オペラ: ナブッコ@メトロポリタン・オペラ

本日のメトの演目は、2005年以来の上演以来、久々のナブッコ

     Met 10122011

ヴェルディ3作目のこのオペラ、前2作は惨憺たる失敗に終わり、作曲をやめようとさえ思っていたヴェルディの起死回生の成功作となった作品。このオペラの成功がなければ、現在我々が知る傑作の数々は世に生まれていなかったかも知れない。そういう意味でも、ヴェルディのオペラの中でも重要な作品。

       Nabucco 1

メゾ・ソプラノとバリトンにドラマ上重要な役割を与えるという、ヴェルディのオペラの特徴はこの初期の作品でもはっきりしており、ソプラノ役ではあるものの、ドラマ上はメゾ・ソプラノに当てられるような敵役のアビガイッレと、タイトル・ロールであるバリトン役のナブッコがこのオペラの中心となっている。今回のアビガイッレ役はウクライナの名ソプラノ、マリア・グレギーナナブッコ役はセルビア=モンテネグロのバリトン、ジェリコ・ルチッチ

さて、アビガイッレ役を得意にしているグレギーナだが、メトで50年ぶりの上演だった2001年の舞台以来、ほとんどの上演でこの役を歌ってきている。さすがに往時の声のコントロール力は弱まっていて、歌唱に不安定なところが散見されたが、声の威力は相変わらず、感情の振幅が激しい難役のアビガイッレ役を情感たっぷりに歌いだしていた。

     Guleghina as Abigaille

アビガイッレの父親でバビロニア王のナブッコ役のルチッチは、威力のある声で歌っていたが、やや感情表現が淡泊な感じで、戦士としての荒々しさと王としての威厳を併せ持つこの役にはやや物足りない感じ。

     Lucici as Nabucco

この二人に対してやや影の薄い存在である、ナブッコのもう一人の娘フェネーナは、アメリカの新進メゾ・ソプラノ、ルネ・テータム、そしてエルサレム王の甥であるイズマエーレは最近注目を集めている韓国のテナー、ヨンフン・リーが、フレッシュに歌っていて好印象。

     Nabucco at Met Opera Shop
     オペラ・ショップ内のナブッコ特集コーナー

ヘブライ人の祭司長、ザッカリアはベテラン・バス、カルロ・コロンバーラが貫禄たっぷりの歌唱を聞かせてくれた。

     Colombara as Zaccaria

指揮はイタリアのパオロ・カリニャーニ。ダイナミックな音楽作りが、ヴェルディ初期の熱気に満ちた音楽に良く合っていた。

ナブッコは後のヴェルディの傑作の数々に較べると完成度の点では劣るものの、その直接的で熱い音楽にはまぎれもなくヴェルディの血が流れている。合唱が効果的に使われている作品だが、特に第3部で歌われる、イタリアの第2の国家といわれる「わが想いよ、金色の翼に乗って行け」メトの合唱団が感動的に歌ってくれた!演出は2001年以来のエリジャ・モシンスキーの大がかりな舞台で、この作品にふさわしいもの。

     Met Opera Chorus at Nabucco
     
なお、本日の上演でようやくメトでは50回目の上演となった。

       Nabucco (1842年、ミラノ・スカラ座にて初演)
      演出: Elijah Moshinsky
      指揮: Paolo Carignani
      Nabucco: Zeljko Lucic
      Abigaille: Maria Guleghina
      Fenena: Renee Tatum (Debut!)
      Ismaele: Yonghoon Lee
      Zaccaria: Carlo Colombara
      2011年10月12日、メトロポリタン歌劇場
     
     
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