トゥーランドット @ メトロポリタン・オペラ 〜 ゼッフィレッリの華麗な舞台に酔う!

本日のメトは、プッチーニ最後のオペラ、トゥーランドット

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メトでは今や数少なくなってしまったフランコ・ゼッフィレッリ演出のこの舞台、メトではポピュラーな演目のひとつで、今回は2015-16年シーズン以来、2シーズンぶりの上演。

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第3幕にテノールにとってはおいしい聴かせどころ、アリア「誰も寝てはならぬ」が控えているカラフ役を務めたのはラトヴィアのテナー、アレクサンドルス・アントネンコ。もう少しテノールならではの高声域部の輝かしさが欲しいのだが、いつもながらの安定した歌唱でまずまず。聴かせどころのアリアも無難にこなしていた。

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トゥーランドット役はウクライナ出身の若手ソプラノ、オクサナ・ダイカ。声量は十分なのだが、高声域が金属的に響くのが惜しいが、ドラマティックな声が要求される難役に対して、健闘と言える歌唱だった。

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リュー役はイタリアの若手ソプラノ、マリア・アグレスタで、こちらはこの役に相応しく、可憐で切々とした歌唱で好印象。そしてカラフの父ティムールを歌ったのは先日メトでの1000回目の出演を飾ったベテラン、ジェームス・モリスで、かっての声の威力はなくなったとはいえ、しみじみとした歌唱はさすがだった!

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トゥーランドットに仕える3人の宦官、ピン・ポン・パンもそれぞれ芸達者の歌手達を揃え、観客を楽しませてくれるのがメトならでは。

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指揮はヨーロッパの主要歌劇場で幅広く活躍するカルロ・リッツィで、こちらはプッチーニの流麗な旋律をよく歌わせた手堅い音楽作りで、歌手達をしっかりと支えていた。

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かってメトで主流だったゼッフィレッリの豪華で大がかりな舞台は、今では希少生物のような存在となってしまったが、グランド・オペラ的性格を持つこの作品では彼の演出はひときわ映える。同じく彼の演出のラ・ボエームと共に、長らくメトで上演され続けているのも納得の名舞台。

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Turandot (1926年、ミラノ・スカラ座にて初演)
演出: Franco Zeffirelli
指揮: Carlo Rizzi
Turandot: Oksana Dyka
Calaf: Aleksandrs Antonenko
Liu: Maria Agresta
Timur: James Morris
Ping: Alexey Lavrov
Pong: Eduardo Valdes
Pang: Tony Stevenson ほか
2017年10月25日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2012-13年シーズンのメト公演感想

⇒ アントネンコ出演のメト「オテロ」感想

⇒ ダイカ出演のメト「イエヌーファ」感想

⇒ モリス出演のメト「ドン・カルロ」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

ホフマン物語 @ メトロポリタン・オペラ 〜 オッフェンバッハの流麗なメロディーに酔う!

今回のメトは2014〜15年シーズン以来、3シーズンぶりとなるホフマン物語

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ホフマンは前回公演同様、メトを背負って立つ存在になりつつあるヴィットリオ・グリゴーロ。これに中堅どころの歌手陣が揃えられている。

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そのグリゴーロ、若々しい伸びやかなテナーは相変わらず、スターのオーラを醸し出しながらの歌唱だった。今回は、フレーズの真ん中で声が膨らむような癖を感じさせたのだが、それを除けば満足のいく歌唱!

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オランピア役は前回に引き続き、エリン・モーリー。温かみのある声質で、コロラトゥーラ・ソプラノの典型的な役で、人形らしい透明感のある声が合うこの役とは少しイメージが違うのだが、コロラトウゥーラの技術は正確で、やはり素晴らしい歌唱。聴衆からも拍手喝采であった!

