マノン・レスコー @ メトロポリタン・オペラ

今シーズンのメトの新演出オペラの中でも、注目度の高かったマノン・レスコー

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このところ注目度上昇中のラトヴィア出身のソプラノ、クリスティーネ・オポライスと人気絶頂のテノール、ヨナス・カウフマンの共演が目玉だったのだが、そのカウフマンが病気のため降板、ちょうど同じメトカヴァレリア・ルスティカーナに出演中のロベルト・アラーニャが急遽リリーフ登板となった。

      Manon 02

まずはタイトル・ロールのオポライス。舞台姿は美しく、高声部もなかなかなのだが、弱声部が弱く、メロディラインが綺麗に聞こえてこない欠点が感じられる。これは2013年にメトで上演した同じプッチーニの「つばめ」の時の印象と変わらなかったので、あまり進化は見られていないという事だろうか。ちょっと残念。

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対するデ・グリュー役のアラーニャは、急遽登板かつ初めての役だったにもかかわらず、安定感のある素晴らしい歌いぶり。声のパワーこそ、若い頃に比べ落ちたかも知れないが(それでも元々ドラマチックな声質ではないのであまり気にならず)、カンタービレの美しさはこの人ならではのもので、やはり天性の歌うたいである事を感じさせる。素晴らしい! 但し演技の方はちょっとおざなりといった感がある。これも愛嬌か。。。

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マノンの兄、レスコー役のマッシモ・カヴァレッティマノンのパトロン、ジェロンテ役のブリンドリー・シェラットはそれぞれ無難な歌いぶり。

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一時はレヴァインの後継者との声が有力で、家族そろってニューヨークに引っ越したりと、本人もその気充分だったと思われるファビオ・ルイージレヴァインの健康状態が相変わらず不安視される中だが、最近はあまり後継者との声も聞かれなくなってしまったが、その指揮は相変わらず知情のバランスが抜群に取れていて、素晴らしい音楽づくり。カリスマ性を感じさせる指揮者ではないが、常に水準の高い音楽作りが出来る点では最右翼の人かも知れない。

 Manon 09

リチャード・エアの新演出は、手堅いが特に印象に残る場面もないといった感じで、ややメトの広大な舞台空間を持て余しているような印象も受ける。このオペラの冒頭は、同じ作曲者の「ラ・ボエーム」第2幕を彷彿とさせるもので、メトではゼッフィレッリの華やかな演出が売り物となっているのだが、こちらはかなり簡素でトーンダウンしている感じ。財政難の声もちらほら聞かれるようになった昨今のメト、制作費もかなり削られているのだろうか。。。

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Manon Lescaut (1893年、トリノ・王立歌劇場にて初演)
演出: Richard Eyre
指揮: Fabio Luisi
Manon: Kristine Opolais
Des Grieux: Roberto Alagna
Lescaut: Massimo Cavalletti
Geronte: Brindley Sherratt
Edmondo: Zach Borichevsky ほか
2016年3月5日、メトロポリタン歌劇場


⇒ エア演出のメト「ウェルテル」感想

⇒ オポライス出演のメト「つばめ」感想

⇒ アラーニャ出演のメト「カルメン」感想

⇒ ルイージ指揮のメト「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」感想
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