ボストン交響楽団 演奏会

シーズンに数回、カーネギー・ホールに客演するボストン交響楽団。今シーズンも音楽監督のアンドリス・ネルソンスと共に2月28日から3日にわたってカーネギー・ホールに来演!

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私が訪れたのは2月28日の回で、当日のプログラムはグバイドゥーリナの3重協奏曲に、「レニングラード」の通称で知られるショスタコーヴィチの長大な交響曲第7番

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ロシア・タタールスタン共和国出身のグバイドゥーリナの新作で、本日の演奏会に先立って 2月23日にボストンで同じコンビによって初演されたばかりの3重協奏曲、ヴァイオリンとチェロに加えて、彼女が好んで使っているロシアの民俗楽器でアコーデオンの仲間であるバヤンを使用しているのが面白い。

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そのバヤンのどことなく幻想的な音色から始められるこの曲、25分ちょっとの演奏時間の中で、3つの楽器が絡み合いながら曲が進められていくが、ところどころ響きにグバイドゥーリナらしさを感じさせる部分があるものの、どことなく取り止めがない印象。ソリストはバヤンエルスベス・モーザー、ヴァイオリンのバイバ・スクリデ、チェロのハリエット・クリーヒと全員女性だった。

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第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍とのレニングラード包囲戦のさなかで作曲されたこの長大なシンフォニー、第1楽章が30分近くと、他の3楽章(合わせて45分前後)に比べ圧倒的に長いという、特異な構成で、その第1楽章途中から小太鼓の切れ目ないリズムに乗って展開される「戦争の主題」は凄まじい迫力。

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ネルソンスは小太鼓を際立たせる事によって大軍勢が進撃しているかのような圧倒的な音響を作り出しているが、その比類ない迫力の反面、どことなく音楽が空虚に響いている感じも受ける。この第1楽章に比し、残りの3楽章は、ショスタコーヴィチとしてはやや音楽の密度が低い感じもあり、ネルソンスとオーケストラの熱演もあって、演奏終了後はブラボーの声と共に満場割れんばかりの拍手に会場が包まれたものの、個人的にはあまり満足感は得られなかった。

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ショスタコーヴィチの15ある交響曲の中で、本作は傑作/駄作の評価が分かれる曲のようだが、私は駄作とまでは言わないものの、どちらかといえば、後者の意見。

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ボストン交響楽団 演奏会
指揮: Andris Nelsons
Gubaidulina: Triple Concerto for Violin, Cello, and Bayan (2017、ニューヨーク初演)
ヴァイオリン独奏: Baiba Skride
チェロ独奏: Harriet Krijgh
バヤン独奏: Elsbeth Moser
Shostakovich: Symphony No. 7 in C Major, Op. 60
2017年2月28日、カーネギー・ホール


⇒ 2015年のボストン響カーネギーホール公演 感想
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北米興行成績 (2017年2月27日)

作品賞の発表を間違えるという、アカデミー賞史上初めてのハプニングが起きた先週末、3作の全米公開作がデビューしたが、明暗が分かれた:

① Get Out (初登場)
② The LEGO Batman Movie (第3週、前週1位)
③ The Great Wall (第2週、前週3位)
④ John Wick: Chapter Two (第3週、前週4位)
⑤ Fifty Shades Darker (第3週、前週2位)
⑥ Fist Fight (第2週、前週5位)
⑦ Hidden Figures (第9週、前週5位)
⑧ La La Land (第12週、前週9位)
⑨ Split (第6週、前週7位)
⑩ Lion (第14週、前週圏外)


興行収入31百万ドルで、前週まで2週連続トップだった "The LEGO Batman Movie" に代わってトップに立ったのが、昨年のサンダンス映画祭で絶賛されたホラー・コメディ、"Get Out"。この手の映画としては極めて珍しく、批評家からあまねく絶賛されていて、観た人の平均評価も A-

      Get Out Poster

中国・アメリカ合作のアニメ映画 "Rock Dog" は、興行収入 3.7百万ドルとギリギリでトップ10入りを逃している。観た人の平均評価は B+ とまずまず。

      Rock Dog Poster

ニコラス・ホルトフェリシティ・ジョーンズが共演したアクション映画 "Collide" は、興行収入わずか 1.5百万ドルと惨敗。観た人の平均評価も C+ と芳しくない…

