さざなみ 〜 長年連れ添った老夫婦間に突然入った亀裂

デイヴィッド・コンスタンティンの短編小説の映画化作品で、2015年のベルリン国際映画祭でプレミエ上映され、主演男優・女優両賞を受賞したのをはじめ、各国の映画祭で高い評価を得た。全米では2015年12月に限定公開され、今年のアカデミー賞ではシャーロット・ランプリングが主演女優賞にノミネートされている。

      45 Years Poster

イギリスの地方都市で平穏に暮らす老夫婦のジェフ(トム・コートネイ)ケイト(ランプリング)は、週末に結婚45周年のパーティーを予定している。

 45 Years 1

月曜日、そんなジェフの元に1通の手紙が届く。その手紙は、50年以上も前に山岳事故で命を落としたジェフの当時の恋人、カーチャの遺体が、氷河が溶けたために発見されたとの知らせだった。思わぬ知らせに動揺し、かっての恋人との記憶に浸るようになるジェフ

 45 Years 2

そんなジェフの姿を見て、すでにこの世にはいないカーチャに嫉妬を募らせていくケイト。次第にジェフへの不信感を膨らませていくケイトが、「彼女が生きていたら結婚していた?」と聞くと、ジェフは「そのつもりだった」と答えるのだった…

 45 Years 3

邦題の通り、ある手紙がきっかけとなって、長年平穏に暮らしてきていた老夫婦の間に小さなさざ波が起こり、それが消し去る事の出来ない、大きな波へと拡がっていく様が、往年のイングマール・ベルイマン監督の映画を思わせる様な、透徹した語り口で綴られていく作品。

 45 Years 4

映画を通して、ほとんど二人の間の会話だけで成り立っている作品で、老夫婦を演じる二人、特にランプリングの演技は、感情が次第に変化していく様を細やかに表現していて、さすがに素晴らしい。

 45 Years 5

それにしても、夫の方は、昔の想い出にちょっと耽ってみただけで、基本的には妻を愛している事には変わりない様に見えるのに対し、一旦夫との感情の隔たりを発見してしまった妻の方は、元に戻るつもりは全くなくなってしまっている様に見える。パーティーで周囲の祝福される中でも、夫に向ける目は限りなく冷たく、怖さを感じてしまうほど。自分でも知らず知らずのうちに、不満がたまっていたのが、これをきっかけに噴出してしまったのだろうか。男性の立場としては、少し違和感を覚えるほどのケイトの変わり様なのですが、自分も気をつけなければ、と思いました!  ⇒ 7/10点

 45 Years 6

さざなみ
45 Years (2015年・イギリス)
監督: Andrew Haigh
キャスト: Charlotte Rampling, Tom Courtenay, Geraldine James, Dolly Wells, Max Rudd, David Sibley, Sam Alexander, Richard Cunningham, Kevin Matadeen, Hannah Chalmers ほか
上映時間: 95分


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