ひそひそ星 〜 園子温としては異色のSF映画

毎年夏に国連近くのジャパン・ソサエティーで開催されている、アメリカでも最大級の日本映画のフェスティヴァルである Japan Cuts! に今年も出向き、園子温監督「ひそひそ星」

 Whispering 1

その個性的な作風で、アメリカでも注目される存在となった園監督の最新作で、彼が25年間も構想を温めていたというSF映画。主演はいつもの通り、園夫人である神楽坂恵日本では今年5月に公開されており、今回がニューヨーク・プレミエ。当初は園夫妻の舞台挨拶と Q & A セッションが予定されていたのだが、こちらは残念ながらキャンセルだった。

 Whispering 2

自ら招いた環境破壊や度重なる大災害によって激減した人類。今では宇宙は人工知能を持つアンドロイドによって動かされるようになり、人間は30デシベル以上の音では死ぬ危険性があり、絶滅危惧種に指定されていた。そうしたアンドロイドの一人、鈴木洋子(神楽坂)は、宇宙船に乗って宇宙に散らばった人類への宅配便を届ける配送員。

 Whispering 3

彼女が行く先々の星で、数少なくなった人間たちが、大事な過去の記憶物を受け取るのを、首を長くして待っていた…

 Whispering 4

昔のアパートの6畳間を思わせるような、何ともレトロな宇宙船の船内、昭和の日本を思わせる様々な星の風景など、園監督の独特な世界観がモノクロ映像で静謐に展開されていくSF映画。これまでのどぎつい独特なワールドとはうって変わった作品となっているのが興味深い。

 Whispering 5

アンドロイドが訪問する星はどれも荒涼としていて、ロケ地や出演人物が東北大震災で被災した福島の地と住民というところが、園監督の現在社会への警鐘なのだろうか。それにしても、映画の中で展開される荒涼とした風景に比し、人間の存在感が妙に希薄に感じられるところが面白い。これまでの園作品とは異色ながら、これまた個性的な作品!

 Whispering 6

一番印象的だったのは、最後の、すごくノスタルジックな影絵の世界だが、全体的に、物語がスタティックに過ぎるところが、ちょっと物足りない感じを受けた(セリフもほとんどありません)。  ⇒ 6/10点

 Whispering 7

ひそひそ星
(2015年・日本)
監督: 園子温
キャスト: 神楽坂恵、福島の人々
上映時間: 100分


⇒ 園ワールドが炸裂する「恋の罪」(11年)感想
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