      Collide Poster

ランキング10位以内はほとんど順位に変動がない中、アカデミー作品賞にもノミネートされた "Lion" がその効果もあったのか、公開14週目にして再びトップ10入りしているのが注目される。

 Lion 1

限定公開作では、アカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされた "My Life as a Zucchini"ニューヨークロスの2館で公開され、評判が良いようだ。

      My Life as a Zucchini Poster
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La Sirene 〜 NY在住フランス人に人気のビストロ

ニューヨーク在住のフランス人に人気のあるビストロと聞いて訪問したのが、ウェスト・ヴィレッジにある La Sirene

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ウェスト・ヴィレッジのかなり外れにあるこじんまりとした店だが、ディナー・タイムはお客さんでいっぱいに。

 Sirene.jpg


さて、メニューを見ると典型的なビストロのメニューが並んでいる。その中から選んだのが:

【Sepios Saute a la Provencale sur un Lit de Salade】


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プロヴァンス風に、ニンニク風味のパン粉をつけてソテーしたイカ。火の通し方が絶妙で、ニンニクの風味が食欲をかきたてる!

【Soupe a l' Onion Gratinee】

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こちらは王道のオニオン・グラタン・スープ

【Kassulet Toulousain de la Maison】

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この季節には外せないカッスーレ(本来フランス語では Cassoulet だが、なぜかこの店では Kassulet)。シェフ独自のレシピだそうだが、白インゲン豆がふっくらと仕上がっていて、体が芯から温まる一品。ソーセージに、トゥールーズ風なので、正調に肉はガチョウのコンフィ!但し、とんでもないボリュームなので、ご用心を。

【Lapin Braisee Dijon a la Creme, Vin Blanc et Garniture Aromatique】

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こちらは最近レストランでもあまり見かけることがなくなった、クラシックなビストロ料理、うさぎのマスタード風味。こちらも懐かしい味!

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別途温野菜の付け合わせも付いてきて、お腹は飽和状態に。。。 それでも別腹のデザートはしっかりと頂きました!

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タルトタタンは、どちらかと言えばアップルパイといった感じで、中途半端な感じがあったのが残念…

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La Sirene
558 Broome Street (Btw Varick St & 6th Av)
Tel. 212-925-3061
営業時間: 5:30-10:30PM (金・土: -11PM; 日: -10PM)
Zagat 評価: 4.4/3.7/4.2/$$$ (料理/内装/サービス/予算)
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アカデミー賞発表で作品賞を誤って発表してしまう前代未聞の珍事!

史上最多タイの14部門でノミネートされた「ラ・ラ・ランド」が絶対的な本命として迎えた今年のアカデミー賞

ドナルド・トランプの大統領就任後、特に入国制限に関する大統領令を布告して以来、映画界からは一様に批判的な発言や抗議活動が目立ってきているが、本日も受賞スピーチでは、その点に言及する受賞者が多かった。

 Viola Davis
 エモーショナルなスピーチが印象的だった助演女優賞受賞のヴィオラ・デイヴィス ("Fences")

序盤の技術・美術系の部門では「ラ・ラ・ランド」はノミネートされた5部門中、美術賞のみの受賞にとどまり、早くも史上最多部門受賞の夢はついえ、ここでは編集賞と録音賞を獲得したメル・ギブソン監督「ハクソー・リッジ」が目立っていた。

 Hacksaw Ridge

今年の演技部門は番狂わせがなく、主演女優賞のエマ・ストーン(「ラ・ラ・ランド」)主演男優賞のケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)らが順当に受賞。

 Emma Stone
 Casey Affleck

監督賞を「ラ・ラ・ランド」のデミアン・チャゼル監督が取ったところまでは順当だったのだが、最後の作品賞の発表のところで、プレゼンターのウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイが読み間違えて「ラ・ラ・ランド」を受賞作品と発表してしまうという前代未聞のハプニング!作品賞は、「ラ・ラ・ランド」の対抗馬と見なされていた "Moonlight" が受賞していた事が判明!

