6才のボクが、大人になるまで。

「ビフォア」シリーズで知られるリチャード・リンクレイター監督の最新作で、6歳の少年とその家族の12年にわたる成長の軌跡を追った作品。主人公の少年を演じたエラー・コルトレーンをはじめ、主要登場人物4人を同じ俳優が12年間演じた事でも話題になった。2014年1月のサンダンス映画祭でプレミエ上映された後、ベルリン国際映画祭(監督賞)ゴールデン・グローブ賞(作品賞(ドラマ部門をはじめ3部門)での受賞に輝くなど、高い評価を得た。今年のアカデミー賞では作品・監督両賞を含む6部門でノミネートされたが、パトリシア・アークエットが助演女優賞を獲得したにとどまった。

      Boyhood.jpg

6歳の少年メイソン(コルトレーン)は、テキサス州の小さな町で、母オリヴィア(アークエット)・姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)と3人で暮らしていたが、オリヴィアがより良い職につくために大学に通う事を決心したため、一家で祖母が住むヒューストンに引っ越しする事に。

 Boyhood 1

そんな彼らの下に、離婚してアラスカに行っていた父メイソン・シニア(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに姿を見せる...

 Boyhood 2

業界の常識をくつがえし、12年の長期間にわたって、一つの家族の生活の軌跡を追って行った作品。何か大きな事件が起きる訳でもなく、淡々と物語は進められていくが、その中で、子供たちの成長のみならず、大人たちもそれぞれの置かれた環境の中で喜びや悲しみを感じながら成熟していくさまが、繊細に描かれていく。

 Boyhood 3

世界中のどの家庭でも起こりえる、或いは現に普通に起こっているであろう日常を12年にもわたって丹念に追って行ったリンクレイターの情熱は、画面からも静かに伝わって来て、あくまで普通の家族を描く事にこだわった事が、幅広く観る人の共感を得る事につながったのだろうと思う。

 Boyhood. 4

見事アカデミー助演女優賞を獲得したアークエットホークは、さすがの名演だが、喜びや挫折など、様々な体験を経て大人の顔つきになっていくコルトレーンの、その希望に満ちたまなざしが特に印象に残った。

 Boyhood 5

但し、上映時間165分の長さは全く気にならなかったものの、個人的には観る者の心を揺さぶるようなエモーショナルなものが足りない点が、ちょっと残念。普通過ぎるというか... その点が、作品賞の本命と言われながら、アカデミー賞の直前で失速し、受賞がならなかった原因かもしれない。  ⇒ 8/10点

6才のボクが、大人になるまで。
Boyhood (2014年・アメリカ)
監督: Richard Linklater
キャスト: Ellar Coltrane, Patricia Arquette, Ethan Hawke, Lorelei Linklater, Marco Perella, Jamie Howard, Andrew Villarreal ほか
上映時間: 165分


⇒ リンクレイター監督の前作「ビフォア・ミッドナイト」(13年)感想

⇒ ホーク出演作 "The Purge" (13年)感想
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