風: 映画史上初めて、風を可視化したサイレント映画の名作!

ドロシー・スカーボローが1925年に発表した小説を、サイレント時代の最大のスターの一人だったリリアン・ギッシュが、強く映画化を望み、映画化が実現した1928年の作品。サイレント末期の傑作として知られている。

      Wind Poster

砂嵐が吹きあふれる、テキサス州の大平原にあるビバリー(エドワード・アール)の家を頼ってヴァージニアからやって来た、いとこのレティ(ギッシュ)ビバリーの子供達はすぐにレティになつくのだが、彼の妻コーラ(ドロシー・カミング)は、美しいレティに嫉妬し、何かと彼女に辛く当たる。

 Wind 1

コーラのいじめに耐えかねたレティは、ビバリーの家を出たい一心で、近所に住むガサツなカウボーイ、ライジ(ラース・ハンソン)の求婚に応じてしまうのだが…

 Wind 2

当時、薄幸の美少女役で、明るいヤンキー娘役を得意としていた「アメリカの恋人」メアリー・ピックフォードと人気を2分していたリリアン・ギッシュが、スウェーデン映画の父と言われる名匠ヴィクトル・シェストレム(後にイングマール・ベルイマン監督の名作「野いちご」(57年)に主演した事でも知られる)を監督に招いて制作したこの作品では、不幸に弄ばれる美少女というこれまでの型にはまった枠から抜け出て、一段と深みのある演技によって、絶え間ない砂嵐の中で、次第に神経を苛まれていく女性を印象的に演じている。

 Wind 3

シェストレム監督の演出は本当に見事で、砂嵐が生き物のように、絶え間なく人間の神経を冒していくさまが映像から恐ろしいほどに伝わってくる。撮影はかなり過酷だったらしく、後年、ギッシュは、「8機の飛行機のプロペラで、息が出来ないほど絶え間なく砂を吹き付けられ、あまりの暑さのため、撮影フィルムの表面が溶け出したほど」で、彼女の長い映画人生の中で、最悪の環境の中での撮影だったと語っている。  ⇒ 8/10点

 Wind 4


The Wind (1928年・アメリカ)
監督: Victor Sjostrom
キャスト: Lillian Gish, Lars Hanson, Montagu Love, Dorothy Cumming, Edward Earle, William Orlamond ほか
上映時間: 95分


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