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偉大なるアンバーソン家の人々 〜 オーソン・ウェルズ監督の天才ぶりを見せつけられる重厚な大河ドラマ

オーソン・ウェルズ監督が名作「市民ケーン」(41年)に次いで製作・脚本・監督を務めた作品で、 1918年に発表されたブース・ターキントンの同名小説を映画化したもの。米国では1942年7月に公開されているが、公開に先立ち、ウェルズが完成させた第1版が上映時間131分と当時としては長めだったため、次の作品の製作に取りかかっていたウェルズに代わり、配給元RKOの指示に従って助監督が40分もの大幅なカットを施して公開したといういわくつきの作品となった。ちなみにウェルズは短縮する必要性については同意していたものの、実際に行われたカットの内容については同意しなかったそうだ。1943年のアカデミー賞では、作品賞をはじめ4部門でノミネートされたが、受賞はならなかった。日本では、米国公開よりかなり遅れて、1988年にようやく一般公開された。

      Ambersons Poster

20世紀初頭、アメリカ中西部のインディアナポリス。町きっての大富豪アンバーソン一族の家長アンバーソン少佐(リチャード・ベネット)の長女イザベル(ドロレス・コステロ)は、町の若者ユージン・モーゲン(ジョセフ・コットン)と恋仲だったが、いさかいが元で、彼女は真面目だけが取り柄のウィルバー・ミナファー(ドン・ディラウェイ)と衝動的に結婚してしまい、ショックを受けたユージンは町を出て行ってしまう。

     Ambersons 1

二人の息子ジョージ(ティム・ホルト)は親に溺愛されて、傲慢な青年に育ち、町の鼻つまみ者になっていた。そんなある日、実業家として成功したユージンが帰郷する。

 Ambersons 2

ジョージは、ユージンを成り上がり者とみなして毛嫌いするが、その一方でユージンの一人娘で美しいルーシー(アン・バクスター)に心惹かれてゆくのだった…

 Ambersons 3

かってフランソワ・トリュフォー監督が、「まるで「市民ケーン」を毛嫌いした別の映画作家が謙虚さの規範を示してみせたような作品」と評した通り、時間の流れを分解して再構成した上で、パン・フォーカス、長回し、ローアングルなどの様々な映像表現技術を多用した前作に比し、物語を時間の流れ通りに展開させ、長回しを多用した本作は、同じ監督の作品とは思えないほど。

 Ambersons 4

一見、対照的に見える両作品だが、ウェルズ監督の、人間に対する深い関心は一貫して変わらないように感じさせる。特に本作は、ユージンジョージを軸にした人間模様が一族の興亡の中に大河ドラマのように重厚に描かれ、素晴らしく充実した作品。このように全く異なる作風で傑作を作ってみせるウェルズ監督の天才ぶりに圧倒されました!  ⇒ 9/10点

偉大なるアンバーソン家の人々
The Magnificent Ambersons (1942年・アメリカ)
監督: Orson Welles
キャスト: Joseph Cotten, Dolores Costello, Anne Baxter, Tim Holt, Agnes Moorehead, Ray Collins, Erskine Sanford, Richard Bennett, Don Dillaway ほか
上映時間: 88分


⇒ ウェルズ監督のフィルムノワール「黒い罠」(56年)感想 〜 オススメ!

⇒ ご存知コットンの代表作「第三の男」(48年)感想 〜 傑作!!!
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