モーリン・オハラを偲んで 〜 ノートルダムの傴僂男

今年10月24日に、アイルランド出身の往年の名女優、モーリン・オハラが亡くなった。奇しくも、原節子さんと同じ95歳。燃えるような赤毛が特徴で、同じくアイルランド移民の子だった巨匠ジョン・フォード監督に可愛がられ、彼の作品に多数出演したが、今回は彼女の出世作となった、「ノートルダムの傴僂(せむし)男」

 Ohara.jpg

これまで、何度も映画化されている、ご存知ヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」。最初の映画化作品は、ロン・チェイニー主演の1923年版だが、本作は続いて1939年に、「ゾラの生涯」(37年)などの伝記映画で知られるドイツ出身のウィリアム・ディターレ監督により制作されたもの。当時、大金を投じて再現したノートルダム寺院を中心とした15世紀のパリのセットが話題を呼んだ。1940年のアカデミー賞では、作曲賞と録音賞の2部門でノミネートされた。

      Huntchback Poster

貧困と混沌が支配する15世紀のパリにやって来た美しいジプシーの踊り子エスメラルダ(オハラ)ノートルダム寺院の助祭長にして、パリの裁判長も務めるフロロ(セドリック・ハードウィック)は彼女の美しさに心を奪われてしまう。

 Hunchback 1

彼は、赤ん坊の頃に寺院の前に捨てられていて、幼い頃から保護してきた寺院の鐘つきで醜いせむし男のカジモド(チャールズ・ロートン)を使ってエスメラルダを誘拐しようとする。間一髪のところで、衛兵隊長のフェビュス(アラン・マーシャル)に助けられた彼女は、彼に恋するようになる。

 Hunchback 2

一方で、捕らえられたカジモドは、広場でさらし者にされ、むち打ちの刑を受けるのだが…

 Hunchback 3

ユーゴーの原作に比較的忠実に従ったこの作品、まずは、当時としては常識破りの大金を投じて作り上げられた、ノートルダム寺院を中心としたパリのセットに圧倒される。

 Hunchback 4

「ヘンリー八世の私生活」(33年)アカデミー主演男優賞に輝いたイギリスの名優ロートンカジモドは、より人間としての側面を強調したもので、共感を呼び起こす熱演。フロロ役のハードウィックも、単なる悪役ではなく、自分の欲望と、聖職者としての義務との間で悩む姿をしっかりと演じている。

 Hunchback 5

これがスクリーン・デビューとなったオハラは、これら名優たちに囲まれて、やや影が薄くなった感じ。彼女の本領は、やはりジョン・フォード監督の数々の作品、特に「静かなる男」(52年)で発揮されているように思う。  ⇒ 8/10点

 Hunchback 6

ノートルダムの傴僂男
The Hunchback of Notre Dame (39年・アメリカ)
監督: William Dieterle
キャスト: Charles Laughton, Sir Cedric Hardwick, Thomas Mitchell, Maureen O'Hara, Edmond O'Brien, Alan Marshal, Walter Hamden, Harry Davenport, Katharine Alexander, George Zucco, Fritz Leiber, Etienne Girardot, Helene Whitney, Mina Gombell, Arthur Hohl, Curt Bois, George Tobias, Rod LaRocque, Spencer Charters, Kathryn Adams, Dianne Hunter, Siegfried Arno ほか
上映時間: 116分


⇒ ディターレ監督の「ゾラの生涯」(37年)感想

⇒ オハラ出演の「静かなる男」(52年)感想 〜 オススメ!
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