愛の妙薬 @ メトロポリタン・オペラ

ドニゼッティの人気オペラ「愛の妙薬」、今シーズンの初日にメトに出かけた。

 Elisir 01

メトでは、古くはエンリコ・カルーソー、近年ではルチアーノ・パヴァロッティなどの人気テナーの当たり役として知られているが、今シーズンは人気上昇中の若手テナー、ヴィットリオ・グリゴーロネモリーノ役を務める。アディーナ役は ポーランドの若手ソプラノ、アレクサンドラ・クルツァークというフレッシュな顔ぶれ。

      Elisir 02

ドニゼッティの出世作となった「愛の妙薬」、台本の執筆から上演まで10週間かからなかった(そのうちドニゼッティが作曲に費やしたのは3週間!?)という逸話が残っている作品で、速書きとして知られていてドニゼッティとしてもかなりの短期間で仕上げられた作品だが、そのように短期間で仕上げられた作品とは思えない、充実した内容のオペラ。当時流行っていたオペラ・ブッファではなく、喜劇なのだが、ロマンチック・コメディとなっているのが、現代でも人気がある演目となっている理由だろうか。

さて、そのグリゴーロ、初日という事もあったのか、若々しい声は魅力だが、全体的に不安定さが感じられる歌唱だった。高音部はそれなりに伸びているのだが、中低声域が弱く、メロディ・ラインが浮かび上がってこない感じ。ところが、第2幕の聴かせどころ、テノール屈指の名曲である「人知れぬ涙」はアッと驚く名唱で観客は拍手喝采! この歌唱だけでも来た甲斐があったと思わせる出来だった。

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相手役のクルツァークも特に前半は不安定な歌唱だったが、こちらは尻上がりに調子が上げ、後半はなかなかの出来。これまで知らなかったが、彼女はアラーニャと結婚していたのですね! 数年前、アラーニャゲオルギューの離婚騒動が持ち上がった時、結局元の鞘に戻ったと思っていたのですが(そういう記者会見もありました)。。。

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この二人を支えるベルコーレドゥルカマーラ役のチェコの若手バリトン、アダム・プラチェトカイタリアのベテラン・バス、アレッサンドロ・コルベッリは、悪くはないが、どちらかといえばパッとしない出来だった。特にコルベッリはかなり声の力が落ちたような…

 Elisir 09
 Elisir 11

指揮はこれがメト・デビューとなるイタリアの指揮者エンリケ・マッツォーラ。2012年よりフランスイル・ド・フランス国立管弦楽団の音楽監督を務め、ヨーロッパの歌劇場での指揮経験も豊富のようで、こちらは手堅い指揮。

 Elisir 12

演出は2012年のメトのシーズン・オープニングを飾ったバートレット・シャーのもの。こちらはこのオペラを楽しむのに過不足のないものだが、いささか凡庸な感じも。

 Elisir 13

と、色々とケチをつけているような感じになってしまいましたが、このオペラは本当に良くまとまっていて、いつ見ても楽しめます!

L'Elisir d'Amore (1832年、ミラノ・カノッビアーナ劇場にて初演)
演出: Bartlett Sher
指揮: Enrique Mazzola (デビュー!)
Nemorino: Vittorio Grigolo
Adina: Aleksandra Kurzak
Belcore: Adam Plachetka
Dulcamara: Alessandro Corbelli
Gannett: Ying Fang ほか
2016年3月10日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2012-13年公演感想

⇒ グリゴーロ出演のメト「ホフマン物語」感想

⇒ クルツァーク出演のメト「ヘンゼルとグレーテル」感想
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ジャンル : 音楽

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