阿南健治、段田安則、西川貴教、石丸幹二 ほか
上映時間: 109分


⇒ 三谷監督作品「清須会議」(13年)感想

⇒ 香取慎吾 出演作「人類資金」(13年)感想

⇒ 綾瀬はるか 主演作「万能鑑定士Q ーモナリザの瞳ー」(14年)感想

⇒ 大竹しのぶ 主演作「一枚のハガキ」(10年)感想

⇒ 遠藤憲一 出演作「ツナグ」(12年)感想オススメ!

⇒ 小栗旬 主演作「ルパン三世」(14年)感想

⇒ 優香 主演作「体脂肪計タニタの社員食堂」(13年)感想オススメ!

⇒ 西田敏行 出演作「武士の献立」(13年)感想
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ナブッコ @ メトロポリタン・オペラ 〜 全盛期のレヴァインを思わせる熱演!

2016年最後のメトでのオペラは、ヴェルディの出世作、ナブッコ

 Nabucco 01

今回の上演は、前音楽監督のジェームズ・レヴァインに、タイトル・ロールにはプラシド・ドミンゴという、かってのゴールデン・コンビの共演が目玉だったのだが、ドミンゴヴェルディ・バリトン役にどうしても違和感を拭えない私は、ジェリコ・ルチッチが出演した日を選択。

      Nabucco 02

そのルチッチだが、声の威力はなかなかなのだが、相変わらず感情表現の幅が感じられない薄口の歌唱。2015年11月のリゴレットでは、一皮むけたかと思われたのだが、また元に戻ってしまったようで残念。やはりドミンゴの回にすればよかったか…

 Nabucco 03
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ナブッコと並んで、このオペラで重要な役割を果たすアビガイッレ役ウクライナのソプラノ、リュドミラ・モナスティルスカ。私が彼女を聴いたのはメト・デビューだった2012年12月のアイーダ。その後もメトに出演していたにもかかわらず、何故か聴く機会に恵まれなかったのだが、今回久しぶりに彼女の歌唱を聴いたが、持ち前のスケールの大きさ、声の美しさに加え、この役に必要な激しい感情表現も十分で印象深かった!

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この他、フェネーナ役ジェイミー・バートンイズマエーレ役ラッセル・トーマスザッカリア役ドミトリー・ベロセルスキーは、それぞれ安定した歌唱。特にトーマスの伸びやかな歌声が好ましかった。

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実はこの日一番目立ったのは指揮のレヴァイン。全盛期を彷彿とさせる気力みなぎる音楽作りで、ヴェルディの雄弁な音楽をものの見事に表現していた! この前聞いた「アルジェのイタリア女」では、音楽に生気が欠ける印象を受けたのが気がかりだったのだが、少し安心。

 Nabucco 10

そして忘れてはならないのが合唱。イタリアの第二の国家と言われる「わが想いよ、金色の翼に乗って行け」メトの合唱団が感動的に歌ってくれて、観客の盛大な拍手に応えてアンコールも!2001年にプレミエ上演が行われたエリジャ・モシンスキーの大がかりな舞台は、この作品のスケールにふさわしいものと感じられる。

 Nabucco 11
 Nabucco 12

Nabucco (1842年、ミラノ・スカラ座にて初演)
演出: Elijah Moshinsky
指揮: James Levine
Nabucco: Zeljko Lucic
Abigaille: Liudmyla Monastyrska
Fenena: Jamie Barton
Ismaele: Russell Thomas
Zaccaria: Dmitry Belosselskiy
2016年12月30日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2011年10月の前回上演感想

⇒ ルチッチ出演のメト「サロメ」感想

⇒ モナスティルスカ出演のメト「アイーダ」感想

⇒ レヴァイン指揮のメト「アルジェのイタリア女」感想
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ぼくとアールと彼女のさようなら 〜 サンダンス映画祭で絶賛された佳作!

大ヒットテレビ・ドラマ「glee/グリー」などテレビ・ドラマで活躍しているアルフォンソ・ゴメス=レホン監督の長編映画第2作で、ジェシー・アンドリュースの同名小説を映画化したもの。2015年のサンダンス映画祭で絶賛され、グランプリと観客賞をダブル受賞して話題となった。北米では同年8月に限定公開されているが、日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなった。

      Me and Earl and the Dying Girl Poster

ピッツバーグの高校に通い、大学受験を目前に控えたグレッグ(トーマス・マン)。人付き合いが苦手な彼は、受験準備にもあまり身が入らず、唯一の友人、アール(RJ・サイラー)と名作映画のパロディーを作って時間をつぶしていた。

 Earl 1

そんなある日、グレッグ両親(ニック・オファーマンコニー・ブリトンに言われ、気が進まないながらも、白血病にかかっている幼馴染のレイチェル(オリヴィア・クック)を見舞いに行く。

 Earl 2

初めはなかなか打ち解ける事が出来ない彼らだったが、レイチェルの枕のコレクションをグレッグが気に入った事から次第に心を許し合っていく。そんな彼を見て、アールグレッグに関心を寄せるマディソン(キャサリン・C・ヒューズ)が、レイチェルに捧げる映画を作る事をグレッグに勧めるのだが…

 Earl 3

人と接する事が苦手な高校生の男女が、周囲が温かく見守る中で、心を通わせていくさまを描いたハートウォーミングな青春映画。

 Earl 4

主人公グレッグの何事にも煮えきらない行動は(個人的には)見ていてイライラとさせる感じもあるのだが、ゴメス=レホン監督は、あくまでもそんな若者たちを温かい眼差しで共感豊かに描いていて、それが米国で観客の心をつかんだ理由だろうか。

 Earl 5

ハッピーエンディングではないのだが、見ていてどことなく心温まる佳作。日本ではなぜ劇場公開されなかったのだろうか?  ⇒ 8/10点

 Earl 6

ぼくとアールと彼女のさようなら
Me and Earl and the Dying Girl (2015年・アメリカ)
監督: Alfonso Gomez-Rejon
キャスト: Thomas Mann, RJ Cyler, Olivia Cooke, Nick Offerman, Connie Britton, Katherine C. Hughes, Molly Shannon, Jon Bernthal, Chelsea Zhang, Natalie Marchelletta, Matt Bennett, Bobb'e J. Thompson, Karriem Sami, Marco Zappata, Etta Cox ほか
上映時間: 106分
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