ドン・パスクワーレ @ メトロポリタン・オペラ

今回のメトの演目は、2010年以来6年ぶりの上演となったドニゼッティのオペラ・ブッファ、「ドン・パスクワーレ」

 Don Pasquale 01

今回の上演の注目は、リリック・テナーの新生として、人気急上昇中のメキシコのテナー、ハヴィエル・カマレーナの出演。

      Don Pasquale 02

そのカマレーナ、容姿こそライバルのファン・ディエゴ・フローレスに劣るかも知れないが、伸びやかな声はフローレスに負けずとも劣らず、声の力強さではむしろ上回るかも知れない逸材で、今回のエルネスト役でも、持ち前の美声を遺憾なく発揮していた。何と2幕の聴かせどころ、"Povero Ernesto...Cerchero Lontana Terra" では、ハイC を上回るハイDを難なくこなし、観客の大喝采に応えて、メトでは本当に珍しいアンコール!これは、パヴァロッティフローレスに続く史上3人目の快挙なのだが、彼はすでに2014年の「ラ・チェネレントーラ」でも2度アンコールに応えているので、これが3度目!

 Don Pasquale 03
 Don Pasquale 04

今回がメト・デビューとなったノリーナ役のイタリアの若手ソプラノ、エレオノーラ・ブラット。コロラトゥーラの切れ味はそれ程でもなく、高声域でやや声が硬くなる傾向が見られたものの、低音から高音まで、ムラのない美声でなかなか聞かせてくれた。今後が楽しみな存在!

 Don Pasquale 05
 Don Pasquale 06

表題役ドン・パスクワーレアンブロージオ・マエストリは、貫禄たっぷりの堂々たる演技と歌唱。2013〜14年シーズンのファルスタッフでも素晴らしい歌唱と演技を披露してくれたが、ブッファのこの手の役を演じさせたら、当代随一の存在である事を今回も見せつけてくれた!

 Don Pasquale 07
 Don Pasquale 08

若い二人の恋の仲立ちをするマラテステ役は、先日ボエームメト・デビューを果たしたルーマニアのバリトン、レヴェンテ・ モルナール。こちらもまずまずの歌唱。

 Don Pasquale 09
 Don Pasquale 10

指揮はメトで上演されるロッシーニベルカント・オペラではこの人、といった存在のマウリツィオ・ベニーニ。いつもはどこといって特色のない無難な指揮ぶりという印象なのだが、今回は、いつものイメージを覆す精彩溢れる指揮ぶりで、お見事!

 Don Pasquale 11

豪華な演出が目白押しだった時代のメトを、ゼッフィレッリとともに代表する存在だったオットー・シェンクの舞台はオペラに忠実で、どこといって新鮮味はないのは相変わらずだが、時代設定を変えたりすると、どことなくチグハグな感じになる危険性が高いオペラ・ブッファを楽しむ上では抵抗感がないもの。

 Don Pasquale 12

今回もメトらしいクオリティの高い上演。この作品をこれだけの水準で観る事は他の歌劇場では無理なのではないだろうか。さすがメト

Don Pasquale 13

Don Pasquale (1843年、パリ・イタリア座にて初演)
演出: Otto Schenk
指揮: Maurizio Benini
Don Pasquale: Ambrogio Maestri
Norina: Eleonora Buratto (デビュー!)
Ernesto: Javier Camarena
Dr. Malatesta: Levente Molnar
2016年3月12日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2010年の前回公演感想

⇒ シェンク演出のメト「タンホイザー」感想

⇒ マエストリ出演のメト「ファルスタッフ」感想

⇒ カマレーナ出演のメト「夢遊病の女」感想

⇒ カマレーナ: フローレスのライバル誕生!
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