オテロ @ メトロポリタン・オペラ 〜 期待の新演出はいかに?

今シーズンのメトのオープニングを飾った新演出のオテロ

 Met 101015

今回の新演出を担当したのは、渡辺謙の出演で話題を呼んだブロードウェイ・ミュージカル「王様と私」トニー賞を獲得したばかりのバートレット・シャーで、注目のオテロメトでの出演頻度も増して来たアレクサンドルス・アントネンコデスデモナには、新星のソーニャ・ヨンチェヴァイヤーゴにはジェリコ・ルチッチという配役。

メトでのシャーの演出は、これまで割合オペラが生まれた時代・内容に沿った形での演出が多かったが、今回のオテロは、可動式のガラスの壁で出来た建物を多用して、オテロや彼を取り巻く人物の心理状態を映し出すかのような、やや抽象的な舞台となっていたのが、興味深かった。これはこれで、なかなか説得力がある感じ。

 Otello 02

オテロ役のアントネンコ、伸びやかな声はオテロ役としてはまずまずだが、かってのデル・モナコが表現してみせたような、剛毅で孤高の将軍といった感じではなく、もっと人間的な感じ。そのためか、オテロの悲劇もややスケールがやや小さくなるような印象を受けた。

 Otello 03
 Otello 07

メト・デビューだった2年前のリゴレット、昨シーズンのラ・ボエームでも高い評価を得た新星ヨンチェヴァは、出だしこそややフォーカスが定まらない歌唱のように聞こえたが、尻上がりに調子を上げ、持ち前の美声を存分に生かした、なかなかの歌唱だった。彼女が演じたデスデモナは、ちょっと気の強い女性といった印象を受けたのがこれまでのこの役のイメージとは違っていて新鮮!

 Otello 04
 Otello 05

イヤーゴルチッチ、なかなかの美声だが、この人はいつも役の性格描写が弱く、この難役でも印象が弱い歌唱に終わってしまったのが残念...

 Otello 08
 Otello 04

フィラデルフィア管の若き音楽監督として、若手トップの指揮者となった感のあるヤニック・ネゼ=セギャン、最近は音楽のスタイルが変わって来ているように感じていたが、今回も、ダイナミックな音楽作りながら、要所でコントロールを利かせた演奏で、時にはコントロールが利きすぎているように聞こえるのが残念。オテロにはもっと激情の瞬間が必要だと思うのだが...

 Otello 06

それでも、相対的にはレベルの高い上演で、このヴェルディ晩年の傑作を堪能する事が出来ました!

 Otello 03
 Otello 6


Otello (1887年、ミラノ・スカラ座にて初演)
演出: Bartlett Sher
指揮: Yannick Nezet-Seguin
Otello: Aleksandrs Antonenko
Desdemona: Sonya Yoncheva
Iago: Zeljko Lucic
Cassio: Dimitri Pittas
Roderigo: Chad Shelton
Lodovico: Gunther Groissbock
2015年10月10日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2012 - 13年シーズンのメト・オテロ感想

⇒ アントネンコ出演のメト・ノルマ感想

⇒ ヨンチェヴァ出演のメト・ラボエーム感想

⇒ ルチッチ出演のメト・マクベス感想

⇒ ネゼ=セギャン指揮のメト・ドンカルロ感想
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