ノクターナル・アニマルズ 〜 またしてもトム・フォードのセンスが光る!

監督デビュー作「シングルマン」(09年)で注目を集めたファッション・デザイナー、トム・フォードの監督第2作で、オースティン・ライトが1993年に発表したサスペンス小説「ミステリ原稿」を映画化。2016年のヴェネツィア映画祭でプレミエ上映された後、全米では同年11月に限定公開され、上映館数が拡大された公開4週目に興行ランキングの8位にランクインしている。今年のアカデミー賞ではマイケル・シャノン助演男優賞にノミネートされた。

      Nocturnal Animals

ロサンゼルスでアート・ディーラーとして成功を収めているスーザン(エイミー・アダムス)だが、夫ハットン(アーミー・ハマー)との結婚生活は冷え切っていて、満たされない日々を送っていた。

 Nocturnal 1

そんな彼女のもとに、ある日20年前に離婚した元夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。

 Nocturnal 2

小説が自分に捧げられていることに困惑しつつも、早速原稿を読み始めたスーザン。そこに書かれていたのは、暴力的な描写に満ち溢れた壮絶な復讐の物語だった。この小説が自分に送られてきた真意を測りかねつつも、スーザンは次第に小説の世界にのめり込んでいく…

 Nocturnal 3

現実の世界と、小説の世界が交錯しながら、ミステリアスに展開されていく独特な作品。心が通い合わずに空虚な世界に生きる現実のスーザンの世界の、デザイナーとしてのトム・フォードの美的センスが存分に発揮されたスタイリッシュでクールな映像と、暴力に満ち溢れた小説の世界の生々しい映像が交錯していきながら、スーザンの心の内が見事に描き出されていくさまは、これが映画2作目とは思えない巧みさ!

 Nocturnal 4

作品としては個人的には「シングルマン」の方が好みなのだが、こちらもフォードの映画監督としてのセンスを十分に発揮した作品! マイケル・シャノンは小説の世界の方で、刑事役として渋い演技を見せてくれている。他の出演はアーロン・テイラー=ジョンソンアイラ・フィッシャーローラ・リニーら。  ⇒ 8/10点

 Nocturnal 5

ノクターナル・アニマルズ
Nocturnal Animals (2016年・アメリカ)
監督: Tom Ford
キャスト: Amy Adams, Jake Gyllenhaal, Michael Shannon, Aaron Taylor-Johnson, Isla Fisher, Armie Hammer, Laura Linney, Andrea Riseborough, Michael Sheen, India Menuez, Zawe Ashton, Jena Malone, Ellie Bamber, Karl Glusman, Robert Aramayo, Graham Beckel ほか
上映時間: 116分


⇒ 「シングルマン」(09年)感想 〜 太鼓判!!

⇒ アダムス出演作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(16年)感想

⇒ ギレンホール主演作「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」(15年)感想

⇒ シャノン出演作「ラビング 愛という名前のふたり」(16年)感想

⇒ テイラー=ジョンソン出演作「アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン」(15年)感想

⇒ ハマー主演作「コードネーム U.N.C.L.E.」(15年)感想
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本日のスイーツ: Financier Patisserie の Apple Galette

本日は Financier Patisserie のアップル・ガレット

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サクサクしたパイ生地の上に、りんごが敷き詰められていて美味!

Financier Patisserie
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シラノ・ド・ベルジュラック @ メトロポリタン・オペラ 〜 アラーニャが珍しいアルファーノのオペラを熱唱!

シーズンもラスト・ストレッチに入ったメト。本日は、珍しいアルファーノのオペラ、シラノ・ド・ベルジュラック

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プッチーニの遺作「トゥーランドット」を補筆完成させた作曲家として知られているアルファーノだが、代表作とされるこのシラノを含め、その作品はほとんど知られていない。今回のメト公演でタイトル・ロールを務めるロベルト・アラーニャプラシド・ドミンゴが近年、上演に尽力したおかげで次第に知られるようになってきたこのオペラ、メト初演も2005年と本当に最近の話。今回の上演は、アラーニャがタイトル・ロールを務める他、ロクサーヌ役は当初パトリシア・ラセットが歌う予定だったのが、病気キャンセルのため、若手ソプラノのジェニファー・ロウリーが代役として起用されている。

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エドモンド・ロスタンの有名な同名戯曲をアルファーノが1936年にオペラ化したこの作品、ローマでの初演はイタリア語版だったが、今回のメトでの上演は、その4ヶ月後にパリで上演された、ロスタンの原作を生かしたフランス語版。その音楽は印象派の影響を受けたアルファーノの作品らしく、洗練された響きやメロディーに彩られているが、一回聴いたら忘れないようなアリア等はなく、少し印象が弱い感じ。

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さて、この作品の復活に尽力したアラーニャによるシラノ、さすがフランス人だけあって、フランス語のディクションは美しく、持ち前の流麗なカンタービレを生かした流麗かつ情熱的な歌唱はさすがだった。大きな鼻をつけての歌唱は呼吸が難しくて大変だったらしいが、その健闘に拍手!

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シラノが密かに思いを寄せるロクサーヌ役のロウリーは、伸びやかな美声を生かしたなかなかの歌いぶりで、アラーニャを相手に一方も引かない歌唱。これからが楽しみなソプラノ!

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ロクサーヌが思いを寄せるクリスチャン役はブラジルのテノール、アターラ・アヤンで、こちらもまずまずの歌いぶり。

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指揮はメトでおなじみのマルコ・アルミリアートだが、あまりパッとしない感じ。それが音楽のせいなのか、指揮のせいなのかは良く分からないが…

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2005年のメト初演から使われているフランチェスカ・ザンベッロの舞台はオペラの時代背景に忠実なもの。全体的に楽しめる作品で、特にアラーニャロウリーの歌唱が光っていました!

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Cyrano de Bergerac (1936年、ローマ・王室歌劇場にて初演)
演出: Francesca Zanbello
指揮: Marco Armiliato
Cyrano: Roberto Alagna
Roxane: Jennifer Rowley
Christian: Atalla Ayan
Ragueneau: Roberto de Candia
Montfleury: Tony Stevens
Le Bret: David Pittsinger ほか
2017年5月6日、メトロポリタン・オペラ


⇒ アラーニャ出演のメト「蝶々夫人」感想

⇒ アルミリアート指揮のメト「マノン・レスコー」感想
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本日の一杯: 一風堂の弟分、黒帯を久々に訪問

マンハッタンでは相変わらず人気の一風堂のカジュアル店として、フードコートを中心に展開している黒帯グランド・セントラル駅近くにあるフードコート、Urban Space Vanderbilt に入っている店を久々に訪問。

 Kuroobi 1

頼んだのはスタンダードな黒帯ラーメン。カップヌードルのような容器で出されるのが少し興ざめだが、味はなかなかどうして本格派!

 Kuroobi 2

黒帯ラーメン
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