サロメ @ メトロポリタン・オペラ 〜 パトリシア・ラセット渾身のサロメ

今回のメトは、2008年〜09年シーズン以来8年ぶりの上演となるR・シュトラウスのサロメ。前回赴任時にもなぜかサロメは上演されなかったので、メトで聴くのは今回が初めて!

 Salome 01

今回のサロメでは、アメリカ出身だがドイツの歌劇場を中心に活躍しているキャサリン・ネーグルスタッドの注目のデビューが予定されていたのだが、残念ながら病気でキャンセル。代わって、メトではおなじみのパトリシア・ラセットサロメ役を務める事になった。

      Salome 02

メトで様々な役をこなし、常に安定したパフォーマンスを披露しているイメージの強いラセットだが、最近はその声にも衰えが見えてきた中、ソプラノの役の中でも名うての難役を、しかも代役としてのチャレンジ! サロメといえばドラマティック・ソプラノの役だが、同時に少女らしさも表現しなければならない難役、ラセットは声の威力では物足りないが、決して無理をしない歌い方で、それでいて感情表現には気迫がこもっていて、まさに入魂の歌唱! 彼女の最近の歌唱としてはベストと思わせる出来だった!

 Salome 03
 Salome 04

ヨカナーン役ジェリコ・ルチッチ。2015〜16年シーズンのリゴレットで、感情表現に深みを見せ、一皮むけたと思わせたのだが、今回は、また昔の味の薄い歌い方に戻ってしまった感じで残念。但し、この役はそういった難しい感情表現が要求されるわけでもないので、それほど気にならなかったのも事実ではあるが。

 Salome 05
 Salome 06

ヘロデ王役ドイツのテナー、ゲルハルト・シーゲルはこの役を得意にしているだけあって、安定した歌いぶり。

 Salome 07
 Salome 08

その他の歌手陣で目立ったのはナラボート役中国の若手テナー、カン・ワンで、オペラ前半だけの出演ながら、若々しい美声が印象的だった。

 Salome 09
 Salome 10

指揮はトロントカナディアン・オペラ・カンパニーの音楽監督を務める Johannes Debus。こちらはまとまった音楽作りだとは思ったが、どことなく特徴がなく、可もなく不可もなしといった印象。

 Salome 11

2004年にプレミエ上演が行われたユルゲン・フリムの舞台は、時代設定を紀元前から近代に移し替えたものだが、はっとさせるような場面はなく、やや凡庸に感じられるものの、退廃的な雰囲気は十分伝わってきて特に違和感は感じさせない。サロメが有名な「七つのヴェールの踊り」の前にキャバレーの歌手みたいなタキシードに着替えてから踊り出すのは面白い。

 Salome 12
 Salome 13
 Salome 14

Salome (1905年、ドレスデン・宮廷劇場にて初演)
演出: Jurgen Flimm
指揮: Johannes Debus (デビュー!)
Salome: Patricia Racette
Jochanaan: Zeljko Lucic
Herod: Gerhard Siegel
Narraboth: Kang Wang (デビュー!)
Herodias: Nancy Fabiola Herrera ほか
2016年12月17日、メトロポリタン歌劇場


⇒ ラセット出演のメト「道化師」感想

⇒ ルチッチ出演のメト「リゴレット」感想

⇒ シーゲルがヘロデ王を歌ったウィーン国立歌劇場演奏会 感想
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

アルページュ

Author:アルページュ
FC2ブログへようこそ!

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード