カーチャ・カバノーヴァ @ ジュリアード音楽院

ジュリアード音楽院の声楽家の学生さんたちの発表の場として、年に2回オペラ公演が行われるのだが、その2回目の公演に娘がオーケストラで出演するという事で、観に行く事に。

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今回の公演はヤナーチェクの代表的なオペラ、カーチャ・カバノーヴァ。出演者は、全員ジュリアードの学生さんだが、やはり大学院にいる人が多いようだ。

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オーケストラ・ピット。娘は今回は第1ヴァイオリンに。

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演奏は、さすが世界中の歌劇場で活躍しているオペラ歌手を輩出しているジュリアードだけあって、とても学生さんとは思えない、高水準の歌唱。特に、主役のカーチャ役を演じたソプラノのフェリシア・ムーアは素晴らしかった!

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今回は計3回の公演で、忙しい授業やレッスンの中でのリハーサルも含め、大変だったようだが、歌手と合わせるという得難い経験になったのではないだろうか。

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Katya Kabanova (1921年、ブルノ・国立劇場にて初演)
演出: Stephen Wadsworth
指揮: Anne Manson
Katya: Felicia Moore
Varvara: Samantha Hankey
Kabanicha: Sara Couden
Boris: Gerald Schneider
Tichon: Miles Mykkanen ほか
2017年4月23日、ピーター・ジェイ・シャープ・シアター

テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

エフゲニー・オネーギン @ メトロポリタン・オペラ

シーズンもあとわずかとなったメト、本日はチャイコフスキーのエフゲニー・オネーギン

 Onegin 01

2013〜14年シーズンにプレミエ上映が行われたデボラ・ワーナーの舞台の3シーズンぶりの再演となった今回、オネーギン役はディミトリー・ホロストフスキーが務める予定だったのだが、現在脳腫瘍の闘病中の彼は、舞台に上がるまでの回復が叶わず、プレミエでオネーギンを歌ったマリウシュ・クヴィエチェンペーテル・マッテイが交代で代役を務めることに。タチアーナはプレミエ同様、アンナ・ネトレプコ

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さて、私が行った日のオネーギンマッテイ。その朗々たる美声で、すっかり今を代表するバリトンの一人となった彼、ニヒルで斜に構えたオネーギンというよりは、明るくエネルギッシュといったイメージではあるものの、さすがに堂々たる歌唱!

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ここ数年で、より重い声の役へと上手にレパートリーを転換する事に成功したネトレブコ、この日はやや声が不安定な感じだったが、それでも3シーズン前の歌唱から一段と表現力を増したタチアーナで、存在感を示してくれた。

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レンスキーオルガはそれぞれアレクセイ・ドルゴフエレーナ・マクシモーヴァロシア勢が演じたが、ドルゴフはやや声量は小さめながら、情熱的な歌いぶり、マクシモーヴァも美しいメゾで無難に歌いこなしていた。

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指揮は2014年よりグラインドボーン音楽祭の音楽監督を務めるロビン・ティチアーティで、こちらはチャイコフスキー特有のロマンチックな旋律をしっかりと歌わせた万全のサポートぶりを聴かせてくれ、好印象。

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ワーナーの舞台は少し中途半端な感じがするもので、可もなく不可もなくといった感じでした。

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Eugene Onegin (1881年、ボリショイ劇場にて初演)
演出: Deborah Warner
指揮: Robin Ticciati
Onegin: Peter Mattei
Tatiana: Anna Netrebko
Lenski: Alexey Dolgov
Olga: Elena Maximova
Filippyevna: Larissa Diadkova
Triquet: Tony Stevenson
Prince Gremin: Stefan Kocan ほか
2017年4月22日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 前回上演感想

⇒ ネトレブコ出演のメト「マノン・レスコー」感想

⇒ マッテイ出演のメト「セヴィリアの理髪師」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

イドメネオ @ メトロポリタン・オペラ

3月も後半に入り、いよいよ終盤に入ったメトのシーズン。この日はモーツァルト25歳の時のオペラ、イドメネオ

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メトで残り少なくなった、名演出家ジャン=ピエール・ポネル演出によるこの舞台、ジェームズ・レヴァインの指揮で、歌手陣はマシュー・ポレンザーニのタイトル・ロールを始め、中堅どころが揃えられている。

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昨年12月のナブッコでも復調ぶりを感じさせてくれたレヴァイン、今回のイドメネオでも、生命感に溢れた、生き生きとした演奏で、モーツァルトの流麗な音楽を存分に堪能させてくれた。作曲当時、流行遅れとなりかけていたオペラ・セリエの形式で書かれた作品ながら、モーツァルトらしい、素晴らしい音楽が詰まっている事を今回初めて実感させられた!

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歌手陣は、ノーブルにイドメネオ役を歌ったポレンザーニをはじめ、イダマンテ役イギリスのメゾ、アリス・クートイリヤ役ナディーヌ・シエラら、いずれも好唱。特に、このオペラ随一の強いキャラクターで印象的なアリアを割り当てられているエレットラ役エルザ・ファン・デン・ヒーヴァーの迫力ある歌唱が印象的だった。

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時代設定をギリシャ神話の時代から、18世紀に移し替えたポネルの演出は、オペラ・セリアの雰囲気を良く再現している感じ。もっと上演頻度が上がっても良いオペラだと思うのだが、私が行った日で、わずか73回目の上演でした。

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Idomeneo (1781年、ミュンヘン・宮廷劇場にて初演)
演出: Jean-Pierre Ponnelle
指揮: James Levine
Idomeneo: Matthew Polenzani
Idamante: Alice Coote
Ilia: Nadine Sierra
Elettra: Elza van den Heever
Arbace: Alan Opie
Voice of Neptune: Eric Owens ほか
2017年3月25日、メトロポリタン歌劇場


⇒ ポレンザーニ出演のメト「ロベルト・デヴリュー」感想

⇒ クート出演のメト「ばらの騎士」感想

⇒ レヴァイン指揮のメト「ナブッコ」感想

テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

フィデリオ @ メトロポリタン・オペラ

いつの間にかシーズンも終盤に入ったメト。本日はベートーヴェン唯一のオペラ、「フィデリオ」

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2006年以来、およそ11年ぶりの上演となった今回、 レオノーレアドリアンヌ・ピエチョンカフロレスタンクラウス・フロリアン・フォークトなど、実力派を揃えたキャスト。演出は2000年にプレミエ上演が行われたユルゲン・フリムの舞台。

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傑作揃いのベートーヴェンの作品の中にあって、どちらかといえば地味な存在のこのオペラだが、音楽は紛れもないベートーヴェンのもので、有名な「囚人の歌」を始め、やはり聞き応え十分!

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レオノーレを歌ったカナダ出身のソプラノ、ピエチョンカは、ベートーヴェンの理想の女性像とも言われるこの役を素晴らしく情感豊かに歌い、印象的。

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ドイツ出身のテナー、フォークトフロレスタン、ドイツ物を得意としているだけに、こちらも優れた歌唱。特に2幕最初の見せ場は、感情がこもった切々とした歌いぶりで素晴らしかった!

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この二人を支える歌手たち、ロッコ役のファルク・シュトルックマンドン・ピツァロ役のグリア・グリムスリーマルツェリーネ役のハンナ・エリザベス・ミューラー(デビュー!)らも、堅実な歌唱で舞台を盛り上げていた。

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フランクフルト歌劇場の音楽監督を務めるセバスチャン・ヴァイグレの指揮は、やや音楽への踏み込みが浅い感じで、そつなく纏めているとは思うが、どこか物足りなかった。

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初演時から評価の高かったフリムの演出は、モダンでありながら音楽にぴったりと寄り添った感じのもので、未だに色褪せた感じがしない。相対的にメトらしい隙のない舞台で、ベートーヴェン唯一のオペラを存分に堪能する事が出来ました!

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Fidelio (1805年、ウィーン・アン・デア・ウィーン劇場にて初演)
演出: Jurgen Flimm
指揮: Sebastian Weigle
Leonore: Adrianne Pieczonka
Florestan: Klaus Florian Vogt
Rocco: Falk Struckmann
Don Pizarro: Greer Grimsley
Marzelline: Hanna-Elizabeth Muller (デビュー!) ほか
2017年3月16日、メトロポリタン歌劇場


⇒ ピエチョンカ出演のメト「エレクトラ」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

椿姫 〜 進境著しいヨンチェヴァのヴィオレッタ!

すっかりメトでもお馴染みになったウィリー・デッカー演出の「椿姫」。今シーズンはブルガリアのソプラノ、ソーニャ・ヨンチェヴァヴィオレッタに迎えての公演。

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2013年のリゴレットでのジルダ役メト・デビューして以来、ボエームのミミオテロのデスデーモナなど、順調に主要な役をこなしてきているヨンチェヴァヴィオレッタは2014-15年シーズンにすでにメトで歌っている(私は未聴)のだが、今回のメト出演ではさらに進化した歌を聴かせてくれた!

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彼女の声は、どちらかと言えば硬質な感じなのだが、低声域から高声域までムラがなく、トップノートでも輝かしく力強い。そういう意味では、病弱なというよりも、生命への欲求を感じさせるヴィオレッタなのだが、感情表現もなかなか細やかで、3幕それぞれ異なった歌唱表現が要求される屈指の難役を素晴らしく歌いこなしていた。細かいところは、まだまだ良くなっていくだろうし、これからもメトでの活躍が本当に楽しみ!

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アルフレード役アメリカの若手テナー、マイケル・ファビアーノ。こちらはトップノートの力強さはまずまずだが、見た感じ同様、ちょっと神経質なアルフレードといった感じ。

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アルフレードの父ジェルモン役はベテラン、トーマス・ハンプソン。前半の舞台で体調不良のため降板したりして心配していたが、当日は無事に出演。かっての威力あるバリトン声ではなくなって久しいが、抑えた歌いぶりが、かえってこの役に相応しい感じだった。

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タクトを取ったのは、サンフランシスコ歌劇場の音楽監督を務めるニコラ・ルイゾッティで、こちらは活気のあるテンポで、過不足のないサポートぶり。

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2005年のザルツブルク音楽祭アンナ・ネトレブコを一躍スターダムに押し上げたウィリー・デッカーの舞台は、主役のヴィオレッタに演技力が要求されるものだが、ヨンチェヴァはここでも無難にこなしていた。

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La Traviata (1853年、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場にて初演)
演出: Willy Decker
指揮: Nicola Luisotti
Violetta: Sonya Yoncheva
Alfredo: Michael Fabiano
Germont: Thomas Hampson ほか
2017年3月11日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2012-13年シーズンのメト「椿姫」感想

⇒ ヨンチェヴァ出演のメト「オテロ」感想

⇒ ファビアーノ出演のメト「ラ・ボエーム」感想

⇒ ハンプソン出演のメト「ホフマン物語」感想

テーマ : オペラ
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