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アントニア役はルーマニア出身のソプラノ、アニタ・ハーティグ。少し仄暗さも感じさせる美しいソプラノで、この役に相応しい歌唱。

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ジュリエッタベラルーシ出身のメゾ・ソプラノ、オクサナ・ヴォルコヴァで、こちらも無難な歌唱。

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ミューズニクラウス役を歌ったのは、これがメト・デビューとなるアイルランド出身のメゾ、タラ・エロート。少し声が小さめなのが、広大なメトの空間では損な感じだが、まずは無難なデビュー。

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悪人4役を演じたのはフランスのベテラン・バス=バリトン、ローラン・ナウリで、さすが母国語だけあって、ディクションの美しさが際立ち、知的な悪役といった感じの役作りが印象的だった。

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指揮はトロントカナディアン・オペラ・カンパニーの音楽監督を務めているドイツ出身のヨハネス・デビュスで、各幕の性格の違いをきっちりと描き分け、全体を重くなり過ぎずに通した手堅い演奏。オーケストラも合唱団も相変わらずの素晴らしさ!

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2009年以来使用されているバートレット・シャーの演出は、巷では毀誉褒貶があるようなのだが、私はメトの広大な舞台空間を上手に利用した舞台だと思う。

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初演前に作曲者オッフェンバッハが亡くなってしまったため、決定稿が存在しないこのオペラ、メトは1977年のフリッツ・エーザー校訂版をベースにジェームズ・レヴァインと今は亡き名演出家ジャン=ピエール・ポネルが手を加えた版を使用しているが、1984年に発見された多数の新資料を加えたケイ版を実演で聴いてみたいものだ。

オッフェンバッハオペレッタの軽い音楽の作曲家と見られがちなのだが、ロッシーニが彼のことを「シャンゼリゼのモーツァルト」と評したぐらい、天性のメロディーが高次元で盛り込まれていて、オペレッタ作曲家という枠を遥かに超える充実した作品、私が大好きなオペラの一つ!

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Les Contes d'Hoffmann (1881年、パリ・オペラ・コミックにて初演)
演出: Bartlett Sher
指揮: Johannes Debus
Hoffmann: Vittorio Grigolo
Muse/Nicklausse: Tara Erraught (デビュー!)
Lindorf/Coppelius/Dr. Miracle/Dapertutto: Laurent Naouri
Olympia: Erin Morley
Antonia: Anita Hartig
Giulietta: Oksana Volkova ほか
2017年10月21日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2015年の前回公演感想

⇒ シャー演出・グリゴーロ、ナウリ出演のメト「ロメオとジュリエット」感想

⇒ モーリー出演のメト「ばらの騎士」感想

⇒ ハーティグ出演のメト「フィガロの結婚」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

魔笛 @ メトロポリタン・オペラ 〜 歌手を支えるレヴァインの熟練の指揮!

少し気温が上昇した土曜日の昼下がり、メトのマチネー公演に出向く。本日の公演は「魔笛」

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最近のメトではクリスマスから年末にかけてのホリデー・シーズンに、ファミリー向けにセリフを英語にして全体も短縮したバージョンを上演するようになったため、逆にオリジナルの上演頻度が下がったのが残念。今回はオリジナルとしては、2014年以来3年ぶりの上演で、歌手陣の顔ぶれは前回観た時からはかなり変わっている。指揮は前音楽監督のジェームズ・レヴァイン

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今回の公演でまず印象的だったのは、レヴァインの指揮。一時期少し不調かな、と感じさせる時期があったのだが、今回の公演では、かってのエネルギッシュさは後退した感じではあったものの、その分精妙さが際立ち、歌手たちを万全に支えて、モーツァルトの音楽の素晴らしさを十全に伝えてくれた!

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歌手陣は総じて高水準の歌唱。その中でも目(耳?)を引いたのが、今回がメト・デビューとなったパミーナ役の南アフリカ出身のソプラノ、ゴルダ・シュルツ。温かみを感じさせる伸びやかで美しい声で、安定感も十分。素晴らしい歌唱で、同郷で一足先にメト・デビューし、注目度上昇中のプリティ・エンデと共に、今後の活躍が楽しみ!

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対するタミーノ役はアメリカ出身のテナー、チャールズ・カストロノーヴォ。こちらはバリトンを思わせるような声質がこの役に合っていない感じがしたのだが、破綻のない歌いぶりでまずまず。

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夜の女王はアメリカの若手キャスリン・レヴェク。2014年の魔笛でもこの役を歌っていたらしいのだが、私が行った回は別の人が歌っていて、彼女の歌を聴くのは今回が初めてだったのだが、破綻のないコロラトゥーラ、超高声域でも無理のなく伸びていく美声で素晴らしかった!こちらも今後もっと聴いてみたい歌手!

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パパゲーノ役は前回に引き続きオーストリアのバリトン、マーカス・ウェルバで、すっかりこなれたコミカルな演技と安定した歌唱で満足のいく出来。

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ザラストロ役のルネ・パーペ、彼が歌うと舞台全体が引き締まるのは相変わらずで、威厳のある歌唱はこの役にぴったり。この役で彼の歌をもっと聴いたイメージがあったのだが、今回が初めてだった!

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このほか、モノスタートス役のグレッグ・フェッダーリー弁者役のクリスチャン・ヴァン・ホーンらも手堅い歌唱。

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彼女が手がけた大ヒット・ミュージカル、ライオン・キングと歌舞伎のいでたちを融合させたようなジュリー・テイモアの舞台は、相変わらずメルヘンチックだが、不思議に愉しさがあまり伝わってこない舞台。それでも、この傑作オペラの素晴らしさを味わうのには十分!

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Die Zauberflote (1791年、ウィーン・ヴィーデン劇場にて初演)
演出: Julie Taymor
指揮: James Levine
Tamino: Charles Castronovo
Pamina: Golda Schultz
Papageno: Markus Werba
Papagena: Ashley Emerson
Queen of the Night: Kathryn Lewek
Zarastro: Rene Pape
Monostatos: Greg Fedderly
The Speaker: Christian Van Horn ほか
2017年10月14日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2014〜15年シーズンの公演 感想

⇒ レヴァイン指揮のメト「イドメネオ」感想

⇒ パーペ出演のメト「トリスタンとイゾルデ」感想

テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

ノルマ @ メトロポリタン・オペラ 〜 メトもシーズン開幕!

メトの新しいシーズンは新演出のベッリーニのノルマで始まったが、私は夏の陽気が戻ったかのような土曜日、マチネー公演に足を運んだ。

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今回の新演出は、メトではドニゼッティのテューダー三部作の演出等を担当したイギリスの演出家デヴィッド・マクヴィカーの手になるもので、タイトル・ロールに、前回2013年の上演でこの役のメト・デビューを果たしたソンドラ・ラドヴァノフスキーアダルジーザ役ジョイス・ディドナートポリオーネ役ジョセフ・カレヤという注目のキャスト。前回上演時では、アンジェラ・ミードノルマを歌った舞台に行ったので、ラドヴァノフスキーが歌うのを聴くのは今回が初めて!

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さて、そのラドヴァノフスキーノルマだが、ドラマティックな歌唱力と高度なコロラトゥーラの技術、それに細やかな感情表現が必要とされるこの難役を見事に歌いこなしていて、素晴らしかった。かっては声量があるスケールの大きな歌ではあるものの、時折コントロールが粗くなる印象があったのだが、2016年の「ロベルト・デヴリュー」、そして今回のノルマと、声のコントロールと高声域の美しさ、感情表現の細やかさの両立が一段と成熟してきた感があり、観客からも万雷の拍手を受けていた!

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対するアダルジーザディドナートラドヴァノフスキーに一歩も引けを取らない歌唱で、こちらも素晴らしい出来!

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ポリオーネ役カレヤは、いつもの伸びのある声でそつなくポリオーネを歌っていたが、1幕1場の聴かせどころ、「彼女を連れてヴィーナスの祭壇へ」で、まだ声が温まっていなかったのか、高音が潰れてしまったのが残念。

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ノルマの父オロヴェーゾ役マシュー・ローズは手堅い歌唱で、主役3人をきっちりと支えていた。

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個々のアリアと合唱が緊密に結びついているこのオペラでは、合唱団の出来が重要になってくるのだが、そこはメトの合唱団、相変わらずの素晴らしさでオペラを盛り立てていた!

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マクヴィカーの演出は、全体的に彼が演出したメトテューダー三部作同様、暗いトーンで統一されていて、ややモノトーンな感じ。突飛なところは何もなく、安心して観れる舞台だが、逆にもう少し新鮮味が欲しいところ。

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指揮は主にヨーロッパの歌劇場で活躍するカルロ・リッツィ。安定した音楽運びはさすがで、歌手たちを万全にサポートしていたが、もう少し生き生きとした感情を引き起こさせるものが欲しいような感じも、と言ったら贅沢だろうか。

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何れにしても、主役3人の素晴らしい歌唱でこのオペラの魅力を存分に味わう事が出来た公演。同じベルカント・オペラの名作、ドニゼッティのルチアと並ぶ傑作であるこの作品、メトでは私が観た公演が通算160回目の上演と、これまで599回と、なぜか大きく引き離されている。もっと上演して欲しい演目なのですが…

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Norma (1831年、ミラノ・スカラ座にて初演)
演出: Sir David McVicar
指揮: Carlo Rizzi
Norma: Sondra Radvanovsky
Polione: Joseph Calleja
Adalgisa: Joyce DiDonato
Oroveso: Matthew Rose
Flavio: Adam Diegel
Clotilde: Michelle Bradley ほか
2017年10月7日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2013年の前回上演感想

⇒ マクヴィカー演出・ラドヴァノフスキー、ディドナート出演のメト「ロベルト・デヴリュー」感想

⇒ カレヤ出演のメト「マクベス」感想

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ジャンル : 音楽

ばらの騎士 @ メトロポリタン・オペラ 〜 ルネ・フレミング最後の元帥夫人!

今シーズン最後のメトは、新演出となったR・シュトラウスの傑作、ばらの騎士

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カナダの演出家、ロバート・カーセンによる新演出となった今回の舞台だが、それ以上に話題となったのが、長年にわたり世界中のオペラハウスで活躍してきた名ソプラノ、ルネ・フレミングにとって最後となる元帥夫人

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最近では声の衰えを巧みな歌い口でカバーしてさすがと思わせる歌唱を披露してくれていたフレミングだが、彼女の当たり役の一つであるこの元帥夫人では、歌い口の美しさはもちろん、情感のこもった気品溢れる歌唱で、さすがだった!私が行ったのは最終日の公演だったのだが、終演後舞台上から紙吹雪が撒かれ、観客からも惜しみない拍手が注がれていた。

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オクタヴィアンは当代きっての人気メゾ、エリーナ・ガランチャ。美声の持ち主ではあるものの、かっては薄口な表現が物足りなかったものだが、最近は感情表現にも奥行きを感じるようになり、この役はそれほど深い感情表現が要求されるわけではないとはいえ、こちらも情感のこもった歌で盛り上げていた。

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ゾフィー役は若手コロラトゥーラ・ソプラノのエリン・モーリーだが、こちらは役に相応しい可憐な歌唱!

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オックス男爵役はオーストリア出身のバス、ギュンター・グロイスベック。声量は十分だが、やや真面目な感じのオックス男爵といった感じだった。

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この他では、テノール歌手役を務めたマシュー・ポレンザーニが伸びやかな美声で聴衆を魅了していた。

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カーセンの舞台は、時代設定や舞台背景などを変えたりせず、意外にオーソドックスで洗練されたものになっていて、フレミングの晴れ舞台に相応しいものだった。

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最後に指揮のセバスティアン・ヴァイグレ。2008年よりフランクフルト歌劇場の音楽監督を務め、ヨーロッパを中心に活躍している指揮者だが、メトにも先般上演されていたフィデリオを始め、これまでに数度客演している。今まではどちらかといえば、それほど印象に残った指揮者ではなかったのだが、今回はニュアンスに富んだ、素晴らしい出来栄えで、この名作オペラを堪能するのに相応しい音楽作りだった!

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ばらの騎士(1911年、ドレスデン王立劇場にて初演)
演出: Robert Carsen
指揮: Sebastian Weigle
The Marschallin: Renee Fleming
Octavian: Elina Garanca
Sophie: Erin Morley
Baron Ochs: Gunther Groissbock
Italian Singer: Matthew Polenzani ほか
2017年5月13日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2013 - 14年シーズンのメト「ばらの騎士」感想

⇒ カーセン演出のメト「ファルスタッフ」感想

⇒ ヴァイグレ指揮のメト「フィデリオ」感想

⇒ フレミング出演のメト「メリー・ウィドウ」感想

⇒ ガランチャ出演のメト「ロベルト・デヴリュー」感想

⇒ モーリー出演のメト「ホフマン物語」感想

⇒ グロイスベック出演のメト「タンホイザー」感想

⇒ ポレンザーニ出演のメト「イドメネオ」感想

テーマ : オペラ
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