ウェディング・バンケット ~ アン・リー監督の風変わりなラブ・コメディー

「グリーン・デスティニー」(2000年)「ブロークバック・マウンテン」(05年)の名匠アン・リー監督の1993年の作品で、監督第二作。1993年のベルリン国際映画祭でプレミエ上映され、金熊賞に輝いた後、全米では同年8月に公開されている。また、翌年のゴールデングローブ賞およびアカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされ、リー監督が大きく注目されるきっかけとなった。

      Wedding Banquet Poster

ニューヨークでビジネスマンとして活躍している台湾人青年のウェイトン(ウィストン・チャオ)は、マンハッタンで恋人のアメリカ人、サイモン(ミッチェル・リヒテンシュタイン)と暮らしていたが、台湾にいる両親(ラン・シャングァ・アーレイには、自分がゲイである事を告げる事が出来ずにいた。

 Banquet 1

そんな事は露知らずの両親は、台湾からしきりに息子に早く結婚するよう督促してくる。困ったウェイトンは、グリーンカードを餌に、滞在ビザの期限が迫っている貧乏芸術家のウェイウェイ(メイ・チン)に、偽装結婚を持ちかける。

 Banquet 2

息子が結婚すると聞いて喜び勇んでニューヨークにやって来た両親は、役所に婚姻書類を提出するだけで済ませようとしていた3人の思惑とは裏腹に、台湾式に盛大な結婚式を催そうとするのだが...

 Banquet 3

親と子供の世代間の価値観の違いを、結婚をテーマにユーモラスに描いたリー監督の出世作。ゲイをテーマにしている点では、後のアカデミー監督賞受賞作「ブロークバック・マウンテン」と同じだが、こちらの方はコメディ作品とあって、深刻になりかねないテーマを軽妙に扱っている。

 Banquet 4

それぞれの計算や打算から動く若者たち、まな息子の結婚に大喜びするのも束の間、大きく失望し悲しむ両親も最後には事実を受け入れる。登場人物たちの喜怒哀楽・世代間・人種間の価値観の違いが交錯する物語を、絶妙なタッチで描くリー監督の手腕が冴える佳作。

 Banquet 5

それにしても、本作や「ブロークバック・マウンテン」のようにゲイを扱ったり、「いつか晴れた日に」(95年)のように、重厚に19世紀イギリス社会を描いたり、「グリーン・デスティニー」ではカンフー映画、「ライフ・オブ・パイ」(12年)ではファンタジーと、本当に幅広い作風を誇る監督ですね!  ⇒ 8/10点

 Banquet 6

ウェディング・バンケット
The Wedding Banquet (1993年・台湾/アメリカ)
監督: Ang Lee
キャスト: R. Wai Tung, May Chin, Mitchell Lichtenstein, Sihung Lung, Ah-Leh Gua, Tien Pien ほか
上映時間: 109分


⇒ リー監督の「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(12年)感想 (オススメ!)
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