雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 〜 妻を失った男の自己再生の物語

2014年のアカデミー賞で、2003年の「ミスティック・リバー」以来となる主演男優賞と助演男優賞をダブル受賞した「ダラス・バイヤーズクラブ」(13年)で注目を集めたカナダ出身のジャン=マルク・ヴァレ監督の最新作。2015年のトロント国際映画祭でプレミエ上映された後、全米では2016年4月に限定公開されている。

      Demolition Poster

義父フィル(クリス・クーパー)が経営するウォール街の投資銀行でその片腕として働くデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は仕事も順調で何不自由ない生活を享受していたが、ある日、交通事故で同乗していた妻のジュリア(ヘザー・リンド)を失ってしまう。

 Demolition 1

妻を失った事に対し、涙も流れず、何の感情も起こらず、しかもその状態が事故が起こるかなり前から続いていた事に気づくデイヴィス。そんな彼を最初は暖かく見守っていたフィルも一向に感情の起伏を見せない彼に、次第に苛立ちを隠せなくなってくる。

 Demolition 2

そんな日が過ぎていく中でフィルは、妻を看取った病院にあった故障したベンディング・マシーンについての苦情を設置会社に連絡しているうちに、電話口で応対したカスタマー・サービス担当のカレン(ナオミ・ワッツ)に、心惹かれていく。

 Demolition 3

何に対しても感情が動かないデイヴィスは、身の回りにあるもの全てを分解する事に熱中し始める。そして、ついに自宅豪邸を壊し始めるのだった…

 Demolition 4

打算もあり、逆玉の輿で何不自由ない生活を手に入れた男。今まで何となく楽なレールに乗ってここまで来たのだが、その生活が何の感情の起伏ももたらさず、いつの間にか植物人間のように生きていた事を、妻の死をきっかけに気づく。

 Demolition 5

なぜ自分がそうなってしまったのかを理解しようと、手当たり次第に周りのものを分解し尽くして、ついには妻との思い出が残る自宅まで壊すことによって自分を取り戻していく様を、やはり孤独感を内に秘めながら生活していた親子(ワッツジュダ・ルイス)との交流を通じて、美しい映像で描いていくヴァレの手腕は巧みだが、ものを壊すという事に個人的な拒絶反応がある私にとっては、ちょっと共感しにくい主人公。。。

 Demolition 6

「ナイトクローラー」(14年)「サウスポー」(15年)など、最近は個性的な役柄を幅広く演じているギレンホールがここでも、印象的な演技。一見荒唐無稽なストーリーを、ナオミ・ワッツが地に足のついた存在感で上手に現実に引き戻している。但し、邦題はあまり感心しない。。。  ⇒ 7/10点

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
Demolition (2015年・アメリカ)
監督: Jean-Marc Vallee
キャスト: Jake Gyllenhaal, Naomi Watts, Chris Cooper, Judah Lewis, Heather Lind ほか
上映時間: 101分


⇒ 「ダラス・バイヤーズクラブ」(13年)感想オススメ!

⇒ ギレンホール主演作「サウスポー」(15年)感想オススメ!

⇒ ワッツ出演作「ダイバージェント NEO」(15年)感想

⇒ クーパー出演、メリル・ストリープとジュリア・ロバーツのバトルが展開される「8月の家族たち」(13年)感想
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