 Faye and Warren
 プレゼンターのウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイ
 Moonlight.jpeg
 作品賞に輝いた "Moonlight" のキャスト・スタッフ

結局、「ラ・ラ・ランド」ノミネートされた14部門中、監督・主演女優賞など6部門で受賞という結果となりました。

 Damien Chazelle
 弱冠32歳での監督賞受賞となったデミアン・チャゼル監督

各部門の受賞は以下の通り:

Best Picture: Moonlight
Best Director: Damien Chazelle (La La Land)
Best Actor: Casey Affleck (Manchester by the Sea)
Best Actress: Emma Stone (La La Land)
Best Supporting Actor: Mahershala Ali (Moonlight)
Best Supporting Actress: Viola Davis (Fences)
Best Adapted Screenplay: Moonlight
Best Original Screenplay: Manchester by the Sea
Best Cinematography: La La Land
Best Foreign Language Film: The Salesman (Iran)
Best Animated Feature: Zootopia
Best Original Score: Justin Hurwitz (La La Land)
Best Original Song: "City of Stars" from La La Land
Best Costume Design: Fantastic Beasts and Where to Find Them
Best Makeup and Hairstyling: Suicide Squad
Best Production Design: La La Land
Best Film Editing: Hacksaw Ridge
Best Sounding Editing: Arrival
Best Sound Mixing: Hacksaw Ridge
Best Visual Effects: The Jungle Book
Best Documentary Feature: O.J.: Made in America
Best Documentary Short: The White Helmets
Best Animated Short Film: Piper
Best Live Action Short Film: Sing
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マンチェスター・バイ・ザ・シー 〜 ケイシー・アフレックがアカデミー主演男優賞を獲得!

「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02年)の脚本などで知られるケネス・ロナーガン監督が、ケイシー・アフレックを主演に迎えて撮りあげた人間ドラマ。 2016年のサンダンス映画祭でプレミエ上映されて高い評価を得た後、全米では11月に限定公開され、上映館数が拡大された公開5週目に興行ランキングの6位にランクインしている。今年のアカデミー賞では、作品・監督賞を始め6部門でノミネートされ、アフレックが見事主演男優賞に輝いている。

      Manchester by the Sea

ボストン郊外で便利屋をして生計を立てている孤独な男リー(アフレック)は、兄のジョー(カイル・チャンドラー)が急死したとの報を受け、生まれ故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。

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兄の遺言で、16歳になる甥のパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受ける事になった彼は、彼の面倒を見るために故郷にとどまるうちに、自身が周囲に心を閉ざすきっかけとなった過去の痛ましい事件と向き合う事になる…

 Manchester 2

米国東部、マサチューセッツ州の冬の陰鬱な空の下、過去に自分が引き起こした悲劇から、周囲に心を閉ざしてしまった男が、甥との交流を通じて過去と向き合っていく姿を、淡々と追った映画。

 Manchester 3

といっても、陰鬱なままの映画というわけではなく、いきなり同居する事となったリーパトリックのちぐはぐでコミカルな会話が、画面に軽やかさをもたらしていて、重苦しい映画になるのを防いでいる。

 Manchester 4

悲しさを内に秘めながら孤独に生きてきた男を演じるアフレックはさすがだし、アカデミー助演男優賞に輝いたヘッジズ、出番は少ないながら同じくアカデミー助演女優賞に輝いたリーの元妻ランディ役のミシェル・ウィリアムズらも説得力のある演技で映画を引き締めている。いい映画だと思うが、どことなくアカデミーの会員が好きそうなストーリーで映画を作りました、という印象を受けるのは私だけだろうか…  ⇒ 8/10点

 Manchester 5

マンチェスター・バイ・ザ・シー
Manchester by the Sea (2016年・アメリカ)
監督: Kenneth Lonergan
キャスト: Casey Affleck, Lucas Hedges, Michelle Williams, Kyle Chandler, Ben O'Brien, Gretchen Mol, C.J. Wilson, Tate Donovan, Kara Hayward, Anna Baryshnikov, Heather Burns, Erica McDermott, Matthew Broderick, Oscar Wahlberg ほか
上映時間: 137分


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⇒ ウィリアムズ出演作「オズ はじまりの戦い」(13年)感想
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