サウル: 今年のアカデミー外国語映画賞受賞作!

ハンガリーの新鋭、ネメシュ・ラースロー監督の初長編作品で、2015年のカンヌ国際映画祭でプレミエ上映され、グランプリを獲得した後、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞でそれぞれ外国語映画賞を受賞するなど、映画賞を総なめにした話題作。全米では2015年12月に限定公開されている。

      Saul Poster

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。そこでは、ユダヤ人収容者の中から、ゾンダーコマンドと呼ばれる同胞の死体処理に従事する特殊部隊が編成されていて、ハンガリー系ユダヤ人サウル(ルーリグ・ゲーザ)もその一人で、数ヶ月間に渡って死体処理に従事させられた後、自身も殺される運命。

 Saul 1

そんなある日、サウルはガス室で生き残ったある少年を見て、自分の息子ではないかと思う。しかし、その少年は彼の目の前ですぐさま処刑されてしまう。サウルは息子をユダヤ教のしきたりにのっとって埋葬するため、ラビを捜そうと収容所内を奔走するが、収容所では祈りを捧げることすら許されない。

 Saul 2

一方サウルが奔走する中、ゾンダーコマンド達の間では収容所脱走計画が秘密裏に進んでいたのだが…

 Saul 3

物語をサウルとその周りで起きている事のみにフォーカスする事で、カメラワークも相まって、観ているものに自分もその場に居合わせて収容所の非人間的な悲惨さを体験しているかのような現実感を与える映画。

 Saul 4

映画の中で、サウルは仲間から、「お前には息子はいなかったのでは?」と言われる場面があるが、そこからは、サウルの行為は、息子であるかどうかはあまり重要な事ではなく、ナチスにより地球上から一つの民族が抹殺されようとしている中で、埋葬という行為を通じて、歴史に存在していた事を残そうとした、というように感じられる。

 Saul 5

心に深く突き刺さる映画だが、そのフォーカスさせた映像が、観る者に対して一定の見方を強いているような感じを抱かせ、想像力を広げさせるのを妨げるようになっているのが少し残念。  ⇒ 7/10点

 Saul 6

サウルの息子
Saul Fia (2015年・ハンガリー)
監督: Laszlo Nemes
キャスト: Geza Rohrig, Levente Molnar, Urs Rechn, Todd Charmont, Sandor Zsoter, Todd Charmont, Christian Harting ほか
上映時間: 107分


⇒ 2015年のアカデミー外国語映画賞受賞作「イーダ」(13年)感想
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