幸せの行方… 〜 実際の未解決事件を描いたサスペンス映画
ニューヨークの不動産王ダースト家の御曹司が絡んだとされる実際の未解決事件を描いたサスペンス映画。監督はドキュメンタリー映画出身のアンドリュー・ジャレッキー。全米では2010年12月に限定公開されている。

1971年のニューヨーク。不動産王サンフォード・マークス(フランク・ランジェラ)の息子デヴィッド(ライアン・ゴズリング)は、普通の家庭出身のケイティ(キルステン・ダンスト)と出会い、二人は恋に落ちる。父の反対を押し切って結婚した二人は、ニューヨークを離れてバーモント州に移り住み、そこで自然食品の店をオープンさせる。

つつましくも幸せな日々を送っていた二人だったが、デイヴィッドは家業を継がせたい父に無理矢理連れ戻されてしまい、その頃から妊娠したケイティに中絶を強要するなど、次第に奇妙な行動が目立ち始め、やがてケイティが行方不明となってしまう…

1982年に行方不明となった妻を含め3人を殺害した疑いで逮捕され、今も裁判が進行中のロバート・ダーストを主人公としたサスペンス映画。未だに行方不明となっている妻キャスリーンを始め、キャスリーン(映画ではケイティ)が失踪した時の状況と酷似した内容の小説を執筆した友人のスーザン・バーマン(映画ではデボラ・ラーマン〜リリー・レーブ)が2000年、隣人だったモリス・ブラック(映画ではマルヴァーン・バンプ〜フィリップ・ベイカー・ホール)が2001年にいずれも死体で発見され、ブラック殺害は2003年に正当防衛と判断されたものの、他の2件については当時から有力容疑者とされていたものの、証拠が見つからず長らく未解決事件となっていたところ、本作を気に入った(!)ダースト自身のリクエストでジャレッキーが2015年に撮影したドキュメンタリーで自身が殺害に関与した事を独り言でつぶやいて逮捕されたという、前代未聞の事件。

公判でのロバート・ダースト
この映画は、事件が急展開する前の2010年の作品なので、さすがにダースト自身を真犯人とは名指し出来ず、ほのめかす程度で映画を進めているため、なんとなく中途半端感が否めない。その分、デヴィッドとケイティのロマンスや、デヴィッドと父親との屈折した関係を織り込んでいるのだが、どれもが中途半端になっていて、映画としては何を描きたいのがか分かりにくい結果になっている。ゴスリングとダンスト、それにベテランのランジェラと役者をそれなりに揃えているだけに残念。 ⇒ 6/10点

幸せの行方…
All Things Good (2010年・アメリカ)
監督: Andrew Jarecki
キャスト: Ryan Gosling, Kirsten Dunst, Frank Langella, Philip Baker Hall, Lily Rabe, Michael Esper, Diane Venora, Nick Offerman, Kristen Wiig, Stephen Kunken, John Cullum, Maggie Kiley, Liz Stauber, Marion McCorry, Mia Dillon, Tom Kemp, Trini Alvarado, Francie Swift, David Marguiles, Francis Gunan, William Jackson Harper, Ashlie Atkinson, Julie Moran ほか
上映時間: 101分
⇒ ゴスリング主演作「ナイスガイズ!」(16年)感想
⇒ ダンスト出演作「若草物語」(94年)感想 〜 オススメ!

1971年のニューヨーク。不動産王サンフォード・マークス(フランク・ランジェラ)の息子デヴィッド(ライアン・ゴズリング)は、普通の家庭出身のケイティ(キルステン・ダンスト)と出会い、二人は恋に落ちる。父の反対を押し切って結婚した二人は、ニューヨークを離れてバーモント州に移り住み、そこで自然食品の店をオープンさせる。

つつましくも幸せな日々を送っていた二人だったが、デイヴィッドは家業を継がせたい父に無理矢理連れ戻されてしまい、その頃から妊娠したケイティに中絶を強要するなど、次第に奇妙な行動が目立ち始め、やがてケイティが行方不明となってしまう…

1982年に行方不明となった妻を含め3人を殺害した疑いで逮捕され、今も裁判が進行中のロバート・ダーストを主人公としたサスペンス映画。未だに行方不明となっている妻キャスリーンを始め、キャスリーン(映画ではケイティ)が失踪した時の状況と酷似した内容の小説を執筆した友人のスーザン・バーマン(映画ではデボラ・ラーマン〜リリー・レーブ)が2000年、隣人だったモリス・ブラック(映画ではマルヴァーン・バンプ〜フィリップ・ベイカー・ホール)が2001年にいずれも死体で発見され、ブラック殺害は2003年に正当防衛と判断されたものの、他の2件については当時から有力容疑者とされていたものの、証拠が見つからず長らく未解決事件となっていたところ、本作を気に入った(!)ダースト自身のリクエストでジャレッキーが2015年に撮影したドキュメンタリーで自身が殺害に関与した事を独り言でつぶやいて逮捕されたという、前代未聞の事件。

公判でのロバート・ダースト
この映画は、事件が急展開する前の2010年の作品なので、さすがにダースト自身を真犯人とは名指し出来ず、ほのめかす程度で映画を進めているため、なんとなく中途半端感が否めない。その分、デヴィッドとケイティのロマンスや、デヴィッドと父親との屈折した関係を織り込んでいるのだが、どれもが中途半端になっていて、映画としては何を描きたいのがか分かりにくい結果になっている。ゴスリングとダンスト、それにベテランのランジェラと役者をそれなりに揃えているだけに残念。 ⇒ 6/10点

幸せの行方…
All Things Good (2010年・アメリカ)
監督: Andrew Jarecki
キャスト: Ryan Gosling, Kirsten Dunst, Frank Langella, Philip Baker Hall, Lily Rabe, Michael Esper, Diane Venora, Nick Offerman, Kristen Wiig, Stephen Kunken, John Cullum, Maggie Kiley, Liz Stauber, Marion McCorry, Mia Dillon, Tom Kemp, Trini Alvarado, Francie Swift, David Marguiles, Francis Gunan, William Jackson Harper, Ashlie Atkinson, Julie Moran ほか
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